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ハンネマニア・フマリーフォリア

ハンネマニア・フマリーフォリア


ケシ科ハンネマニア属
学名Hunnemannia fumariifolia Sweet
英名Mexican tulip poppy, golden cup
和名 
別名メキシカンチューリップポピー、ゴールデン・カップ
花言葉 
メモ

 ハンネマニア属の解説は、こちらをご覧下さい。このサイトでは、単型属の場合は、属の解説と種の解説を一つのページにまとめています。しかし、単型属とされていたハンネマニア属は、1992年に新種発見の報告があり、2種となったので、属の解説を別のページにまとめました。
 一部の資料で、種小名が「fumariaefolia」と綴られていることがありますが、ここでは、「The Plant-Book」、「The New RHS Dictionary of Gardening」、「園芸植物大事典」、その他の資料に従いました。なお、fumariifoliaと綴るのは、オミナエシと同じ理由だと思います。
 英名が二つありますが、原産地や、花の形・色に因んだものと思われます。
 原産地はメキシコの高地(ヌエボレオン州、コアウィラ州、オアハカ州)で、日本への渡来は、1930年頃に水野正治氏が輸入したのが最初だそうです。

 半耐寒性の多年草です。葉や茎は、灰色がかった緑色です。葉は三出複葉を基本として、これを数回繰り返します。小葉は、深い切れ込みが入った羽状で、裂片は先の円い線形です。葉序は互生です。花は腋生で、葉腋に一つ着きます。花柄があります。萼片は2枚で、離生しています。他のケシ科の植物(ヒナゲシアイスランドポピーなどのケシ属カリフォルニア・ポピーシラユキゲシ)と違って、萼片は、開花しても、直ぐには脱落しません。花弁は4枚で、花色は黄色です。朝晩に開閉します。雄しべは多数あり、葯はオレンジ色です。柱頭は4裂し、子房は上位、果実は1室の細長い刮ハです。

ハンネマニア・フマリーフォリアの萼

 カリフォルニアポピーが属するエッショルチア属(ハナビシソウ属)とは近縁だそうです。良く似ていますが、上記の通り、開花後間もない時の萼片の有無で簡単に見分けることができ、左の写真のように、萼片があったらハンネマニア・フマリーフォリア、萼片が脱落して無くなっていたらエッショルチア属です。
 これ以外の違いもあります。ハンネマニア属とエッショルチア属の比較は、それぞれの属の解説ページにまとめています。

 ‘Sunlite’(和製の図鑑では‘Sunlight’と綴られていることがあります)という、半八重の品種があるそうです。
 霜が降りない地域では多年生ですが、園芸上は一年草として扱います。後述しますが、私の経験では、無加温の温室内なら、仙台でも冬を越せる程度には耐寒性があるようです(屋外では枯れるかもしれませんし、株が大きく育っている必要があるかもしれません)。播種は秋に行うと良いそうですが、個人的な経験では、春播きして年内に咲かせることも可能です(今年は播種から4ヶ月ほどで開花しました)。開花期は、播種時期によるようですが、春から霜が降りるまでです。陽当たりと排水が良い場所を好みます。また、過湿に注意すると良いそうです。

 ケシ科の御多分に洩れず、アルカロイドを含んでいる他、フラボノール配糖体や抗菌成分を含んでいることを示したようなタイトルの研究論文が、いくつかあります。ただし、これらの論文は、発表が1960〜1970年代と、論文専用の検索エンジンでも摘要すら読めないくらい古いので、詳細は全く不明です。

追記(2006.6.27.)
 耐寒性について説明を加えました。


本棚以外の参考文献
  • Nesom, G. L. A second species of Hunnemannia (Papaveraceae) and synopsis of the genus. Phytologia. 73: 330-337. 1992.(摘要のみ参考)

コメント

 播種は4月上旬、発芽はおよそその3週間後、最初の開花は、8月上旬です。
 6号鉢に3株ほど植えてますが、今の所、1株から2花が咲きました。3花目の蕾もあります。開花から4〜5日経ったら、花弁の基部の萎れが目立ってきて透き間が空くようになり、まるで、スカシユリ状態でした。
 パソコンでの初入力で、予想通り、「半値マニア」と変換されました( ̄▽ ̄;。なんだか、安い買い物を生き甲斐としている人みたいです(^^;(2004.8.28.)

もう一言(2005.5.4.)
 先に、「半耐寒性」、「園芸上は一年草として扱う」と書きましたが、昨年の11月末から無加温の温室に入れていたところ、無事に越冬し、4月末に今年最初の花が開花しました(^o^)v。同じ温室では、フブキバナが寒さのせいで枯死しかけましたが、ハンネマニアは下葉が枯れた程度で、上部の葉は緑を保ち続けました。ハンネマニアの「半耐寒性」が具体的にどの程度なのか分かりませんが、仙台で越冬出来る程度には、寒さに強いのかもしれません。

もう一言2(2006.6.27.)

ハンネマニア・フマリーフォリアの萼

 今年も咲きました(^^)。ずっと無加温の温室内で栽培しています。今年最初の開花は、記録するのを忘れてしまいましたが、4月には咲いていたと思います。咲き始めの頃は、花弁は4枚だったと思いますが、最近咲く花は、左の写真のように、八重(半八重?)咲きです。昨年末から今年にかけての寒さのせいで、フブキバナは完全に枯死してしまいましたが、ハンネマニアは無事越冬しました。一般に言われている以上に寒さに強いかもしれません。

 昨年の春、職場の後輩に頼まれて、タネを分けてあげました。始めのうちはちゃんと世話をしていたようですが、夏以降は、少なくとも私は水をあげている様子を見ていず、「ネグレクト」状態ですΣ( ̄□ ̄;。しかし、鉢の底穴から根が伸びて地面に根付いてしまったらしく、2年目の株であるにも関わらず、しょっちゅう鉢を動かして根付かせないようにしている私の3年目の子より立派に育っています(^^;。咲き始めも私の子より1〜2週間ほど早かったです。ハンネマニアは逞しいということを実感しています(^^ゞ

 
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