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Senior Mania -stepmother-

其の漆

「さぁ、坊や?これでサービスの提供はお終いです。うちの按摩、如何でしたか?」
如何?何が?如何も何もないだろう。
そんな思いが溢れ、つい女将をキッと睨みつけてしまったわたるだった。
その瞳には、瞬きを一度するだけで溢れてしまいそうなほどの涙が浮かんでいる。
そんなわたるに首をすくめ、苦笑いを浮かべた女将だ。
「あらあら、怖いこと。そんなに睨まないでくださいな。坊やはきっと楽しんでくださると…」
「た、楽しいわけない!」
女将の言葉を遮るようにわたるが叫んだ。
その瞬間に、ツーっと涙が頬を伝う。
「しっ!駄目でしょう、坊や。そんなに大きな声をだしたら。坊やのママはまだ隣で休んでいるんですよ」
「あ……ぅ…うん…」
瞬間的に頭に血が上ってしまったわたるだったが、女将に窘められて我に返った。
ぐいと腕で涙を拭いガラスの向こうに目をやれば、寝ころんだままのみきがバスタオルで股間を拭っている。
「楽しく…なかったんですか?坊や、見たかったんでしょう?ママの…女の裸を。そのお股のぶらぶらだって、ピンピンになって喜んでいるじゃないですか」
「…こ、これは……ぁ、ぅぅ……」
いまだ無様に膨らんだままの包茎を、慌てて両手で隠すわたる。
今更ではあるが、女将のような妖艶な美熟女の前で全裸となっている自分に急に羞恥が込み上げてくる。
「くす…今更、隠したところで意味ないでしょう?坊やの小っちゃな包茎君は、しっかりと見せてもらいましたからね…うふふ……」
「ぁ……ぅぅ…」
両手で股間を押さえながら恥ずかしがる素振りが、女将の目に微笑ましく映った。
もう少しこの可愛らしい童貞坊やを揶揄っていたい。
いや出来ることならいっそこの手で……そんな思いを抑えて素っ気ない態度でわたるに接する女将だった。
「ほら、坊や。いつまでも丸出しにしていないで早くしまいなさい、その小さいの。坊やのママ、もうすぐお部屋に戻りますよ」
「え?……ぁ、は、はぃ…」
自分で脱いだ訳じゃないのにと思わないでもないが、わたるはいそいそとパンツを履き身繕いを整えた。
「そ、それじゃあ……ぼ、僕は、戻ります」
「ちょっと待ちなさい、坊や」
女将がわたるを呼び止めた。
なんだろうと振り返って女将の顔を見れば、なにやら真剣な表情をしている。
「あのね、坊や……わかった?」
「え?…な、何が?」
「坊やのママはね、坊やが考えているような完璧人間じゃないの。ママだって…普通の女なのよ。いたって普通の…ただの大人の女なの」
確かさっきも女将は同じようなことを言った。
まるで普段わたるがみきのことをどう思っているのかさえ知っているかのように。
だからわたるは女将に質問をしたのだが…
「……………あ、あの…」
「ん?何、坊や?」
「な、なんで女将さんは僕に…そ、そんなことを?…」
「さぁね…………ただのお節介ですよ」
わたるから視線を外し空を見つめながらそう呟いた女将だ。
「お、お節…介?」
「ん……坊や?坊やのお部屋には家族風呂がありますよね?何故、ママとお風呂に入らなかったんですか?」
「え?そ、それは…」
いきなり何をとは思ったが、確かにわたるとみきの部屋には家族風呂が備わっていた。
勿論、大浴場には及ばないが、二人で入るには十分過ぎるほどの大きさで、檜の香りがとても良い上品なお風呂だった。
実は、みきは大浴場に行く前にわたるを家族風呂に誘ったのだが、それをわたるが断ったため一人大浴場に入ることにしたのだ。
なんでそんなことまで女将さんは知っているのだろう…よく考えれば不思議なことだが、今はそんなことに頭らが回らないわたるだった。
「だ、だって…マ、ママとお風呂なんて……恥ずかしいし…」
「ママはね、坊やと仲良くなりたいからわざわざあの部屋を予約されたんですよ」
「え?」
「この旅館は沢山のお客様がいらっしゃいます。ご夫婦だったり、恋人だったり…勿論親子で尋ねてくださるお客様もいらっしゃいます。おばさんはね、その方たちみんなに仲良く過ごして欲しいと思ってるんですよ」
遠い目でそんなことを呟く女将だが、わたるにはみきが自分と仲良くなりたいと思っているなど信じられないことだった。
「…………ママが…ぼ、僕と?……あ、あのママが?…」
そんなわたるを見兼ねてか女将がやれやれといった表情で軽く溜息を付いた、そして…
「お節介ついでに…おばさんが坊やにママと仲良くなる良い方法を教えてあげましょうか?」
「え?…そ、それは、ど、どんな?…」
「いいですか坊や…お部屋に戻ったらね……」
女将はわたるに近づき屈み込むようにしてそっとわたるの耳に口を近づけると何やら一言二言囁いた。
「!!!……そっ!そ、そそ、そんなことでっ、出来ないよ!」
それを聞くや否や、慌てた素振りで思わず大きな声を出してしまったわたるだった。
「しっ!声が大きいですよ坊や。それに…何故、できないんですか?」
「だ、だだ、だって…そ、そんなこと…」
「出来ないのなら坊やとママの関係はいつまで経っても今のままですよ?表面上は仲が良いけれど、実は坊やがいつもママの顔色を伺ってばかりの窮屈な関係…そんなの寂しくないですか?」
「そ、それは…そ、そうだけ…ど…で、でも嫌われたら…」
「大丈夫…あのママが坊やを嫌うわけないですし、むしろ…喜んでくれると思いますよ。さっきのママの言葉、覚えているでしょう?」
「そ、それは…お、覚えているけど…だ、だけど…」
女将の提案にいつまでも経っても煮え切らない様子のわたる。
それに業を煮やした女将が荒療治に踏み切った。
「もう、うじうじとして……本当に男の子なの坊やは?」
「う!うひぃっ!」
女将は、わたるの股間に手を伸ばすと浴衣の上からいまだ勃起し続けるペニスの先っぽをキュッと摘まみ上げたのだ。
「ほら、これ!これはただの飾りなの?!それともお手々で弄って遊ぶだけのオモチャなのかしら?」
「そ、それは…………あひぃ!…や、止めてぇ!…」
女将の指先にグリグリと甚振られるわたるの包茎。
快感よりも痛みが勝るその刺激に、腰をよじり逃れようとするわたるだ。
「あんまり男の子らしくないと、これ…引っこ抜いちゃいますよ?ほら、どうなの坊や?この小っちゃい包茎チンポ、引っこ抜いて上げましょうか?」
「や、やだよぉ……や、やりますから…お、女将さんの言う通りに…し、しますからぁ!…」
結局包茎の痛みに耐えかね、ついつい女将の言いつけに従うことになってしまうわたるだった。
「そう。頑張ってね、坊や。うまくいくかどうかは保証できないけれど……坊やも少しは男を見せなきゃ。ね?」
優しい瞳でわたるを見つめ、励ますようにわたるを送り出す女将だった。

マッサージが終わって10分ほど経っただろうか、みきはいまだあられもない格好のまま横たわっていた。
下半身の気だるさを心地よく感じながら、ふぅと一つ溜息を付く。
するとその時、誰かが『施部屋』に入ってくる気配を感じた。
慌てて浴衣を身体に纏わせようとしたのだが……
「失礼いたします。うちの按摩は如何でしたでしょうか?」
襖の向こうから聞こえてきたのは、この宿の女将の声だ。
安心した素振りで下半身だけ浴衣で覆い隠すと、乳房は丸出しのままみきは答えた。
「えぇ、とても気持ちよかったわ。いいわよ、入って」
「はい、それでは失礼いたしますね」
ゆっくりと襖を開けて女将が部屋に入ってくる。
不思議なことにみきは、ほぼ全裸の姿だというのに特に恥ずかしがる素振りなど見せなかった。
また女将にしても、裸のみきを前にしても特に動揺することなく普段通りの態度だ。
「ご満足いただけたようで何よりです。はい、替えのタオルを……」
「ありがとう」
手渡されたタオルで改めて股間を拭い、身支度を整え始めるみき。
そんなみきに女将は深々と溜息を吐いた。
「坊やは……泣きながらお部屋に戻りましたよ」
「……………………………………そう……」
我関せずとそっぽを向いて身支度を続けるみきに、女将はさらに深い溜息を吐く。
「まったく……何もこんな荒療治しなくても…」
「……………………………………それで…」
「はい?なんでしょう?」
粗方身支度を終え、女将と向かい合うようにして座るみき。
しかしそれ以上の言葉が出ず黙ったままだ。
何か言いたげなのは伝わってくるが、中々言い出せずにいるみきに三度溜息を吐いた女将だった。
「はぁ、まったく……坊やがどんな様子だったかお話ししましょうか?」
「…!…………え、えぇ……そ、そうね……わ、わたるは……ど、どうだったかしら?…」
「どうもこうもありませんよ。あの年頃の男の子が大好きなお義母さんのあんな姿を見せられて、平気でいられるわけがないでしょう」
「だ、大好きだなんて……あ、あの子は、私のことは嫌いみたいだから……」
いままでが嘘のように、どこか幼さが見えるみきの態度。
もじもじとしつつ恐る恐ると言った雰囲気で上目使いで女将の顔を覗き込む。
「嫌いなわけないでしょう?嫌いだったら毎晩、毎晩、貴女の洗濯物のパンティを持ち出してオナニーなんかしませんよ」
「そ、それは……あの年頃の子なら……好きとか嫌いとかじゃなくて…ただ女の下着が……」
きっとみきに何を言っても、納得することはないのだろう。
いやだからこそ、こんな事態になっているのだから。
「やれやれ……坊やは、始まったころから勃起させてましたよ。はぁはぁとワンちゃんみたいに息を荒くして」
「……そ、そうなの……そ、それで?…」
「私の前でチンポを弄ろうとするから、ちょっと折檻しておきました」
「え?せ、折檻」
「ただ裸にひん剥いただけですよ。えぇ、勿論パンツも。スッポンポンにしてあげました」
「!…そ、そんな…可哀そうに……あ、あそこも丸出しに?……」
「えぇ、勿論。それはそれは可愛らしいチンポでしたよ。10センチもないくらい小さくて、当然のように剥けてなくて……いかにも童貞坊やらしい初々しい包茎チンポでしたよ」
「そ、そう……なの……そ、そうよね……まだ…わ、わたるの…なんて…」
「だけど折檻はそれだけじゃありませんよ。その包茎チンポを何度も何度も自分でオイタしようとするから、金玉を鷲掴んでグリグリと虐めてあげました」
「そ、そんな…ひ、酷い…」
その姿を想像しているのだろうか、みきは眉間に皺を寄せた。
「酷いも何も…そもそもこんなことを考えたのは貴女でしょう?…………はぁ……どうしてこんなことを?」
「わ、私はただ…」
俯き、口籠るみき。
しばしの間、静寂が続いたが、女将はじっとみきの口が開かれるのを待った。
「あの子は……わ、わたるは…私のことを聖人君子か何かと思っているみたいで……た、確かにあの子の前では立派な母親でいようとしてたから……で、でも…そういうところがきっと嫌だったんでしょうね…私のことを避けて…」
「はぁ…だから、普通の女だってことを知ってもらうためにこんなことを?飛躍しすぎなんですよ」
「ち、違うのよ、そ、それだけじゃなくて……あ、あの子が……き、気にしてるみたいだったから…」
「何をです?」
「私、聞いちゃったのよ。あの子が…いつも通り私のパンティを悪戯した後……ごめんなさい、ママって言ったのを…だ、だからオナニーなんて悪いことでも何でもないって…それに私だって…」
「はぁ〜……それで、オナニーするのは普通のことだし、貴女だって性欲はある普通の女だってことを教えるには一石二鳥……とでも考えたんですか?」
「そ、そうよ…」
「はぁ〜〜〜」
みきの突拍子もない考えに、二度三度頭を振り、がっくりと肩を堕とした女将だ。
「きっと……そんな貴女の考えを理解できる人は、この世にほとんどいないと思いますよ」
「そ、そんなこと…」
「私以外は、ね」
「え?」
ふと女将の顔を見れば、女将はやれやれといった呆れた表情をしつつも、どこか優しい慈愛に満ちた瞳でみきを見つめていた。
「だから……少しばかり助け舟を出しておきましたよ」
「え?た、助け…舟?…」
「えぇ…いいですか?」
女将はみきににじり寄ると、わたるにそうしたようにそっと何やら耳打ちした。
「えぇっ!」
その言葉を聞いた瞬間、目を丸くして、少々大きな声をだしてしまったみきだった。
「さ、それでは私は先に失礼します……早く、お部屋に戻ってあげてくださいね」
「…え、えぇ……」
「それじゃあこれで…………私の坊やをよろしく頼んだわよ……みき…」
「………えぇ、分かってるわ…………姉さん」