教科書系、事典、用語集

目で見る植物用語集
石戸 忠研成社・のぎへんのほん1985年7月15日1,068円(税抜き)

内容
植物の形態に関する用語を、具体的に植物の名前を挙げて手書きのイラスト入りで説明している。用語はアイウエオ順に並べてある。また、巻頭に項目もくじ(花、葉、など)がある。モノクロ。

コメント
「○○の××が△△である」という様な説明の仕方で、ちょっと簡潔かな?と思いますが、そこそこ使えます。


蔬菜園芸の事典
斉藤 隆朝倉書店1991年10月20日5,800円(税抜き)

内容
蔬菜(平たく言えば野菜)園芸に関わる事柄(定義と特徴、発達と現状、他)と、果菜類(ナス類、ウリ類、イチゴ、マメ類)、葉茎菜類(菜類・生菜類、柔菜類、ネギ類)、根茎菜類(直根類、塊茎・塊根類)の来歴、種類と品種、形態・生理生態的特徴、栽培管理等について紹介されている。

コメント
聖典。私如きがコメントをつけるのは畏れ多いです。
↑これではコメントになりませんね。内容にあるように、蔬菜に関する基本的な知識が網羅されていますので、野菜の勉強をしたい方や野菜作りに関心がある方は一読されてみてはいかがでしょうか。


園芸学概論
斉藤 隆(著者代表)文永堂1992年11月20日4,000円(税抜き)

内容
果樹、蔬菜、花卉、園芸利用を専門とされる4名の先生が執筆された園芸学全般についての入門的なテキスト。園芸学と園芸作物の育種、形態、成長、環境、栽培、流通、貯蔵等についての総論。

コメント
園芸学に関する基礎を広範囲に学べます。園芸学って幅が広いです。「園芸学」という学問についての本であって、栽培の本ではないことに注意。


図説 植物用語事典
清水建美八坂書房2001年7月30日3,000円(税抜き)

内容
 植物の分類や、器官・形態について詳述した用語事典。およそ1200の用語(英訳付き)が収録されている。白黒であるが、700点以上のイラストと写真を交えた解説をしている。巻末に、形態を表す形容詞、クロンキストの大系による被子植物の分類表、参考文献の紹介がある。索引は和文と欧文の2種類。A5版。約320ページ。

コメント
 お勧めです。「ビジュアル 園芸植物用語事典」が初心者向けとすると、こちらは、より専門に近い図書と言えると思います。専門に近いと言っても、「初心者にも分かり易く構成した」そうなので、取っつきにくいと言うことは、全くありません。ただ、欲を言えば、付録I、IIので紹介されているような形態を表す形容詞についても索引があれば、更に良かったと思います。これくらい覚えれば良い、と言う反論がありそうですが。 


ビジュアル 園芸・植物用語事典
土橋 豊家の光協会1999年2月1日2,400円(税抜き)

内容
タキイ種苗の「園芸新知識・花の号」に1993年1月から1995年12月まで連載されていた「ビジュアル用語解説」を再編集した本。園芸や植物に関する専門用語を5つのパート(植物の形態編、植物の分類編、植物の名前編、環境と植物編、植物の栽培・作業編)に分け、写真とイラストを交えて解説している(数えたわけではないので正確ではありませんが、写真は8割くらいがカラー。)。巻末に50音順索引、参考文献付き。

コメント
現在のところ、一般向けの類似書の中では一押し。写真が豊富で、しかも説明がわかりやすいです。


新植物病理学
都丸敬一・他7名朝倉書店1992年5月20日3,900円(税抜き)

内容
総論と各論に分かれている。総論では、病原学(ウイルス、ウイロイド、細菌などの説明)、発生生態、植物の抵抗性などについて説明をしている。各論は、各種植物の病気の説明。巻末に用語一覧表付き。索引は、和文(アイウエオ順)、欧文、病名(アイウエオ順)、病原名の4種類。

コメント
植物の病気の基本について学べます。「植物病理学」という学問についての本であるため、具体的な病気の防除法についての説明はないので、実用性には欠けます。


植物学ラテン語辞典
編集・豊国秀夫至文堂初版:1987年5月10日
第3版:1997年4月10日
第3版:9,000円(税抜き)

内容
 A5版。植物学に関連するラテン語を7,800語収録。属名は、種子植物のみに限定し、日本産の約1100属を採録している。ラテン語−日本語、日本語−ラテン語のいずれでも引ける。巻末に形態に関する用語をまとめてあったり、命名に関係することについて記されている。

コメント
 学名の意味を調べる時に非常に役立ちます。たまに載っていない単語もありますが、たぶん、人名が元になっている単語(語尾が i とか ii の物)は省かれていると思われます。大学生の頃、試験で学名を書くという問題がありましたが、意味不明の単語を覚えるのは難しかったです。でも、意味が分かってしまえばそう難しいものでもなく(結構英語に近いですし)、今では、それなりに覚えることが出来ていると思います。もっと早くに、このような本に出会えていたらと思います。学名について色々学ぶことが出来ますが、とりあえず、意味を調べることだけに用いるのでも良いと思います。最近は、ネット上で学名の意味を紹介しているページがいくつかありますが、原著の一つとして手元に置いといて損はないと思います。


形態、生理、生態、バイテク等

PLANT BIOLOGY 植物科学キーノート
原著:A. J. Lack and D. E. Evans
監訳:岩渕雅樹
シュプリンガー・フェアラーク東京2002年11月12日3,800円(税抜き)

内容
 A4版、約390ページ。大学1〜2年生の学生を対象としたと銘打たれているが、専門家にとっても自分の領域外の事柄を洞察する上でも役立つようにと、植物に関するあらゆることをまとめた植物科学の入門書。本文の内容は、大きく四つ(「構造」、「生理学と制御の問題」、「生態学、遺伝学と広範囲の諸問題」、「植物の多様性」)、細かく17の分野に分けてある。巻末に、参考文献の紹介、和文索引(50音順)、英文索引がある。

コメント
 建材のことのように、普段考えていないようなことまで書いてあって、確かに、植物科学を広く学べると思います。しかし、あくまでも入門書であって、著者自身や翻訳された方も専門性がないことについて言及されていますが、物足りなさを感じたのも事実です。また、一部おかしいと思われる内容もあります(輪生葉序は、「1節に『5枚』以上の葉」ではなく、『2枚』以上だと思いますが。イギリスでは5枚と定義されているのでしょうか???)。また、訳についてもおかしいと思われる所がありました(十字葉序[日本では十字対生と呼んでいるのでは?]の説明で、「垂直」となっているところは「直角」でしょうし、花の構造の所の「雌雄同体」は「両性花」でしょう。「photoperiodism」の訳も、「周光性」ではなく、一般には「光周性」だと思いますが)。翻訳に各分野の専門家も参加していれば、そのようなことは回避できたと思います。今のところ、私が得意とする分野を読んだ程度ですし、訳者の方々は植物生理・分子生物・遺伝学を専門としているようなので、その分野はまともかもしれません。現時点では、全体の評価は致しかねます。


花の観察学入門 葉から花への進化を探る
岡崎恵視、橋本健一、瀬戸口浩彰倍風館1999年1月21日1,900円(税抜き)

内容
花の形態の入門書。第1章の「葉から花への進化」では、主に「花は葉から進化したのではないか」という仮説を写真や図を交えて解説している他、葉を花に変える環境要因と遺伝子について言及している。第2章の「花の形と適応」では、花粉を運ぶ役割を果たす昆虫と花の関係について述べられている。第3章の「葉・花・果実の観察」では、観察の実例を紹介している。巻末に参考文献・引用文献、50音順の索引付き。

コメント
理解しやすいとは言え、どちらかというと、この分野のことを学ぼうとしている人向けで、一般向けではありません。正直に言って、私も昔は形態学にはあまり関心がありませんでした。近年は花の形と遺伝子の関わりについても明らかになってきて、その方面の情報を仕入れようとしているうちに、形態学も面白いと思うようになりましたが。なにより、形態が理解できると植物の表情が見えてくるような気がします。

ついでに紹介しますが、「(花も含む)植物の地上部が茎と葉の変形だけで成り立っている」ことを説いた初期の論文の一つとして、かのドイツの文豪・ゲーテが著した「植物変態論」があります。邦訳は、潮出版社のゲーテ全集14巻・自然科学論に収録されていますが、今のところここで紹介する予定はありません。


エンジニアから見た植物のしくみ 環境と闘う驚異のメカニズム
軽部征夫・花方信孝講談社・ブルーバックス1997年9月20日720円(税抜き)

内容
「植物が生きるための機能と構造」、「戦う植物の機能と構造」、「水の中で生活するもうひとつの植物」の3部構成。植物が周囲の環境に合わせて形態的にどのように適応したのかについて説明している。巻末に植物名索引と50音順索引付き。

コメント
「エンジニアから見た」と銘打つまでもなく、植物の専門家が同じ結論を出しているような話題もありますが。中には、「なぜ茎は円柱形なのか」とか、「葉の形(地面に平行になるのに都合の良い構造)」といった話題もありますので、一読の価値はあると思います。


植物ホルモン[第2版]
倉石 晋東京大学出版会・UPバイオロジー1988年4月25日
(第2版第1刷)
1,600円(税抜き)

内容
植物ホルモンの定義や、定性・定量、各種植物ホルモン(オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、エチレン、アブシジン酸と成長阻害物質、ブラシノステロイド)の説明、研究の歴史、バイオテクノロジーへの応用について。

コメント
植物ホルモンの基本的なことが分かります。私の場合、書き込みをして丁度良いくらいの情報量ですが、専門家には足りないかもしれません。

植物ホルモンについてもっと新しくて詳細な本がありますが、専門的すぎるのも何ですから割愛させていただきます。


植物的生命像 人類は植物に勝てるか?
古谷雅樹講談社・ブルーバックス1990年6月20日660円(税抜き)

内容
植物の生態、特に、植物の環境に対する応答について。「生命とはなにか」、「植物的な生き方を探る」、「環境情報の役割」、「植物は動けないのか」、「生き延びる『植物の英知』」、「植物と人間の接点を考える」の6章で構成されている。

コメント
高校時代に読んで影響を受けた本のうちの一冊。内容がいささか古くなってしまいましたが、私にとっては、現在でも座右の書です。そのような学問的なことよりも、植物の生き方から現在の人間の活動を見直そうということがこの本の趣旨だと思いますし、共感を覚えます。


身近な植物から花の進化を考える
小林正明東海大学出版会2001年7月31日2,500円(税抜き)

内容
 主に花の形態観察から、花がどのような進化の道を辿って、現在のような形になったのかを解説している。「花のつくりを調べる」、「花のきた道」、「花の集合」、「花の形はなぜ変わる」、「花の進化の観点」の5つの章から成る。写真とイラストは、全てカラー。B5版。約150ページ。

コメント
 一般向けの解説で、所々に花を構成する各器官の説明もあるので、分かり易いと思います。著者自ら撮影したらしい写真も綺麗です。これも、一読することをお薦めしたい本です。


植物バイオの魔法 青いバラも夢でなくなった!
鈴木正彦講談社・ブルーバックス1990年8月20日699円(税抜き)

内容
植物バイオテクノロジー(遺伝子導入や細胞融合など)の基礎と歴史、将来性について。

コメント
高校時代に読んで影響を受けた本のうちの一冊。内容が古くなって最近の技術には対応していませんが、基礎中の基礎について触れているので、「こうやってバイテクで新しい花や野菜が作られてるんだ」と知るには良い一冊だと思います。この本に載っていたテクニックを大学の講義で聴講したときは、ちょっと嬉しかったです。それにしても、青いバラが創られる日は来るのでしょうか?


ヒマワリはなぜ東を向くか 植物の不思議な生活
瀧本 敦中央公論新社・中公新書1986年3月25日660円(税抜き)

内容
植物学の入門書。「植物の生活」、「不思議なしくみ」、「花の秘密」、「生きるために」、「なぜだろう」の五つの章から成る。巻末に参考文献付き。

コメント
取り上げられている話題は少ないながら、その分解説が詳しいです。1985年に筑波で開催された科学万博で展示されたトマトのことも取り上げられていて懐かしかったです。


花を咲かせるものは何か 花成ホルモンを求めて
瀧本 敦中央公論新社・中公新書1998年1月25日680円(税抜き)

内容
花芽を作らせる花成ホルモンが存在すると主張する著者が、自身の経験を踏まえてその根拠や意見を述べている。ホルモンだけでなく、光周性についての説明もある。

コメント
恐らく、興味のあるなしで評価が分かれると思います。私は、大変興味深く読むことができました。著者の体験談が書かれていることも、私にとってこの本の面白いところでした。


アジサイはなぜ七色に変わるのか? 花の色の不思議を科学する
武田幸作PHP研究所1996年2月22日1,262円(税抜き)

内容
花の色を決める色素についての話。この他、香りのことと,簡潔ではあるが開花の日長反応についても触れている。

コメント
一般向けで、この手の本としては珍しく(?)、構造式が書いてありません(ただし、必要最小限の分子式は書いてあります。)。色素の名前が色々と出てきて混乱するかもしれませんが、説明は具体的で理解しやすいです。


したたかな植物たち
多田多恵子株式会社SCC2002年4月1日2,200円(税抜き)

内容
 タイトル通り、繁殖や生存競争に勝つために「したたかに生きる」植物(野草、雑草)の様子を、カラーのイラストと写真(一部は著者自ら撮った物らしい)を豊富に交えて、分かり易く解説している。26の話が載っていて、「カタバミのハイテク生活」、「クローバーの主導権」、「ヘクソカズラの香り」、「フキノトウの男女交際」など興味が引かれるタイトルが付けられている。26の話はそれぞれ独立しているので、好きなところから読んで差し支えない。巻末に用語解説と植物名の50音順索引(学名付き)がある。B5版よりやや小さい。238ページ。

コメント
 内容的には、デービッド=アッテンボロー氏の「植物の私生活」に近いでしょうか。身近な植物が取り上げられていて、親しみやすい文体で書かれている点でポイントが高いです。やや専門的な解説もありますが、用語解説が補っています。高校生以上なら、たぶん問題ないと思います。また、小中学生くらいでも、挿し絵がマンガっぽいので、それなりに楽しめると思います(親御さんのフォローが必要かもしれませんが)。植物の知られざる一面を見せてくれる面白い本です。


植物の<見かけ>はどう決まる −遺伝子解析の最前線−
塚谷裕一中央公論新社・中公新書1995年2月25日699円(税抜き)

内容
植物の<見かけ(形態)>に関わる遺伝子の働きについて、バイオテクノロジーの手法の説明を交えながら取り上げている。このほかに、著者自身の研究の体験談も紹介されている。

コメント
近年、植物の遺伝子の研究分野でモデル植物として取り上げられているアラビドプシス(シロイヌナズナ)の入門書としてお勧めです。比較的新しい遺伝子解析法の説明もあり、植物バイオに興味をお持ちの人向けです。


植物の私生活
デービッド=アッテンボロー
監訳/角田裕一
訳/手塚 勲、小堀民恵
山と渓谷社1998年4月1日3,200円(税抜き)

内容
原題は“The Private Life Of Plants”でイギリスのBBC放送の元キャスターの著書。豊富なカラー写真を交えて一風変わった植物の生態を紹介している。内容は、「旅をする植物たち」、「植物の養分調達システム」、「花たちの花粉輸送大作戦」、「植物たちの生き残り戦術」、「植物たちの多彩な交友録」、「極限の世界を生き抜く植物たち」の6つの章で構成されている。この日本語版では訳注で簡単な植物や用語の解説をしている。巻末にアイウエオ順の索引付き。

コメント
何より写真が鮮明。植物のしたたかさ、逞しさなどがリアルに感じられます。植物ドキュメンタリーの好著。


図解雑学 植物の科学
八田洋章編著ナツメ社2003年3月24日1,200円(税抜き)

内容
 「絵と文章でわかりやすい!」をコンセプトにしているナツメ社の図解雑学シリーズの一冊で、植物の生態について、23名の専門家が解説している。「植物の世界へ−」(分類について)、「植物のかたちとはたらき」、「植物の一生」、「植生分布と環境への適応」、「生きるためのさまざまな方策」、「植物と人間のかかわり」の6章から成る。全部で100の事項について最近の研究も交えた解説をしているが、全て見開き2ページで、左ページが文章、右ページが図という構成。他に、巻頭に8ページのカラー写真と、各章の終わりに、話題提供的なCOLUMNのページがある。索引は、項目索引と植物名索引の2種類がある。B6版。230ページ。

コメント
 小学校の高学年〜中学生以上をターゲットにしているのか、本当に分かり易いです。漢字にはルビが付いているほどです。植物の生態を知るための入門書として、良いかもしれません。


植物記・埴 沙萌・福音館書店→写真


花のはなしI/生理・バイテク等/2000年10月15日
樋口春三(編著)技報堂出版1990年5月15日1,500円(税抜き)

内容
歴史、文化、民族を通じて花と人との関わり合いを描くことを目的として、「アヤメとカキツバタの違い」、「金の成る木」、「花色」、「バイオテクノロジー」などの植物に関する身近な話題を、時には執筆当時の最新の研究成果を交えながら26の章に分けて解説している。B6版。

コメント
植物生理の話が主ですが、説明が平易で理解しやすく、ためになります。


植物[ふしぎな世界]
美濃部侑三(編)共立出版・ネオ生物学シリーズ1996年12月25日2,000円(税抜き)

内容
植物の分子遺伝学について最新(1996年まで)の研究成果が紹介されている。内容は、「序章(第1章)」、「花の器官形成」、「自家不和合性」、「根」、「環境ストレス」、「光合成」、「病気に対する抵抗性」、「共生窒素固定」の8つ章から構成されており、第1章を除いて各章十数ページ(本文は全部で106ページです。)。あいうえお順の索引付き。

コメント
農学部・植物系の学生向けという感じの本です。もちろん、一般の方が読んでも全く差し支えありません。図説もあり、理解しやすいです。


ほんとの植物観察/続 ほんとの植物観察
室井 綽・清水美重子 他5名
続 室井 綽・清水美重子
地人書館1983年9月20日
続・1995年8月10日
1,650円(税抜き)
続・1,600円(税抜き)

内容
植物の形態の図説。最初に3、4つの図を見せ、正解はどれかを説明していくクイズ形式。器官別(花、実、茎、葉、根:「続」には根の項目がない)に設問しており、「ほんとの〜」は合計89問、「続」は68問。見開き2ペ−ジで解説しているため、好きな問題から解いていける。問題・解説・観察のポイントの他、問題となった植物にまつわるエピソードも取り上げている。敢えて間違った形態を図示しているため、イラストは全て手書きでモノクロ。巻末に50音順索引付き。

コメント
難問だらけです。見慣れない植物はともかく、見慣れた植物であっても、漠然と見ていただけで観察までしていないことを思い知らされました。植物の形態を勉強している人や、ボタニカルアートを描いている人は必修です。「話題」は意外な話もあってためになりました。


植物と会話ができる本 オジギソウはなぜおじぎする?
矢崎一史kkベストセラーズ・ワニ文庫1993年3月5日466円(税抜き)

内容
身近な植物にまつわる話題や、珍草奇木の類の生態、この本が書かれた時点での最新の植物研究(植物工場、バイオテクノロジー)の紹介をしている。「植物の関する素朴なギモン」、「世界の珍草奇木」、「切っても切れない虫との関係」、「毒や薬になる植物」、「植物が未来を拓く」の五つの章で構成されている。植物に興味を持ってもらうことを意図した本であり、何らかの手段を用いて本当に植物とおしゃべりをしようとする本ではない。

コメント
豊富な話題をわかりやすく紹介しています。文庫本なので、場所を選ばず楽しめる点も長所。内容の一部(2章、3章)は、デービッド=アッテンボロー氏の「植物の私生活」の写真が省略された感じです。

この本とは関係がありませんが、「遺伝」(発行:裳華房)という雑誌の1997年12月号(51巻12号)のトピックスに「オジギソウの“お辞儀物質”を発見」という記事がありました。


プランタ・研成社→月刊誌、季刊誌、カタログ等



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