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Seductive Madam(z) -rush-

其の肆

「それじゃあ、仲直りもできたし。そろそろ始めようか?僕」
「…?…え?……な、なにを…ですか?…」
澄江の不意な問いかけに、キョトンとした表情の少年。
そんな少年に、澄江は、如何にも大人の女性らしい穏やかな微笑みを浮かべながら、事も無げに言葉を返す。
「何って…いやだわ僕。これからおばさんが、僕のオナニーのお手伝いをするんでしょ?」
「あ、ぅ…は、はぃ…」
今の澄江は、少年の知るいつもの優しい澄江だ。
先ほど感じた妖しい雰囲気など微塵も感じれら無い、いつも恋焦がれている隣の美貌の人妻、澄江に間違いない。
その澄江と「オナニーのお手伝い」という単語のアンバランスさが、瞬時に少年の顔を赤く染め上げる。
「あら?…うふふ…今さら何を照れてるの僕。もう何度もお手伝いしてあげてるのに…くすっ…おかしな子ね」
そんな少年の態度が、澄江の口元に笑みを浮かばせる。
と同時に、先ほどつい調子に乗って苛めてしまったことへの罪悪感がチクリと胸の奥を刺激する。
「ごめんね、僕。今日は、いつもより……いっぱい弄ってあげるから。さっきのこと許してね」
「え?…い、い、いっぱい?!…は、はい!っていうか、ゆ、許すも何も…ぼ、僕、ぜ、全然気にしてませんからっ!」
思わぬ幸運に有頂天な様子の少年。
さっき涙を零したことなど、すっかり頭に残っていないようだ。
「くすっ…やーね、僕ったら。そんなに喜んで…」
「あ、い、いえ、そ、そ、そういうわけじゃ…な、ないんです…」
「そういうって…どういうわけ?」
「あ、いえ、それは、その…」
「くすっ…もう、本当にエッチな子なんだから…困った坊やだこと…ふふ…ふふふふふ…」
「ご、ごめんなさい…あ、あはっ…あはははは」
秘密を共有する二人の間に、漸くいつもの親密な雰囲気が戻ってきたようだ。
暫くの間、たわいもない話で笑いあう二人だったが、やがて…
「ふふ…さてと、それじゃあ、僕。いつまでも待たせちゃ可愛そうだもんね、そろそろ…」
「あ、はい…そ、そうです、ね…」
澄江とならただの雑談でも十分楽しい時間をすごせる少年だ。
けれどもそうは言っても、やはりいつもの秘密の行為は少年にとって何よりも変えがたい至福の時間。
思わず背をただし、少年はゴクリと唾を飲みこんだ。
「あ、っと、でもその前に…」
「え?な、な、何ですか?」
またお預けを食ってしまうのだろうか?
少年の顔に切なげな表情が浮かび上がる。
「あ、ごめんごめん、そんな顔しないで、ちゃんとおちんちんは擦ってあげるから…でも、その前に、ほら、コレ」
「え?……あ!そ、そうです…ね…」
澄江が指差した場所、それは澄江自身の足だった。
見れば、少年の放った精液がべったりと付着し、足の裏全体に塗り広げられた様になっている。
さすがにこのままでは澄江も気色が悪いだろう。
「それに、僕のも…」
次に澄江は視線を少年の股間に投げかける。
そこは、澄江に強制的に射精させられ、その上踏みにじられたため当然の如く精液まみれだ。
「そ、そ、そうですね…ま、まず拭かないと…」
「でしょう?えっと…ティッシュは、と……え?な、何、僕?」
それは、澄江がテーブルの上に手を伸ばそうとした時だった。
澄江の手が届くよりも早く、少年の手がティッシュの箱を取り上げていた。
「ぼ、ぼ、僕が…僕が拭きます!」
「えぇ?」
少年のいきなりの行為に、小さく驚きの声を上げる澄江。
見れば少年の表情は真剣そのもの、ただの悪戯ではないようだ。
「ぼ、ぼ、僕が…僕が、し、失敗しちゃったから、澄江さんの足がこんなことに…ぼ、僕が、が、我慢できていれば…」
「え?…ぼ、僕…」
「お、お願いです…ぼ、僕に拭かせてください。お願いします、澄江さん」
少年にしてみれば、これから至福の時間を与えてくれる澄江への、せめてもの罪滅ぼしのつもりだったかもしれない。
無様に足裏で射精してしまい、綺麗な澄江の足を汚してしまったことへの謝罪のつもりだったかもしれない。
そんな少年の気持ちが、澄江にも痛いほど伝わってくる。
けれどもその少年の気持ちは、澄江にとってあまりにバツの悪いものだった。
何故なら、少年の射精は自分が……いや、今はそれは考えまい。
今となっては、少年がしたいようにさせることこそが、少年への贖罪となるに違いない。
「コ、コホン…ん…そ、そう?…じゃ、じゃあ、お願いしようかな?ありがと、僕」
「は、はい!」
澄江に奉仕できることへの喜びに目を輝かせる少年。
そんな少年に澄江は、申し訳なさそうな苦笑いを浮かべならがスッと精液まみれの右足を差し出した。

「あん、やだ、擽ったいわ、僕。そんなにそーっと拭かないで…」
「あ、ご、ごめんなさい…あ、あんまり綺麗な足だから…た、大切に拭かなきゃと思って…」
「あら?…ふふふ…やーね、僕ったら、こんなおばさんにお世辞なんか言って…ありがと、僕。でも大丈夫よ、もう少し強く拭いてくれても、ね?」
「…は、はい…」
澄江は今、ソファに浅く腰掛け、軽く浮かせた右足を少年に委ねていた。
澄江の真正面に正座する少年は、まるでシンデレラの靴でも磨くように、そーっと、だけれども丹念に澄江の右足の汚れを拭っている。
自分の股間など後回しだと言わんばかりに、射精の名残をとどめた包茎をだらしなく晒したままで。
まだお昼前。
レースのカーテンから柔らかな陽の光が入り込みはするけれど、照明は点けていないその部屋はほんのちょっぴり薄暗い気もする。
そんな部屋の中での妖しい秘め事。
ソファに腰掛け、目の前に傅く下半身を露にした少年に自分の右足を拭わせる。
なんとなく澄江は、自分が女主人で少年がその主人に従う使用人か下僕のように見えていた。
(ふふ…やーね、私ったら…いったい何様のつもりなのかしら?僕にこんなことさせるなんて…これじゃあ有閑マダムが執事の坊やに奉仕させてるみたいじゃない…)
困ったような、呆れたような、そんな自虐的な苦笑いを零す澄江。
少年を見れば、そんな澄江の想いなど気づきもせず一心不乱に澄江の右足を磨き続けている。
(ふふ…一生懸命な顔しちゃって…けど…まぁ、たまにはいいかな?こういうのも。だって、いつもは私が僕の召使いなんだもの、ね…)
澄江はいつもこの部屋で行われている秘密の行為を思い出す。
今と同じようにズボンもパンツも下ろし、小さいながらも硬くなった包茎を恥ずかしげに澄江に差し出す少年。
そしてその包茎を優しく摘み上げ、何度も何度も射精に導いてやる澄江。
(そう。いつも奉仕しているのは私だもの…小さいのを何度も何度もピンピンに膨らませちゃう困ったお坊ちゃまに、エッチなお世話をしてあげる召使…ふぅ…なんか気持ちいい…)
澄江の足を拭う少年の優しい手つきは、澄江にとってあたかもマッサージのような効果を生み出していた。
足裏の心地よい感触が澄江をリラックスした気分にさせていく。
今まで少年の行為を覗き込むように身体を起していた澄江は、身体を横たえるようにソファの背凭れに深々と身を任せた。
「ぁ…」
するとその時、息を呑むような、とてもとても小さなため息が澄江の耳に届いた。
「ん?…どうかしたの?僕」
今、この部屋にいるのは、澄江と少年のただ二人だけだ。
溜息の主は、澄江でなければ当然少年しかいない。
「…え?…あ!…い、い、いえ…な、な、な…なんでも…な、なんでも…ない…です…」
「ん?…そう?…ならいいけど…」
返事をする少年の態度はどことなく慌てているようにも感じたが、このまったりとしたリラックスタイムが澄江にそれ以上の詮索を放棄させた。
そしてゆっくりと目を閉じる。
自分の吐息と少年が澄江の足を拭う物音しか聞こえないとても静かな空間。
明るくも無く暗くも無く。暑くもなく寒くも無く。
澄江はともすれば居眠りさえしてしまいそうになる。
けれど…
「…………はぁ…はぁ…」
「?……」
その静かな空間に、妙な雑音が混じり始めたのだ。
それは、紛れも無く少年の吐息。
先ほどまで静かに澄江の足を拭っていた少年の息遣いが、澄江の耳に届くほど、荒く激しくなっているのだ。
さっきの溜息のこともある。
やはり少年の身に何かが起きたのだろうか?
下半身丸出しにしたままの姿で小一時間…もしかしたら風邪でもひいてしまったのかもしれない。
少年の様子をうかがおうと、澄江はゆっくりと目を開ける。
「僕、どうかしたの?……ぁ…」
そこに見えた光景に、今度は澄江が息を呑まされる番だった。

澄江の想像通り、少年としては、ただ自分のそそうで足を汚してしまったことへの償いのため、澄江の足拭きを買って出たに過ぎなかった。
天地神明に誓って、それ以上の他意はない。
けれどその想いに、少々邪な気持ちが湧き上がってきてしまったのだ。
その原因を作ったのは、誰あろう澄江だった。
澄江が何の気なしにヒョイと上げた右足の踵の辺りを左手の上に乗せ、さぁこれから足を拭おうとしたその時だった。
(う、うわぁ…す、澄江さん…澄江さんのス、スカートの裾が…)
正座をし、足拭きのためほんの少し身を屈めた少年の視線は、丁度ソファに座る澄江の膝の辺りに位置している。
そして澄江の今日のいでたちは、白っぽい生成りのワンピースだ。
それはいかにも大人の女性らしい落ち着いた雰囲気の部屋着で、澄江が立っているならばすっぽりと膝が隠れるくらいの丈はある。
けれど、今、澄江はソファに座っているのだ。
ただ座っているだけでもワンピースの裾はクイッと引き上げられ、澄江の艶やかな膝はすっかり丸出しになる。
そんな状況にも関わらず澄江が足を軽く上げたため、裾は更に上方に引き上げられ今や膝上20センチほどのミニスカートのような状態になっていた。
少年は思わず息を呑んだ。
(はぁ、はぁ…す、裾が…あ、あんなに捲れて…ふ、太腿が…す、澄江さんの…ふ、太腿がぁ…)
少年にとっては残念なことだが、恐らく少年が一番見てみたいであろうモノはまだ見えてはいない。
けれども、憧れの澄江の露となった太腿のなんとも眩く扇情的なことか。
思わず頬ずりしたくなるくらいに張りのある福与かな澄江の太腿。
軽く上げられた足は、白くいかにも柔らかそうな内腿さえも露にする。
そしてさらにその奥には魅惑の暗闇が広がり、その暗闇が少年の眼を虜にして離さないのだ。
(はぁ…はぁ…こ、この奥に…す、す、澄江さんの…澄江さんの…パ、パ…パンティが、この奥にぃ…はぁはぁ…)
以前、少年は罪を犯した。
憧れの澄江の洗濯物…パンティを盗んでしまったのだ。
その時手にした澄江のパンティのスベスベとした手触りが少年の手に蘇る。
憧れの澄江、憧れの澄江のパンティ。
それがもう少しで…あとほんの少し澄江が足を上げるか開くかしてくれれば、洗濯物などではない実際に澄江が今履いているパンティを目にすることが出来るのだ。
(ゴクリ…)
少年は思わず唾を飲んだ。
「あん、やだ、擽ったいわ、僕。そんなにそーっと拭かないで…」
はっと我に返る少年。
澄江の太腿に気をとられ、肝心の足拭きがおざなりになってしまっていたようだ。
「あ、ご、ごめんなさい…あ、あんまり綺麗な足だから…た、大切に拭かなきゃと思って…」
とっさにその場を取り繕ったつもりの少年だが、その言葉に思わず本音が混じる。
けれど澄江はなぜか少し気を良くしたようだ。
「あら?…ふふふ…やーね、僕ったら、こんなおばさんにお世辞なんか言って…ありがと、僕。でも大丈夫よ、もう少し強く拭いてくれても、ね?」
「…は、はい…」
どうやら少年の視線がワンピースの裾の辺り…澄江の内太腿を捉えていたことには気がつかなかったらしい。
(危ない、危ない…気をつけなくちゃ。またこんな『悪さ』をしている事を知られたら、今度こそ澄江さんに嫌われちゃう…)
自分の犯した厭らしい行為を反省しつつ、ほっと胸を撫で下ろす少年。
けれど結局反省の甲斐なく、少年はまた同じ行為を繰り返してしまうのだ。
少年を責めるのは酷なことかもしれない。
何故なら、その少年が恋焦がれた澄江の暗闇の奥が、ついにその姿を垣間見せたのだから。
それは澄江がソファの背凭れに身体を沈ませたその時だった。
その動作によりワンピースの裾が更に引き上げられ、同時にリラックスした澄江の両足が緩み、ほんの少しだけ開いてしまったのだ。
「ぁ…」
少年の視線はその瞬間を逃さなかった。
若干開いた澄江の両太腿のその奥に、ワンピースの白よりもさらに白く艶やかに輝く魅惑の布があることを。
「ん?…どうかしたの?僕」
「…え?…あ!…い、い、いえ…な、な、な…なんでも…な、なんでも…ない…です…」
滑稽なほど慌てた様子で返事をする少年。
澄江には申し訳ないと思いつつ、なんとか澄江に気取れら無いようにと心の中で手を合わせる。
念願の澄江のパンチラだ。
これほどの宝物を拝むことが出来るなんて、こんな幸運はもう二度と訪れないかもしれない。
だからもう少し…後1分、いや後10秒でもいいから、もう少し澄江のパンティを覗き見させて欲しい。
姓に目覚めてから澄江のことばかり考えオナニーに耽ってきた童貞少年が、そう思ってしまったとしてもそれは仕方が無いことだろう。
「ん?…そう?…ならいいけど…」
幸いなことに、澄江はそう告げるとゆっくりと目を閉じてしまった。
(お、落ち着け、落ち着け…だ、大丈夫。す、澄江さんは気づいてない…僕がパンティを覗いてるなんて…全然、気づいてない…)
自らを落ち着けようと軽く深呼吸をする少年。
澄江の表情をうかがい目が閉じられていることを再確認すると、ギラギラとした貪欲な目で澄江の股間を覗き見る。
(ゴクリ…あ…あぁ…し、白だぁ…きょ、今日の澄江さん…し、白いパンティを履いてるんだぁ…)
ムッチリとした両太腿の付根で一際輝く白いパンティ。
澄江の股間に張り付いたその白い布切れに、少年の無遠慮な視線が這い回る。
目を凝らしてよく見れば、どうやらそのパンティの前の部分には何やら模様が描かれているようだ。
バラの花だろうか?いかにも大人の女性らしい気品のあるパンティだった。
(あれ?…花模様の花弁の部分…なんか黒っぽいような…!!!…あ!も、も、もしかして、あ、あ、あれって!!)
澄江のパンティの花模様。それは、スケスケのレース地に刺繍が施されたものだった。
その花弁の部分だけが他の部分に比べて若干黒っぽく染まっている。
一瞬バラの花弁だけ色が付けられているのかとも思ったが、それが何であるか程なく気づいた少年だった。
(あ、あ、あ、あれ…あれって…す、す、澄江さんの…澄江さんの、あ、あ、あそこの毛だ!)
その正体が分るや否や、少年は脳みそが瞬時に沸騰してしまったかのような感覚を覚えた。
憧れの澄江の…あそこの毛。
まだ満足に毛も生えそろっていない少年にしてみれば、股間の毛…陰毛は大人の象徴のようなものだった。
そして大人の女性に憧れるこの少年は、オナニーをする時、いつも黒々とした陰毛を携えた女性の裸体を思い浮かべていたのだ。
その陰毛をパンティ越しとはいえ、実際に目にすることが出来るなんて。
それも常日頃、恋焦がれてきた澄江の陰毛を。
まるで誘蛾灯に誘い込まれる虫けらのように、澄江の股間に…陰毛を透かせた白いパンティに少年の視線は吸い寄せられていく。
「…………はぁ…はぁ…」
もはや少年の息遣いは、不自然なほど荒く激しくなっていた。

「僕、どうかしたの?……ぁ…」
澄江はその光景を見るや、瞬時のその状況を理解した。
ふと自分の股間に視線を落とす。
少しリラックスしすぎたかもしれない。
片足を少年の手に預けた澄江の股間は、少しばかりだらしなく開かれてしまっていた。
そしてその股間の隙間を、俯き加減の少年が上目遣いでジッと覗き込んでいるのだ。
彼が何を見ているかなど、もはや説明の必要もない。
(も、もう…ぼ、僕ったら…)
さすがに澄江もこの状況に戸惑いの色を隠せない。
それもそのはず、自分のスカートの中をこんなにもマジマジと見つめられたことなどそうあることではない。
(まったく、もう。僕ったら…いけない子ね。私の…私のパンティを覗くなんて…)
少年は、澄江の問い掛けにも気づかなかったようだ。
澄江の足を拭う手もいつしか止まり、荒げた息を隠そうともせず、ただただ澄江の股間を見つめることだけに気を取られてしまっている。
(僕ったらあんなに一生懸命覗いちゃって…そんなに見たいの?こんな…こんなおばさんのパンティなのに…)
少年にとって自分はもうおばさんだと卑下してみても、少年の興味が自分に向けられていることは疑いようも無い事実だ。
以前この少年が、澄江のパンティを澄江のモノだと分った上で盗もうとしたことを、澄江は知っているのだから。
(あぁ、困ったわね…どうしようかしら?…)
あれこれとこの状況の対応を考える澄江。
勿論、スカートの中を覗き見られるなど、女性にとっては辱め以外の何事でもなく屈辱でしかない。
そんなことをされたのなら、腹を立てるのが当然だろう。
少年の行為に腹が立つのなら、一言『スケベ小僧め』とでも怒鳴ってやればいい。
或いはただパンティを覗き見られることが恥ずかしいだけなら、少年に気づかれないようそっと股間を閉じてしまえばいい。
けれど澄江はそのどちらもしなかった。
(あぁ、もう僕ったら…子供の癖に…まだ毛も生えてない子供の癖に、またこんな『悪さ』をするなんて…けど僕ったらあんなに一生懸命…ちょっとパンティが見えたくらいで…もう、仕方の無い子…)
何故なら、澄江の心に羞恥以外の何やら不思議な感情が芽生え始めたてきたからだ。
無論パンティを覗かれて恥しいという思いはあるのだが、それ以上に、一生懸命覗き行為を続ける少年が何やらいじらしく思えてきてしまったのだ。
澄江にそんな不思議な感情を抱かせたのも、きっと友人・詩織のエピソードが澄江に少なからず影響を与えたからだろう。
先の電話で詩織に聞いた話…隣のスケベ坊やに覗かれているのを承知の上で、着替えをしてしまったこと。
最初は腹も立てたが、じきに不思議な気分…やけにドキドキと胸が高鳴り、フラフラと逆上せたような状態になり、終にはブラジャーまでも外してしまったこと。
それだけを聞いたなら、ただ詩織に露出願望があるだけだと聞こえるかもしれない。
実際、澄江もその話を聞いた時、古くからの友人にそんな性癖があったなんてと、少々驚いてしまったのも事実だ。
けれど違うのだ。違ったのだ。
その時、詩織が抱いた感情…きっとそれが、まさに今、目の前で自分の股間を覗き見ている少年に対し感じているこの不思議な感情だったに違いない。
思えば、少年とはいえ異性にこれほど熱い視線を浴びせかけられたのは一体いつ以来のことだろうか?
澄江や詩織、またその共通の友人である冴子は、皆が皆、近所でも評判の美人妻として知られている。
かつては、街など歩けば言い寄る男達をかわすのも面倒だった頃もある。
けれど結婚し、数年が経ち、ここ最近はそんな苦労もすっかり忘れていたような気がする。
自分はまだまだ女なのだ。
それを思い出させてくれた少年達に、彼女らが何か特別な感情を抱いたとしてもなんら不思議なことはないだろう。
(…あんなに必死になって…ふぅ…たかがパンティくらいでね。なんだか、少し可愛そうになってきちゃった……そうか。きっと詩織もこんな気持ちだったのかしらね)
隣のスケベな少年に対しストリップまがいの行為をしてしまった詩織の気持ちが、今なら何となく理解できるような気がした澄江だった。
(やれやれ、こんなことならもう少し坊やが好きそうな可愛らしいを着けて置けば良かった…って、やだ、私ったら。一体何考えてるんだろ?)
そんなことを考えながら、薄目で少年の行為を盗み見る。
そのあまりに真剣な表情に、思わず口元が緩んでしまう。
(ホント、エッチな子ねぇ…まぁ、しょうがない、か。パンティを盗んで『オイタ』するような子だもんね…そんなに見たいの?おばさんのパンティ…もう、仕方ないわねぇ。ちょっとだけ、よ?…)
やれやれと首を竦め、小さな溜息をついた澄江の口元に少々淫靡な微笑が浮かんでいた。

「ねぇ、僕?もう拭き終わったかなぁ、私の足…どう?」
そう言いながら澄江は、少年の手に支えられた右足をさらにクイッと高く上げ、自分の足を覗き込むような仕草をした。
一瞬、宝物を取り上げられた子供のように、少年の目は澄江の右足を追う。
けれどその少し下方…そこに見えたあまりに刺激的な光景に、少年は澄江に聞こえるほど大きな音を立てゴクリと唾を飲み込んだ。
「あ、す、す、す、澄江…す、澄江さん…ゴクリッ!」
当然の結果として、澄江の股間は大きく開かれることになる。
だから、先ほどのようにコッソリ覗き込もうとしなくとも、今や澄江のパンティはハッキリと少年の目に映っているのだ。
口をパクパクとさせながら、目を血走らせながら、少年は、貪欲かつ無遠慮な視線を澄江の股間に突き立てる。
ムッチリトした太腿の付根に食い込むように纏わり付く純白のパンティ。
そこにあしらわれた漆黒のバラは、先ほど暗闇で見えていたときよりも更に黒々と輝きを増したかのようだ。
いや更にジッと目を凝らせば、そのバラの花弁の奥で糸のように細く黒い「何か」が寄り集まり、絡み合ってる様子さえも見て取れる。
(や、や、や、やっぱり、あれ…あ、あ、あれって…す、す、澄江さんの…す、澄江さんの、あ、あ、あ、あそこの…あそこの毛なんだ!)
純白のパンティに透けて見える澄江の陰毛を、ただただ惚けたように見つめ続ける少年だった。

一方澄江は、あまりに思い通りの反応を見せる少年に、思わず吹き出しそうになるのを必死に堪えていた。
(くすっ…もう、僕ったら驚きすぎじゃないの?あらあら、すっかり固まっちゃって。なんだか僕だけ時間が止まってしまったみたい…うふふ…おかしい…)
自分の膝元で、股間を晒したまま身動きもせず、ただ澄江のパンティを凝視する少年。
すでに澄江の足などそこには無いにも関わらず、なお両手を空中に捧げている姿はあまりに滑稽だ。
いや、さらに面白いのは、パンティを覗く少年の目か。
澄江がほんの少し股を開けばそれに応じて少年の目も大きく見開かれるのだ。
そして少し股間を閉じれば目も少し小さくなり、また股間を開けば少年の目も再び大きく見開かれる。
澄江にはそれが愉快でならなかった。
(ふふ…いやだわ僕ったら。ポカンと口を開けちゃって。折角の可愛いお顔が台無し。けど…あぁ…そんなに真剣にパンティなんか覗かれたら…おばさんも変な気持ちになっちゃう…)
少年の不躾な眼差しが、パンティを晒した無防備な股間を舐りまわす。
それはあまりに執拗で、丹念で、まるで少年に愛撫でもされているかのよう。
詩織と電話しているころから少々疼き始めていた女の部分が、その視線を感じるたびにさらにウズウズと疼き、徐々にポーッと火照り出していく。
それは澄江にとって、えも言われぬ、まごうことなき…………快感。
(あぁ…なんてエッチな子なの?…あどけない顔して、そんな可愛らしい目で…いったいおばさんの何処を見ているの?…あぁ、もう、坊やったら…仕方の無い子ね。いけない子ね…)
次第に澄江は、この少年との妖しい時間をある種のプレイとして楽しむようになっていった。
出来ることなら、この恥しい時間がずっと続けばいい。
そんな馬鹿なことを思ってしまうほど、澄江はこの普段では感じ得ない刺激的な状況に酔いしれていた。
そしてその時、それは起きる。
(子供の癖に…皮も剥けていない坊やの癖に…私の…大人の女のパンティを…あぁ、もう坊やったら。そんなに目を皿のようにして見られたら、流石におばさんだって恥しいじゃな…ぃ…って、あっ!)
澄江は少々油断していた。
少年は、すっかり澄江のパンティの虜となり、暫くの間、身動きも出来ずにいる。
だから、無用心にも呆けた少年の表情をマジマジと見つめていたのだ。
そんな時、不意に少年の視線が澄江の顔に移った。
二人の視線が交錯する。
止まった時間の中、しばし見詰め合うフリチン少年とパンチラ人妻だった。