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Senior Mania -tutor-

其の弐

(バタンッ!)
「あ、あやこさ…いえ…先生、こんにちは。お、お待たせしました!」
(あぁ…やっぱり、綺麗だ…あやこ先生…)
急いで階段を駆け上がり、わたるは部屋に到着した。勢いよくドアを開けると、そこにはこの5日間想い続けてきた美しいあやこの姿があった。
「きゃっ、び、びっくりしたぁ…わたるくん?フフ…初めて声聞いたな。ちゃんと喋れるんじゃない」
「あっ、こっ、この前はごめんなさい。ぼ、ぼく緊張しちゃって…」
「ウフ…いいのよ。そうだ、こっちこそごめんね。無断でお部屋にお邪魔して…」
「あっ、いえ、とんでもない…。マ…あの、母に聞きましたから…先生が勉強の予定を考えてるって…。それに、見られて困るものなんて特に無いし…」
「ん…まぁ、予定には違いないわね…」
「えっ?…」
「フフ…何でもないわ…。それよりも…ふ〜ん、そうなんだ。わたるくんって、部屋に見られて困るもの置いていないの?…」
「えっ?…え、ええ…お、置いて…いないですけど…。な、何故ですか?…」
「ううん、特に理由はないんだけど…ただ、中学生くらいの男の子って…色々隠し事してるんじゃないかなぁと思ってね…フフ…」
「え?…べ、別に…僕は…。そ、そんなこと…ない…です…」
「まぁ…いいんだけど」
(フフ…いけない子ねぇ、嘘なんかついて…。エッチ雑誌見せちゃうぞ、坊や…)
あやこはそう思いながら、意味ありげに口元に笑みを浮かべわたるに近づいていった。わたるは、そんなあやこに見惚れて立ちつくしている。
「ねぇ、わたるくん。それじゃあ、そろそろ始めましょうか…お勉強。お母様にもしっかり勉強するように言われてることだし…。あっ、そう言えば今お母様は?今何してらっしゃるのかな?わたるくん」
「は、はい…あの…いま買物に行ってます…勉強が終わった後で、先生にお茶菓子を出したいって言ってました。それに…これは僕が言ったんですけど…勉強の邪魔になるから…終わるまで、部屋にこないように伝えときました」
「ああ、そうだったの」
母親がいないこと。これは2人にとって共通の願いだった。わたるにとっては、あやことの2人っきりの甘いひとときを邪魔されないために。あやこにとっては、わたるを自分の思い通りに躾ることを邪魔されないために。
(好都合だわ。いい子ね、この坊や…計画がうまく進みそうだわ…。フフフ…)
「じゃあ、始めましょうか?その前に…わたるくん、お願いがあるんだけどな。コートを掛けたいんだけど、ハンガー無いかしら?」
あやこの計画がいよいよ始められた。素直にあやこの依頼に応える何も知らないわたる。
「は、はいっ。ちょっと待ってください。…これを使ってください先生。どうぞ」
「ありがと。じゃあ失礼して…」
ハンガーを手渡されたあやこは、薄手のコートをゆっくりと脱いでいく。脱いだコートを手に取り、そしてわたるの方に身体を向き直すあやこ。それを見たわたるは小さな叫び声をあげた。
「!!!…せ、先生…!」
そこには、わたるが持っている雑誌のグラビアから抜け出したような女性が立っていた。あやこは、コートの中にも計画を進めるための武器を隠していた。あやこの着ている衣装がそれである。上は白いニット地の襟のついたTシャツといった感じの服だった。ただし胸元はVネックで大きく開かれ、正面から見てもバストの谷間が見える。また、ノースリーブのそれは丈が短く、あやこのお臍が丸出しとなっていた。下はというと、これもニット地で黒と白のボーダー柄のスカートだ。それも立っている状態であやこのヒップをやっと覆うことのできるぐらいの超ミニスカートである。かなり露出度が高い衣装にもにも関わらず、あやこは少しも恥らうことなく毅然と立ち、わたるを見つめている。その姿をわたるは、ただ口を開け呆然と眺めていた。まるで彼の周りだけ時間が止ったようだ。
(ウフフ…。驚いた?嬉しい?良かったわね、坊や。お姉さんのこんなエッチな姿が見れて。坊やには刺激が強すぎるだろうけど…。坊やに見せるためにお姉さんこんなエッチな服着て来たんだからね…。気に入ってくれたみたいね、この服…フフ…。だって坊やの眼、私の胸と太腿をいったりきたりしてるんだもの。でも、今はゆっくり見ている暇は無いのよ、坊や。まずはちゃ〜んとお勉強しなくちゃね…)
次の瞬間、あやこの表情、態度が一変した。
「はい勉強始めるわよ。いい?わたるくん。これからは厳しくいくわよ。お母様との約束だからね。私は、まず君の実力を知っておきたいの。だから最初はこの問題集を解いてもらうわよ。わかった?返事はどうしたの?ん?…どこ見てるの?人と話をする時はちゃんと相手の眼を見なさい。私のバストなんか見てたらだめでしょ」
まるでわたるの母親のような態度だ。わたるはあやこの変化に当惑し、また、自分が胸を凝視していたことを咎められ、慌てふためいた。
「ご、ごめんなさい。…で、でも…ぼ、ぼく先生の胸なんか…」
(あ、あやこ先生…。ど、どうしんだろう…。な、なんか怖い…あ、あんなに優しい感じの先生だったのに…)
「胸なんか?…。フフ…もういいわ、言い訳はしなくても。さぁ始めなさい。時間は…そうね、20分ぐらいで解いてもらおうかな。場所はこの低いテーブルで良いわね。さぁ、わたるくん。あんまり時間はないはずよ」
「は、はい…解りました…」
わたるの部屋にはテーブルが2つある。一つはチェアとセットの大きいテーブル。もう一つは床に座って使用する低いテーブルだ。あやこはわたるに低いほうのテーブルで勉強をするよう命令し、自分はというと大きい方のテーブルに近づきチェアに座った。当然、あの超ミニスカートはググッとせり上がり、豊かな太腿を露わにしていく。
(あ、あぁ…あ、あやこ先生の…ふ、太腿…が…)
またしても、わたるは全身を硬直させた。わたるの眼はあやこの太腿の虜になっている。あやこはそんなわたるの反応を楽しみながら、今度は怒ることなく、できるだけ優しく、そして色っぽく、ウインクをしながら、わたるに声をかけた。
「頑張ってね…。わ・た・る・ちゃん…」
この一言でわたるは完全にあやこの術中に落ちたと言って良い。瞬間、頭に岩でも落とされたような衝撃が走り、わたるは我に返った。
「は、はいぃ!が、頑張りますぅ!」
即座に床に座り、テーブルに問題集を広げるわたる。「ちゃん」付けで呼ばれたことなど気付きもしていない。頭に血が上り、心臓はドックンドックンと高鳴っている。あやこの目から見ても、わたるが舞い上がっていることは明白だ。
(クスッ…た〜んじゅん。可愛いのねぇ、ぼくちゃんたら。フフ…やっぱり脅迫は中止ね。こんなにかわいい坊やなんですもの…。その代わり、精一杯興奮してもらうからね。その後、優しく叱ってあげる。いけい子ねってね…。フッ、フフフ…)
わたるが問題を解き始めて5分ほど経っただろうか。あやこはカバンからマニキュアを取り出した。これも、わたるの注意を自分に向ける為のあやこの作戦だった。いとも簡単に作戦にはまってしまうわたる。
(マニキュア…あぁ、あやこ先生…大人のお姉さんなんだ…)
(フフ…そう、よ〜く見てなさい。いくわよ。坊や…)
あやこは横目でわたるの注意が自分に向けられていることを確認した後、まず右手で股間を…超ミニスカートの裾を覆い隠した。そして次に、ゆっくりと左足を上げて、右足の上に移動させ足を組んでいく。その光景を、わたるは息を呑み盗み見ていた。わたるにはその動作がスローモーションのようにゆっくりと見えたのだ。脚を組むその姿は、あやこの下着を垣間見ただけで興奮してしまうわたるにとって、余りにも挑発的なポーズだった。まるで手品でも見たかのように呆気にとられたわたるの姿が、あやこには滑稽であった。
(フフ…きょとんとしちゃって…。どう?ぼくちゃん。私のパンツ見えちゃったかな?見えなかったでしょう、残念ねぇ。ちゃ〜んと手で押さえてたものね。クスッ…まだパンティは坊やには早いわよ…まだまだ見せてあげないから…フフフ…)
わたるの位置からはパンティが覗けないように脚の位置を調節し、マニキュアを塗り始めるあやこ。そんなあやこの一挙手一投足を、一瞬たりと見逃すまいとわたるはあやこを凝視する。
(あぁ…先生…な、なんてセクシーなんだ…。さっきは惜しかったな…もう少しで先生のパンティが見えそうだったのに…。先生はどんなパンティを履いてるんだろう?この前のブラジャーみたいに白いのかな?…それとも…あぁ…見てみたい。でも、今の先生も素敵だ…脚をあんなに上の方まで出して…あぁ…あの太腿を触ってみたい…。痛っ!…いけない…また…)
あやこを想い、毎日のように手淫していたにも関わらず、わたるはまたも勃起していた。前回の時と同じように、激痛が股間を走る。たまらず両手で股間を押さえるわたる。その様子を横目で見ていたあやこは思わず吹き出してしまった。
(あら?クスッ…あらあら…。本当にウブねぇ…。もう膨らませてるの?坊やったら…駄目じゃないの、これくらいで。まだ、パンティだって覗かせてあげていないのに。ちょっと純情くんすぎるわよ…。でも、そんなに簡単に興奮するようじゃ困るわね。しょうがないな、少しだけ頭を冷やしてあげようか?…それとも、冷やさなきゃならないのは頭じゃないのかしら?…。クスッ…クスクス…)
あやこは笑いをこらえながら、ゆっくりとわたるの方に顔を向けていく。身体はピクリとも動かさないように注意して。そして、わたるをじっと見据える。あやこの太腿だけに意識を集中しているわたるは、そのあやこの行動にまったく気がつかなかった。あやこがあからさまにわたるを見ているにも関わらず、なお、わたるは俯き加減であやこの太腿を…超ミニスカートの裾と太腿の境目あたりをギラギラと視姦している。両手で股間を押さえながら。
(ウフフ…まるでお預けされてるワンちゃんみたいね、坊や…。でも困った子だこと…すっかりお勉強を忘れちゃってるわね。私が見ていること気付かないのかしら?そんなに私の脚って魅力的?それとも、やっぱりお姉さんのパンティを覗きたくて覗きたくて勉強どころじゃないのかな?フフ…ほ〜んとにエッチなんだから…、こんなエッチ坊やは懲らしめてやらなくちゃ…)
あやこは先程脚を組んだ時と逆の動作をし始めた。つまり、右足の上に組まれている左足をゆっくりと持ち上げ、徐々に下に降ろしていったのだ。ただし、今回は股間を手で覆い隠すことなしに。あやこはわたるを観察しながら、ゆっくりとゆっくりと脚を移動させていった。このまま脚を移動させていけば、当然無防備のあやこの股間はわたるの目に晒されることになる。
(や、やったぁ!こ、今度こそ…今度こそ、あやこ先生のパ、パンティが覗けるぞ)
あやこの罠だとは知らず、期待に胸を膨らませるわたる。知らず知らずの内に、身を乗り出してしまっている。その態勢は、誰の目から見てもあやこの股間を覗こうとしているそれだった。あやこはそんなわたるの反応を覗いながら、口元にうっすらと笑みを浮かべてなおもゆっくりと脚を移動させていく。
(あぁ…も、もう少し…もう少しであやこ先生のパ、パンティが…パンティが…もう少しでパンティが覗けるぞ。お、お願い、先生…も、もう少し、あ、脚を開いて…お、お願いですぅ…)
わたるの興奮は最高潮である。精一杯身を乗り出し、目を見開き、あやこの股間を視姦する。そして、いよいよあと3cm程あやこの脚が移動すれば、待望のパンティが覗けると思った瞬間…。
「どこを見てるの?…坊や…」
(!!!)
あやこの声が、わたるの心臓を貫いた。それは、驚きの口調でも、怒りの口調でもない、冷静な、あくまでも冷静な冷ややかな口調であった。かつてこれ程のショックがあっただろうか?わたるはその一言で一瞬にして凍りついてしまった。テーブルに身を乗り出したままの態勢で。冷汗が頬をつたう。あまりのショックで、声を出すことも、あやこの顔を見上げることもできない。熱く膨らんでいた股間のものが徐々に徐々に収縮していく。わたるにとって、長く静かな時間が延々と流れていた。