ハンネマニア属

属名の由来

イギリスの植物学者であり、植物コレクターであったJohn Hunneman氏（1760〜1839年）の名前に因む。

属について
　従来は、フマリーフォリア種（H. fumariifolia）一種の単型属とされていました。しかし、H. hintoniorum（ヒントニオルム種。属名の性が女性なので、種小名の語尾は、H. hintoniora になると思いますが？）という新種に関する Nesom氏の報告が、1992年に発表されました。「The Plant-Book」も、種名を明記していませんが、Nesom氏の報告を引用して2種あるとしています。
　属名のカタカナ表記は、「ハンネマニア」（「園芸植物大事典」）、「ハンネマンニア」（「最新園芸大辞典」）、「フンネマニア」（「原色園芸植物図鑑［I］」）、「フンネマンニア」（「Flower Oasis」）などがありますが、ここでは、「園芸植物大事典」に従いました。

形態・生態など
　上記の通り、従来は、ハンネマニア属は、フマリーフォリア種一種の単型属とされていたため、属の説明がそのまま種の説明となっている文献が多いです。また、Nesom氏の論文の摘要（文献検索専用のサーチエンジンで読めたのは、摘要のみ。オリジナルを入手することが出来ず、本文は読めませんでした）には、フマリーフォリア種とヒントニオルム種の形態的な違いについては触れられていませんでした。そこで、このサイトでも、形態（下記の他属との比較以外）と栽培方法については、フマリーフォリア種の解説のページにまとめることにしましたので、そちらをご参照下さい。
　なお、ヒントニオルム種とフマリーフォリア種は分布している地域が違うそうで、ヒントニオルム種は、石灰質を好み、メキシコ北東部のヌエボレオン州の狭い地域に分布が限られているのに対し、フマリーフォリア種はヌエボレオン州、コアウィラ州（メキシコ北部）、オアハカ州（メキシコ南部）に分布しているそうです。

　ハンネマニア属は、エッショルチア属（ハナビシソウ属）や Dendromecon属（デンドロメコン属）と近縁だそうです。これら3つの属は、Eschscholzioideae亜科という、いくつか（4つ？）あるケシ科の亜科の中で、最も小さい亜科を構成しているそうです（3属以外の属は含まれていません）。「園芸植物大事典」では、これら3属はケシ亜科（Papaveroideae）に属するとされていますが、ここでは、「The Plant-Book」や Gleissberg氏の文献に従いました。なお、Eschscholzioideae亜科の特徴として、毛が単細胞毛であること、花粉が多溝粒であること、心皮が2枚であることが挙げられるそうです。Eschscholzioideae亜科に属する属の形態的特徴は、以下の通りです。

種類など
　上記の通り、以下の2種があるそうです。
・フマリーフォリア（H. fumariifolia Sweet）
・H. hintoniorum

• 塚本洋太郎．原色園芸植物図鑑［I］一・二年草編．保育社．1972年．

• CRC World Dictionary of PLANT NAMES -Common names, scientific names, eponyms, synonyms, and etymology. CRC Press. 2000.

• Nesom, G. L. A second species of Hunnemannia (Papaveraceae) and synopsis of the genus. Phytologia. 73: 330-337. 1992.（摘要のみ参考）

• Gleissberg, S. Comparative analysis of leaf shape development in Eschcholzia californica and other Papaveraceae-Eschscholzioideae. American Journal of Botany. 91: 306-312. 2004.