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Senior Mania -foster mother-

其の伍

「さぁ志乃、報告してもらおうか」
「…………」
風呂場を離れた志乃は、例の老人の書斎にいた。
胡坐をかきどっしりと座っている老人は、なにやら勝ち誇ったかのような笑みを浮かべている。
それが少々癪に思えて、プイっとそっぽを向いた志乃だった。
「ほら、志乃。早くせんか」
「ふぅ……はいはい。まずは……あなたがお風呂を出てからのことを話せばよいのですね」
「うむ。そうだな」
仕方がない、はぁと一つ溜息を零してから志乃は風呂場の出来事をポツリポツリと話し始めた。
「ほぉ……やはりな。言った通りだったろう。そうかそうか風呂から上がった時には、わたるはもう勃起しておったか……ふふ……やはりな」
「あ、当り前ですよ。あなたが私に身体を洗ってもらっているところを見せつけられたんですから……そ、それも、ア、アソコを洗っているところなんて」
「志乃、私と二人きりの時には体裁など考えるな。はっきりとチンポと言え、チンポと」
「もう、あなたったら……嫌らしい」
「しかし……これは私の作戦通りに事が進んだな……ふふふ…」
志乃が老人の股間を洗うところをわたるに見せつけるというのは、実はこの老人の発案だった。
性に興味があればきっとその志乃の姿に身体が反応してしまうだろうという老人の考えが見事に的中したのだ。
「して……わたるのはどんな一物だったのだ?」
「そ、それは……その……予想通りまだ皮の剥けていない可愛らしい包茎のオチンチンでしたよ。毛も満足に生え揃っていませんでしたもの」
「大きさは?」
「あなたの普通の時のアソ……コホン……チ、チンポよりも二回りは小さいくらいの……そうですね……長さは……こ、これくらい?……10センチくらいじゃなかったかしら」
志乃は、親指と人差し指を使って先ほど見たわたるのペニスの長さを示して見せた。
「小さいな……まぁ、あいつはまだ身体も小さいからな、そんなものなのかな。で、太さは」
「そうですねぇ……あ、そうそう、あれくらいの…」
志乃が書斎にあったペーパーウェイトを持ち出した。
それは金のメッキが施された細長い円柱形のペーパーウェイトで長さといい太さといい、丁度わたるのペニスと同等と志乃には思えたのだ。
風呂場でわたるにそうしたように左手の親指と人差し指をそのペーパーウェイトに絡ませてみる。
「うん、やっぱり。丁度これくらいの太さでした」
「ほぉ……確かにまだまだ未熟そうだな。で、それをゴシゴシと洗ってやったのか」
「い、いえいえ、とてもそんなことできるような状態じゃありませんでしたもの。触れもしないうちからピクピク、ピクピク震えていて……ちょっと摘まんだだけでもピュピュっとしちゃいそうでしたから…」
「ふむ、ならどうしたのだ」
「ですから……昔あなたに教えてもらったように……そ、その……男の子の急所を…」
「志乃…」
「もう!あなたったら。はいはい分かりました。はっきり言えばいいのですよね。あながた教えてくれたようにキ、キンタマをギュッと握ってオチンチンの震えがなくなってから、こうシュッと…」
言いながらわたるにしてあげたように、ペーパーウェイトに絡ませた指をシュルッと滑らせた志乃だ。
「なるほど……しかしそれはわたるも辛かっただろうな」
「はい、とても苦しそうで……でも、少し可哀そうでしたけど今日初めて出会った女の前でみっともなく『失敗』してしまうことの方が、きっとわたるちゃんも嫌だろうと思って…」
「まぁ、そうかもしれないな。変にトラウマとなってもらっても困るしな」
「そうです、そうです。私もそう思ったんです」
実はあの時、志乃は少々罪悪感を感じていたのだ。
わたるに失敗させないという目的があったにせよ、志乃に急所を握られたわたるの悲痛な呻き声があまりにも痛々しかったからだ。
「だけど実は私、最初、間違ってしまって…」
「ん?何をだ?」
「男の子の我慢のさせ方を……私、てっきりお尻を弄ってあげれば良いと勘違いしていて、わたるちゃんのお尻の穴を指で…」
「わはははは……それは逆効果だったのではないか?」
「そ、そうなんです。お尻の穴を弄ってあげたら、わたるちゃんのオチンチンの震えがどんどん激しくなって……で、あぁそうだキンタマだったと……本当にわたるちゃんには可哀そうなことをしてしまいました」
申し訳なさそうに志乃は首を垂れた。
「それで、その後どうしたのだ」
「2回目もなんとかわたるちゃんは堪えてくれたんですけど3回目はもうただキンタマを引っ張ってもダメそうだったので、オチンチンの根元をこう……キュッて」
再び志乃はペーパーウェイトを使って実演して見せた。
「な、なるほど……しかし、志乃……お前も可哀そうなことをするなぁ」
「そ、そうでしょうか……あぁ、やっぱり素直に射精させて気づかない振りでもしてあげた方が良かったかしら」
「まぁ、いいのではないか?それに……わたるが性に目覚めていることが分かった今、お前には計画があるのだろう?」
老人が志乃の顔を覗き込んだ。
まるで志乃の決意の程でも確かめるかのように。
仕方ない、老人の言う通りきっとわたるは既に性に目覚めているのだろう。
いや、実はそんなことは昼間この部屋でわたるにパンティを覗かせてやった時から分かっていたことではないか。
志乃は覚悟を決めた。
「あなた……あなたの予想通り、多分わたるちゃんは女性の身体に興味深々でもう精通も済ませている……と、私も思いました。お約束通りわたるちゃんの性教育、責任を持って努めさせていただきます」
「おぉ、そうか。志乃、よくぞ決心してくれた」
「最初は……いくらあんな可愛らしい坊やとはいえ、正直不安があったのです。私に出来るかしら、と。でも今日実際に童貞坊やのオ……オチンチンに触れてみて『あぁ、こんなものか』と……」
「自信がついた、ということかな?だがお前はこの私の相手を務めてきた女だ。そこらの男なら簡単に手玉にとれるくらいの技術も器量も既に十分備わっているのだよ。まぁ何にせよ、宜しく頼むぞ、志乃」
「はい。ですがあなた。あなたも仰るように私には計画……と言うほど大層なモノではありませんが考えがございます。性教育はしても、それはいきなりわたるちゃんの筆おろしを、という意味では……」
「あぁ、分かっているよ。前にも言ったが、私が期待するのは、わたるの息抜きと女への免疫だ。それを与えてくれるのならば、極端な話この先ずっと童貞であったとしても構いはしないさ」
「それを聞いて安心しました」
「しかしなぁ……前に聞いたお前の考え……やはりちょっとわたるが可哀そうではあるな」
「そうでしょうか?確かに少しばかりわたるちゃんに恥ずかしい思いをさせてしまうかもしれませんが……それを決めるのも他の誰でもないわたるちゃんですし…」
「しかし決めるといってもな……実際には選択肢は無いに等しいのではないか?この私でもわたるくらいの歳ならば…」
「あなた」
わたるをを庇う老人を、ジト目で見る志乃。
少々口をはさみ過ぎたか。
これ以上、志乃の機嫌を損ねでもしたらやっかいと考えた老人はそれ以上何も言わず、志乃の好きにさせることにした。
「わかったわかった。お前の好きにすればよい」
「はい、そういたします。でも、あなた?……後々のことを考えるとやっぱり…」
「わたるに言うことを聞かせるには、か」
「はい。今日会ってやはりこの方法が良いと感じました。ちょっと子供扱いされたくらいでむくれてしまう子です。『女に興味があるのでしょう?』と聞いても素直に『うん』とは答えないでしょう」
「それはそうだろうな」
「内容が性に関することとはいえ教育は教育。私の言うことを素直に聞いてもらうためにはこの方法が良ろしいかと。それに……」
「なんだ?」
「確かに九分九厘、わたるちゃんは性に目覚め精通も済ませている、と思いはしましたが……万が一ということもございます。私はその現場を見たわけではありませんので」
「ふふ……なるほど、お前の計画の初手はそれも確認することが出来る、というわけだな」
「はい」
ニヤリと笑う老人。
その笑みを涼しい顔で受け止める志乃。
老人から年端もいかぬ少年の筆おろしを頼まれ時は、驚き、躊躇もしたが、こうなってしまっては後は老人の期待に応えるよう努力するだけだ。
「それでは、あなた。私はこの辺で…」
「おお早速行動するのか?」
「いやだわあなたったら、そんな子供のようなワクワクした顔をして……いいえ、今のところはまだ、ただ『種』を蒔きに行くだけですよ」
「ふふふ……『引手』という『種』か……『種蒔き』が終わったら必ず事細かに報告するんだぞ、いいな志乃」
「はいはい、分かっていますよ、あなた」
そう言って志乃は書斎を後にした。

「はぁ…疲れた…」
わたるは自分の部屋に敷かれた布団に寝転がり、ぼんやりと天井を眺めていた。
時間は夜の9時。
普段なら寝るにはまだまだ早い時間だが、環境が変わった上に今日は色々な出来事があったせいでわたるは少々疲れていた。
そんな疲労したわたるが風呂から部屋に戻ると、恐らく志乃が敷いてくれたのだろう実に柔らかそうな布団が敷かれている。
これ幸いにとそのまま布団に潜り込んでしまったわたるだ。
わたるは、明かりを消した暗い部屋の天井をぼんやりと見つめながら今日の出来事を思い返していた。
(おじぃ様……社長。見た目は厳しそうだけど根は凄く優しそうで意外と子供みたいなところも……ふふ……お風呂での話、面白かったな。こんな素敵な家に招いてくれたんだもの。頑張って期待に応えなくちゃ)
そして何より今日一番のショッキングな出来事と言えば志乃との出会いからお風呂場にかけての一連の出来事だろう。
(志乃奥様……あんな美しい女の人、僕初めて見た。それにただ綺麗なだけじゃなくて……)
わたるは志乃との最初の出会いを思い返す。
淡いピンクのカットソーを大きく押し上げ、くっきりとした谷間を形成する豊満な胸。
生成り色のミニスカートがピタリと張り付いた少し大きめなお尻とそこから延びるふくよかな白い太腿。
(そう……綺麗なだけじゃなくて、凄くスタイルがいいんだよな。滅茶苦茶グラマーで……それに……)
広く開いた胸元から見えた漆黒のブラジャー。
超ミニスカートの裾から垣間見えたブラジャーとお揃いの漆黒のパンティ。
(それにとってもセクシーで……あぁ、ぼ、僕、見ちゃったんだよね。奥様のブラジャーとパンティを……なんてエッチな光景だったんだろう…………あ、いけない。また……)
志乃の痴態を思い出し、また股間の辺りがムズムズとし始めてしまったわたるだ。
(あぁ、志乃奥様……素敵だよなぁ、美人だしとってもエッチなナイスバディだし……だ、だけど……そ、そんな志乃奥様に、ぼ、僕…)
あのショッキングな風呂場での出来事がわたる脳裏に浮かんだ。
志乃の目前にみっともなく勃起してしまったペニスを晒したこと。
そのペニスを志乃の手で洗ってもらったこと。
どれもこれもが、まさに顔から火が吹き出そうな思いのする出来事ばかりだ。
(男の友達にだってオチンチンを見られたことなんてないのに……それも大きくなったところなんて。なのにあんな綺麗な志乃奥様に……あぁ……恥ずかしい……あ!だ、駄目だ。やっぱり僕……た、勃っちゃう!)
志乃に触れられた時のことを思い出した途端、パジャマのズボンの前の部分に可愛らしいテントを張ってしまったわたるだ。
そしてペニスのムズムズとしたズキズキとした感覚が、またわたるを悩ませる。
(ああ、またこんなになって……そういえばいつもならこのくらいの時間には……や、やっぱり、お風呂でしちゃえば良かったな……オナニー)
わたるは僅か数カ月ほど前に精通を経験し自然とオナニーを覚えた。
射精することの快感を知った幼い少年はすぐさまその虜となってしまい、それからというものほぼ毎日オナニーに興じていた。
実はわたるは、風呂場で志乃が去ったのちズキズキと疼く股間が重苦しくて一旦は自分で慰めようとしたのだ。
しかし、結局わたるはその場では何もしなかった。
いやしたくとも出来なかったのだ。
何故なら、あの時志乃に『洗われた』陰茎や睾丸に僅かならぬ痛みをズキズキと感じていたからだ。
(志乃奥様ってば、あんなに乱暴に洗うんだもの……苦しかったなぁ。キンタマ潰れちゃうかと思った。社長の時はもっと軽く洗ってたように見えたけどな…)
志乃が老人のペニスを洗っていた様子を思い浮かべるわたる。
と、同時に自然とあの老人の巨大なナマコもつい思い出してしまう。
(凄かったなぁ社長の……勃起もしてないのにあんなに……で、でもそうか。志乃奥様はやっぱり僕の時と同じように洗ってたんだろうな。あれくらい大きい大人のオチンチンならきっと全然痛くないんだ……はぁ…)
気落ちしたような溜息がわたるの口から零れた。
(はぁ……やっぱりまだまだお子様なのかなぁ?奥様には坊やとか言われちゃったし、これがピンピンになっていても全然気にしてなかったし……それってやっぱりこれが子供のオチンチンだからなのかな?……はぅ!)
そんなことを考えながら、わたるは何の気なしに股間のテントをそっと手で撫でた。
すると、すっかり痛みが消えた股間にいつもの甘美な快感が蘇る。
つい2度3度と股間を撫でてしまったわたるだった。
(あ、あふぅ……き、気持ち、いい……さ、さっきお風呂で、射精寸前だったもんな……はふぅ……志乃奥様に恥ずかしい姿を見られなくて済んだけど……でも……や、やっぱり一度くらい……し、しちゃおうかな?…)
そしてパジャマの中に右手を差し込んでいくわたる。
手に触れたペニスはやはりピンピンに勃起し、それどころか皮にスッポリと包まれた先っぽから前触れの液体がタラタラと零れ始めていた。
(うわっ……こ、こんなにヌルヌルになってる……む、無理もないよね。あんな綺麗な志乃奥様のエッチなブラチラやパンチラを見せられて、その上お風呂でその奥様にオチンチン触られて…)
濡れた勃起を右手でギュッと握ってみる。
(はぅぅ!)
たったそれだけで達してしまいそうになる。
それほど志乃の痴態と志乃に実際に見られ触れられたという事実は、わたるを激しく高揚させる興奮剤だったのだ。
(あ、あ、だ、駄目だ、どうせこのままじゃとても眠れそうにないし……し、しよう……オ、オナニーしちゃおう!…)
そう決意し、布団の中でパジャマとパンツを膝の辺りまで下ろした丁度その時だった。
「わたるちゃん?ちょっといいかしら?」
入口となる廊下に面した障子の反対側、その襖の向こうからその声は聞こえてきた。
「は?!は、は、は、はい!な、な、な、なんでしょうか、お、お、奥様」
勿論それは志乃の声だ。
わたるは反射的に飛び起きる様に上半身だけ身体を起こした。
勿論、下半身はしっかりと掛け布団で隠すようにして。
わたるの返事を待って、志乃はゆっくりと襖を開けていった。
暗い部屋にサァッと光が差し込んでくる。
暗闇に目が慣れていたわたるは、その眩しさに一瞬目を瞑ってしまう。
「あ、あら……わたるちゃん、もうお休みになっていたのかしら?ごめんなさいね、おばさん、まだ起きているかと…」
「い、いえ、起きてます。ちょ、ちょっと今日は疲れたので、横にならせてもらっていただけです」
「あぁ、それは無理もありませんよね。遠い道のりでしたでしょうし、新しい環境で気疲れもしてますよね……もしかして、具合でも悪くなってしまったかしら。ちょっといい、わたるちゃん?」
「い、いえ、大丈夫です。あ、も、勿論、か、構いませんけど……あ、お、奥様、ぼ、僕、本当に大丈夫ですから」
悪さをしようとしていたところに突然志乃が入ってきたのだ。
しどろもどろになりながら、わたるは慌てふためいた。
そんなわたるをよそに、志乃はわたるの部屋に入るとまず明かりを灯した。
そして布団の横に正座すると、わたるの額に掌を押し当てるようにする。
「う〜ん、熱はありませんね。よかった。おばさん安心しました」
「は、はい……べ、別に、た、体調が悪いわけではなくて……ご、ごめんなさい奥様……し、心配をさせてしまって…」
「わたるちゃん?」
志乃がまた低いトーンの声を出した。
お風呂場で聞いたあのトーンの声だ。
何か怒らせるようなことでもいってしまっただろうか。
顔色を窺うように、わたるは上目使いで志乃の顔を覗き込んでみる。
「わたるちゃんはこの家の子になったんですよ。この家の者がわたるちゃんの心配をするのは当たり前じゃありませんか。ね?わたるちゃんはそんなに私たちに気を遣わなくて良いんですよ」
「は、はい……はい、あ、ありがとうございます。奥様…」
ほんのちょっぴり叱られたとはいえ、志乃の言葉が嬉しくて胸が熱くなる思いのわたるだった。
「だけど……う〜ん、やっぱりこの部屋はまずかったかしら、どう?私の部屋の隣なんてわたるちゃんは嫌じゃなかったかしら……あの人が私が傍にいた方が何かと便利だろうと言うのでここにしたんだけど…」
実はわたるの部屋は二間続きの和室の一つだった。
ともに八畳のその二つの部屋は襖で区切られており、もう一つの部屋の主がこの志乃なのだ。
「そ、そ、そんなことないです。こんな広い部屋に一人なんて、それだけでもう大満足です。今まではもっと狭い部屋を4人で使っていたので……それに奥様が近くにいてくださると確かに僕も安心だし…」
わたる返答の端々にやはり気を遣っている様子が窺える。
志乃はやれやれと苦笑いを浮かべた。
「ありがとう、わたるちゃん。少しづつでいいからこの家に慣れていってくださいね。だけど、そう……4人で一つの部屋を……本当に苦労してきたんですね、わたるちゃんは……この歳で両親も知らずに…」
志乃の表情に若干陰が差した。
「そ、そ、そんなことないです。ぼ、ぼ、僕、ぜ、ぜ、全然平気でしたよ。もうずっとそういう生活でしたし……そ、それに……し、施設の人は、寮長さんたちも、友達もみんないい人達ばかりでしたから…」
一気にそう捲し立てるわたる。
自分の生い立ちが美しい志乃の表情を曇らせてしまったことが心苦しかったからだ。
しかしその態度は、かえって志乃のわたるを思う気持ちを強めてしまったらしい。
「もう本当にこの子は……」
「あ、お、奥様、な、何を!……お、奥様?…………は、はふぅ…」
いじらしいわたるの姿に感極まり、思わず志乃は布団に座るわたるを横から抱きしめてしまっていた。
わたるの前方から回した左手で肩を抱き、右手をわたるの頭に乗せあの豊満なバストに抱きかかえる。
そしてあたかも幼い子供にそうするように、よしよしとわたるの頭を撫でる志乃だ。
「わたるちゃん?私たちは家族になったんです。この家では何も遠慮することは無いんですよ。あの人の言う通り勉学も大事ですが……元気よく自由奔放に遊ぶことだって子供の仕事の一つなんですから…」
「お、奥様……は、はぃ……あ、ありがとう……ござ…い…ます…」
そう言いながら肩に置かれた志乃の手に自分の手を重ねるわたる。
その光景は、新しく家族なった養子と養母の触れ合いを描いた紛れもなく感動的なシーンであった。
ところがそんな名シーンを演じながらも、実は養子の方は少々邪な感情を抱いてしまっていたのだが。
(あぁ、し、志乃奥様、なんていい匂いなんだろう……そ、それに……こ、この感触……な、なんて柔らかい…)
志乃の香水交じりの大人の女性の匂いに包まれながら、わたるは頬にあたる志乃の胸の柔らかい感触を満喫していた。
勿論わたるは、大人の女性の胸など今まで触ったことなどありはしない。
例え頬だったとしても、その突き立ての餅のような感触に心を奪われてしまうのは、童貞のわたるにとって仕方のないことだろう。
(あ、あ、あぁ……凄いよぉ……し、志乃奥様の……オ、オッパイだぁ……す、凄いよぉ…)
そして、志乃にバレないようそっと視線だけを下に移す。
するとこんなに間近から、あの大きく開いたカットソーの中身を見下ろすことが出来るのだ。
この視点だと、書斎でほんの少しチラリとだけしか見えなかったあの黒い布……志乃の大きい巨乳を包むあの漆黒のブラジャーがはっきりとよく見える。
それが実は乳房を下半分しか隠さないハーフカップのブラジャーだということすら分かってしまうほどに。
(はぁはぁ……はぁはぁ……お、奥様のブラジャー……し、志乃奥様の……く、黒いブラジャーだぁ…………え?…あ、あれ……って、もしかして…)
志乃の巨乳は、わたるを胸に抱いているため少し形が崩れていた。
そしてそのため、漆黒のブラジャーがほんの少し浮き上がり乳房との間に隙間を作っていたのだ。
(あ、あ、あ、あれって……も、もしかして……お、奥様の……ち、ち、ち、乳首?!……)
実はそれは乳首ではなく乳輪だった。
ブラジャーの開いた隙間から、志乃の乳輪の一角がほんの少しだけ顔を覗かせていたのだ。
志乃の純白の乳房と漆黒のブラジャーの狭間、そこに確かに茶褐色に染まった一部をわたるは目ざとく見つけたのだ。
(はぁはぁ……し、志乃奥様の……オ、オッパイ……も、もうちょっとで……もうちょっとでオッパイが見えちゃうよぉ……はぁはぁ……あ、痛っ!)
目の前の信じられない光景に、志乃が現れる前から勃起していた小さな包茎がズキズキと痛む。
わたるは思わず掛け布団の上から股間の辺りを両手で抑えてしまっていた。
「ん?わたるちゃん、どうかした?」
「!!!!……い、いえ、な、何も…………はぁ…」
邪なことを考えていた童貞少年は、志乃の言葉で我に返った。
今日はいったい何度同じ失敗を繰り返してしまうのだろう。
自分の事なのにも関わらずつい呆れてしまったわたるだった。
とはいえ、すぐにまたわたるは同じ失敗を繰り返してしまうのだが。
「ね?私もあの人も本当にわたるちゃんが来てくれたことを喜んでいるんですよ。だからわたるちゃんも、おかしな遠慮をしないで元気に過ごしてくださいね」
「は、はい……お、奥様……ありがとうございました」
「寝ようしていたところ邪魔をしてごめんなさいね。それじゃあ、私はこの辺で……さてと、それじゃあ私はお風呂にでも入ってこようかしら…」
志乃はそういって胸に抱いていたわたるを解放すると、そのまま部屋を立ち去ろうとしているようだった。
(あ、あれ?……お、奥様、僕に用があったんじゃ…)
不思議に思ったわたるは志乃を呼び止める。
「あ、あの……お、奥様?」
「なぁに、わたるちゃん?」
「あ、あの……な、何か、ぼ、僕に……!!!!…イィッ?」
言い終えることなくついおかしな奇声を発してしまったわたるだった。
「ど、ど、どうしたの?わたるちゃん……おかしな声を出して……やっぱりどこか具合でも悪いのかしら?」
首を傾げる志乃。
そうではない、具合が悪いわけではない。
わたるは志乃に実に悪いタイミングで、いやある意味実に良いタイミングで声をかけてしまったのだ。
わたるの奇声の理由。
それは今の志乃の姿勢を見れば明らかだろう。
志乃は丁度立ち上がろうとして片膝を立てた姿勢で静止していたのだ。
それは、そう……まさに昼間、老人の書斎で見せたあの姿勢だった。
「い、い、い、いえ……ぐっ、具合は別に…」
慌てながらそう言っては見たものの、わたるの視線は志乃の下半身に釘付けになっていた。
大きく開かれた股間から見える例のあの漆黒のパンティ。
ムッチムチの白く柔らかそうな太腿に食い込む魅惑の黒い布。
それは部屋の明かりに照らされてまるでキラキラと輝いているかのようだ。
書斎の時よりも遥かに近い距離で見るそれのなんと迫力のあることか。
またしてもしばしの間、志乃の股間に見惚れてしまうわたるだった。
「わたるちゃん?わたるちゃんったら!一体、どうしたんです?おかしな声を上げたり、ボーっとしてしまったり、やっぱりちょっと具合が…」
「い、いえ!ち、違うんです、そ、そうじゃないんです……あ、あ、あの、お、奥様?」
「なんですか?わたるちゃん」
「あ、あ、あの……奥様は、何か、用があって…」
志乃の顔を見て話しているつもりが、ついつい視線が志乃のパンティに引き寄せられてしまう。
わたるが慌てている理由に気づきもしない様子の志乃は、相変わらず立ち膝の姿勢で漆黒のパンティをわたるの目に晒したままキョトンとした顔をしている。
滑稽にも志乃の顔とパンティをまるで交互に見るようにして、わたるは志乃にここに来た理由を聞くのだった。
「あ、そうそう。ごめんなさいね、おばさんは、わたるちゃんに洗いものをどうしたのか聞きにきたんですよ」
「あ、それなら……あ、あの脱衣所にあったお、大きな籠の中に入れておきましたけど……あ、しゃ、社長の服と一緒に入れてしまいましたけど…」
まるでパンティに話しかけでもするかのように、志乃の股間を見つめたままわたるは答える。
「あ、いいんですよ、それで。あの人のも私のもいつも一緒に入れてますから……なら、大丈夫ですね。明日、洗濯しますからね」
「は、は、はい……よ、よろしくお願いします」
そして志乃はやっと立ち上がった。
黒いパンティがその姿を消して行く。
わたるは名残惜し気につい志乃のミニスカートと太腿の狭間を見つめてしまう。
「それじゃあ……あ、明かりは消しておいた方が良いですよね。では、おやすみなさい、わたるちゃん」
そして志乃は自分の部屋に戻っていった。
志乃の姿が見えなくなったことを確認し、わたるはバタンと布団に寝ころんだ。
(だ、だ、大丈夫だったかな?し、志乃奥様……僕のこと変に思わなかったかしら?……で、で、でも……し、志乃奥様があんなことするから……あ、あんな姿勢をするから……しょ、しょうがなかったんだ)
志乃のオッパイやパンティに見惚れてしまった自分を擁護でもするかのように、自分勝手なことを考えるわたる。
布団の中ではわたるの包茎がビクンビクンと脈打っている。
(あぁ、こんなにパンパンになっちゃって……あぁ……どうしよう?オナニーしないと、もう本当に眠れそうにないや……でも…)
隣の襖に目をやりながら、わたるは複雑な表情を見せた。
(奥様にはああ言ったけど……確かに奥様が近くにいてくれるのはありがたいけど……ちょっと困ったな。奥様が隣にいたら……僕…お、落ち着いてオナニーが出来ないよ…)
童貞少年は、すでに日課となっているオナニーを安心してできる環境ではなくなったことを憂いていた。
(さっきも危なかったよね……僕、オチンチン丸出しにしちゃってて……興奮してて奥様がお部屋に戻られたことに全然気づかなかったよ。こんなところを奥様に見られでもしたら、僕、追い出されちゃうぞ…)
そっと布団の中を覗き込むわたる。
パジャマとパンツが膝まで下ろされ、露わとなった包茎の先っぽは既に前触れでヌルヌルになっている。
そして、早く助けてと言わんばかりに直立しピクピク、ピクピクと震えているのだ。
(だけど……あ、あぁ…ここじゃあオナニーなんて出来ないし……あぁ、僕、これからどうすれば…)
わたるがオナニーの行く末を心配をしている丁度その時だった。
(トン…トトン…)
不意に何かやら小さな物音がわたるの耳に届いたのだ。