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Senior Mania -tutor-

其の壱

「先生、息子のことをよろしくお願いします。なんとか成績を上げてやってください。ほら、わたる。あなたからもちゃんとお願いしなさい」
「はい、わかりましたお母さん。一生懸命やってみます。ね、わたるくんも一緒に頑張りましょうね」
「親ばかと思われるかもしれませんが、本当にわたるのことが心配で心配で…。近頃の高校受験は、3年生ではなく2年生の時の成績が大きく影響を与えるそうで…。なのに、この子ったら毎日毎日勉強もしないで…」
「大丈夫ですよ、お母さん私に任せてください。それでは今日のところは、そろそろ…次の土曜日の午後から、お伺いさせていただきます」
「あら、ごめんなさい。すっかり長話をしてしまって…。そうですわね、今日はご挨拶だけでしたわね。では先生、わたるのことよろしくお願い致します。わたる、ほら黙っていないで先生に…」
「いいんですよ。お母さん。フフ…わたるくん、恥かしがりやなのね。それとも、風邪でもひいたのかな?お顔赤くない?土曜日からはもっと元気よくしなくちゃね。しっかり、お勉強しましょうね。では、お母さん失礼いたします」

(ふぅ…うるさいお母さん、ホントに親ばかね。あの坊やも大変よね、お母さんがあんな教育ママだなんて。人見知りするようになるのもわかる気がするな…)
帰宅途中、色鮮やかなマニキュアをほどこした自慢の爪で髪をかきあげながら、あやこは大きくため息をついた。あやこは都内にある名門私立大学の4年生。アイドルさながらの美貌は、実年齢より若く見られがちで童顔とも言える。だがそれとは対照的に、抜群の肉感的プロポーションの持ち主でもある。教育学部で英語を専攻している彼女は、来年の4月から男子高校の教師となることが決まっている。卒業までのこり半年となり、たいして重要な講義もなく暇を持て余していたところ、友達から家庭教師のバイトを勧められた。もともと卒業旅行の資金調達のためにバイトを探していたあやこは、この家庭教師の仕事をすることに決めたのだが、今日の顔合わせで少し後悔を感じていた。
(あ〜あ、あんなに口うるさい母親がいたなんてね。簡単なバイトだと思ったのに…。週1回、適当に勉強させてればお金が入ると思ったんだけどな…。いい加減にやってたらすぐクビになりそう…。面倒くさいな…。でも、お金は欲しいし…。どうしようかな?…)
もともとあやこは遊び好きであまり働くということに縁が無かった。実は今回の家庭教師が初めてのバイトである。あやこは、なんとか、楽をしてお金を稼ぐ方法を考え始めた。
(そうだわ、わたるくんだっけ?…あの坊やに良い先生だって思わせればいいよね…。そうすれば、坊やがお母さんに辞めさせないように言ってくれるだろうし。だから、なんとかご機嫌をとって…あ〜もう!なんで私が中坊のご機嫌を取らなきゃならないのよ!まぁ顔は可愛らしかったけど、お子様のご機嫌をとるなんて冗談じゃないわ!第一あんな人見知り坊やじゃ機嫌をとるのも一苦労だし…。いい手ないかな?…どうすれば、楽して適当にやってても坊やが私を辞めさせないように言ってくれるかな?…ん?…言ってくれる?…そうか…フフフ…そうよね…言ってくれるんじゃなくて、言わせればいいのよね。相手はまだまだお尻の青い中学2年生…私がその気になれば簡単よね…。ちょっとかわいそうな気もするけど…まぁいいわよね、卒業旅行のためだし…。それに坊やだっていい思いをするんだし…。フフフ…あれ?なんだか次の土曜日が楽しみになってきちゃった…ウフフ…)
ある方法を思いついたあやこには、さっきまでの後悔はすでに無かった。それどころか、口元には笑みさえ浮かべていた。

約束の土曜日、多少時期早めのコートを身につけ、あやこは約束の時間の1時間も前にわたるの家に到着した。これが計画の第一歩だ。
「あら先生。早いんですね。まだ約束の時間には…。わたるはまだ学校ですけど…」
「こんにちは、お母さん。ごめんなさい、早く伺ってしまって…。実は家庭教師を始める前に、わたるくんが今使っている参考書とか問題集とかを見せていただこうと思いまして…。今後の勉強の予定を考えたかったので…」
「まあ、そいうことでしたの。ありがとうございます、先生。そんなに熱心に…。先生にお任せすればわたるも安心ですわ。わかりました、では先生どうぞ…」
母はそう言ってわたるの部屋へあやこを案内した。あやこを疑うことも無く、むしろ好印象を持ったようだ。
「どうぞ…こちらです」
わたるの部屋は家の2階にあった。中学2年生にしては大人びた部屋だ。白で統一され、部屋の真中に置かれた大きく丸いテーブルとチェアのセットが清潔感を感じさせる。テレビの前に無雑作に転がっているコンピュータゲームが唯一子供部屋らしさ演出していた。
(素敵な部屋ねぇ…羨ましい。ママに大切にされてるのね、わたるくん…)
「先生、わたるが帰ったら、お勉強のほうよろしくお願いしますね」
そういって、母は部屋を後にした。
(ふぅ、うまくいった。まずは第一関門突破ね…。ごめんね、おばさま。これからあなたの可愛い可愛いお坊ちゃんを…フフ…でも、怒らないでくださいね、私の言うことさえ聞けばちゃ〜んとお勉強もさせますから…。さあてと、どこから探そうかな?…あの坊やはいったいどこに隠してるんだろう?…フフわかってるんだから。どんなにおとなしい子だって中2くらいなら絶対持ってるのよね。フフ…坊やの秘密、お姉さんが見つけちゃうからね。えっと、ベッドの下かな?それとも机の中かな?…)
あやこはわたるの部屋を調べ始めた。そして暫く経った後、わたるのファンシーケースの中からついに目的のものを発見した。
(フフフ…やぱっりねぇ。あったあった…坊やも男の子なのねぇ…ウフ…)
見つけたものは雑誌である。セクシーな女性が満載のグラビア雑誌だ。とはいえ、それはそこらのコンビニエンスストアで手に入るような代物で特にスゴイ内容のものではない。あやこは見つけたそれを手にとり、パラパラと眺め始めた。
(ふ〜ん。たいしてHじゃないじゃない。こんなところに隠してるから、あそこがばっちり見えるような裏本かと思ったのに…。ヘアさえ見えてないじゃない。フフ…そっか、坊やはまだ女の身体に興味が出始めたばかりなのね…だからこの程度でも興奮しちゃうんだ…かわいい。きっと、こんなのでも坊やはドキドキしながら見てるんだろうなぁ…。こそこそ隠れながら…フフ…これ見ておいたしてるのね…おませさん…。でも、なあんだ…この様子ならあの子、ちょっとスカートからパンツでも覗かせてあげれば、私の言うこと何でも聞いちゃいそうじゃない。わざわざ証拠を掴むまでもなかったな…)
あやこの計画…それは、わたるがしているであろう、わるさの証拠を掴み、それをねたに脅迫し、わたるを自分の思いのままに操ることだった。性に目覚めたばかりの中学生くらいの少年が、女の身体に只ならぬ興味を持っていることをあやこは知っている。そして女の身体を妄想し、興奮した結果何をしているのかも。また、それを人に知られることをどれほど恐れているのかも。
(まったく…中学生の男の子って女の身体にしか興味持ってないのよね…。でも、この程度の雑誌でわるさしているのかって思うと…なんか、もっと色々教えてあげたくなっちやうな…。とってもウブなんだもん。ちょっとだけ計画変更ね、脅迫なんてかわいそうだし…。ウフ…いいわ、坊や。おねえさんが、テレビゲームより楽しいこと教えてあげるからね。楽しみに待ってなさい。フフフ…)
あやこは一人含み笑いをした。ちょうどその時、下の階から会話が聞こえてきた。どうやら、わたるが学校から帰ってきたようだ。
(フフ…坊や、帰ってきたのね…。さぁ早く、早くいらっしゃい…。いけない…一応参考書も目を通しておかなくちゃ…)

「えっ!先生、もう来てるの?ホント!」
あやこがすでに来ていることを聞いて、わたるは驚いた。
(ちえっ。そんな事ならもっと早く…失敗したぁ)
わたるは今日を楽しみにしていたのだ。いや今日ばかりでなく、これからの土曜日はすべてわたるの待望の日となっていた。
(あやこ先生…。あぁ…早く逢いたいな…。今日はちゃんと挨拶しなくちゃ…。この前は結局一言も話さなかったもんな…)
持っていたバッグを無雑作に投げ捨て駈足で階段を上るわたるは、5日前初めてあやこに逢った時のことを思い出していた。

(うわ〜…き、綺麗なお姉さんだぁ〜)
これがわたるのあやこに対する第一印象だった。母親から家庭教師をあてがわれることを不満に思い、しぶしぶ顔合わせにのぞんだわたるだったが、あやこに逢った刹那そんな思いは吹き飛んでいた。一目見ただけで、美貌の女子大生に心奪われたのだ。
(素敵だ…あやこさんか…綺麗だなぁ。そ、それになんて大きなオッパイなんだろう。服の上からでも巨乳だってわかるよ…。すごい…。あぁ…あんなオッパイ触ってみたいなぁ…)
最初は純粋にあやこの美貌に見惚れていたわたるだったが、これが中学生の中学生たる所以であろう、すぐにあやこのバストに興味をひかれてしまったわたるだ。あやこはこの日白いシャツにチノパンを着ていた。なんの変哲もない服装だったがさりげなく肩にはおったカーディガンがセンスの良さを感じさせている。雇い主との初顔合わせということで、あやこが自分をいかにも女子大生らしく見せようと考えた結果だった。しかし、それでも胸の大きさは隠しきれていない。ボタンが2つほどはずされた白いシャツはバストのあたりが内側から大きく押し上げられている。わたるの両目はそこに吸い寄せられ、動かすことができなくなっていた。当然、母親とあやこの会話などまったく聞こえていない。
「…。ね、わたるくんも一緒に頑張りましょうね」
不意に話しかけられ、わたるは我に返った。徐々にバストから視線を上げていくと、あやこの視線もこちらを向けられている。目が合った瞬間わたるの全身は硬直してしまった。
(し、しまった…。い、いつからあやこさんは僕を見てたんだろう?…オッパイばっかり見てたことばれちゃったかな?…。あっ…そ、そうだ…な、なんか答えなくちゃ…で、でも…ど、どうしよう…。あぁ…黙っていたらママにも怪しまれちゃう…。こんなことママに知れたら…。お願い!どうか二人とも気付きませんように…)
頭の中がパニックを起こし、あやこの呼びかけに答えることもできない。わたるはただ、あやこの美しい瞳を呆然と眺めているだけだった。
「親ばかと思われるかもしれませんが、…」
母親が喋り始めたことがきっかけとなり、わたるはようやくあやこの視線から逃れることができた。あやこは母親の方に向き直り、また会話を始めている。わたるは俯き、安堵ののため息をついた。
(ふぅ〜…この様子ならママは全然気がついていないな…。良かった。只でさえ、厳しいママなのに、こんなエッチなこと知られたらもうこの家に居られないよ…。あやこさんはどうかな。会話の様子じゃあ気付いてないみたいだけど…。ん?…あっ!)
表情を覗おうとあやこに視線を向けたわたるは、あやこの胸元に大きな発見をし、危うく声をだしそうになった。母親に身体を向けたあやこの胸元は、わたるから斜めに見えている。その角度が、わたるにボタンをはずしたあやこのシャツの奥を覗かせたのだ。
(あ、あれ…ブ、ブラジャー?…)
最初同じ色のシャツでわかり難かったが、確かにそれは白いブラジャーだった。見えたとはいえほんの少しカップの上部が覗けた程度だったのだが、それは、女の裸など雑誌でしか見たことのないわたるを興奮させるには充分過ぎる材料だった。
(あ、あやこさんの…ブ、ブラジャー…あ、あやこさんの…。あぁ…早く、話し終わらないかな…ぼ、ぼく…もう…い、痛いよぉ…)
すでにわたるは勃起していた。初めて本物の、写真ではない生のブラジャーを見たわたるは、かつてないほど股間を硬く膨らませていた。それがズボンの中で窮屈になり、わたるに苦痛を与えているのだ。興奮と痛さで、わたるの顔が徐々に紅く染まっていく。
「…フフ…わたるくん、恥かしがりやなのね。それとも、風邪でもひいたのかな?お顔赤くない?…」
話が終わりに近づき、再度あやこがわたるに声をかけてきた。しかし、自分の変化を言い当てられたわたるには、すでに何か喋る余裕など無く、ただじっと股間の痛さに耐えているだけだった。あやこが帰った後、母親との会話もお座成りにし、わたるはすぐに自分の部屋に閉じこもった。あやこの姿が生々しく頭に浮かんでいる間に、一刻も早く楽になりたかったのだ。その夜、わたるは3回も少年の青い欲望を解き放った。しかし、あやこに対する想いはその後も消えることなく、結局、土曜日までの5日間、わたるは10回以上あやこを想い浮かべることになる。