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Scanty Master -seaside memory- |
其の肆 「こ、これ…ま、まなみさんの!」 脱衣所で僕は物凄いものを見つけてしまった。それは、青地に花柄のスリップ・ドレス。間違い無く今日まなみさんが着ていたものだった。きっと、とても慌てていたんだろう。それは、床に無造作に脱ぎ捨てられていた。けど、何よりも僕が驚いたのは、その上に、これまた無造作に置かれた小さな白い布切だった。そう、それは僕が今日リビングで目を皿のようにして覗きみていたまなみさんのパンティだったんだ。 (ま、ま、まなみさんの…あの…あの、白いパンティだ…) 僕の胸が高鳴った。小躍りしたいくらいの心境だ。だって、まなみさんのパンティだよ。しかも、まなみさんがそのパンティを実際に身につけているのを、今日僕はこの目で見てるんだ。あの、眩しいばかりの白いパンチラ。それが今、僕の目の前に落ちているんだ。 (こ、これ…ま、まなみさんの…パ、パンティ…今日…今日はいてた…白いパンティ…さっきまで…つい、さっきまでまなみさんが…まなみさんがはいていたパンティ…) 頭の中に、昼間見たまなみさんの股間が、鮮明に浮び上がる。僕のアソコは一瞬にして硬くなってしまった。このパンティは、まなみさんが脱ぎ捨ててから、まだ洗濯もしていない。きっと、まなみさんの匂いもまだ…そう考えたら、なんか、僕、物凄く興奮しちゃったんだ。僕は、まるで夢遊病者みたいに無意識のうちに、まなみさんのパンティを拾い上げていた。 (まなみさんの…まなみさんの…パンティ…) 小さなその三角形の布には、なんだかまだ、まなみさんのぬくもりが残っているような気がした。僕は、宝物でも扱うかのように両手でそっと、静かにそれを広げてみたんだ。すると、見覚えのある華やかなレース模様が目に入った。まなみさんの股間に見えた、あのレース模様。まなみさんの股間に触れていたあの白いパンティ。 「…まなみ…さ…ん…」 思わず声を出して、まなみさんの名前を呼んでしまった僕だ。僕は、そのまなみさんの分身に頬擦りした。そして、それを顔に押し当て、思いっきり、息を吸い込んだ。 「ふわぁ…うぅ…スゥ…ハァ…う…うぅ…ま、まなみさん!」 香水の匂いなのか、それとも、まだ見たことの無い女性のアノ匂いなのか。確かにそれには、何か甘美な、それでいてどこかいやらしい香りがしたんだ。頭からつま先まで痺れてしまうような、妖しい香りが。 「ま、まなみさん!」 僕にはもう我慢ができなかった。どうせ入浴しに来たんだからと、全ての衣類を脱ぎ捨てて全裸になると、一心不乱にいきり立ったアソコを擦り始めたんだ。左手にまなみさんのパンティを持ったまま。 「ふぅ…うぅぅ…スゥハァ…スゥハァ…まなみさん…まなみさん!」 僕は、既に何も考えられなくなってしまっていた。まなみさんのパンティの匂い。それは僕にとって、まるで麻薬のようなものだったから。だからその時の僕が、周りへの注意をはらうことなんてできるわけが無かったんだ。そして僕は、今日2度目の醜態を晒すことになる。 (ガチャ) 「坊ちゃん、バスタオルをお持ちしました…あら?…」 その時みゆきさんの目には、丸裸になり、右手には自分のアソコを、左手にはまなみさんのパンティを握り締めた、間抜けな僕の姿が映っていたに違いない。 「み、み、み、み、みゆき…さん!」 はたから見れば、滑稽なほど僕は驚き、慌てふためいていたと思う。余りの驚きで思わず10センチ程、飛び上がったほどだ。 「う、うわぁ!」 悲鳴を上げ、僕は股間を両手で覆い隠しながら、ぺたっとその場にしゃがみこんだ。まるで、みゆきさんに土下座でもするかのように。 (こ、こんなところを…こ、こんな恥ずかしいところを、2回も見られちゃうなんて…みゆきさんに、2回もオナニーを見つかっちゃうなんて…なんで?…あぁ…な、情けないよ…ぼ、僕、どうしたら?…い、いくらみゆきさんでも…まなみさんのパンティでオナニーしてるところを見たら…きっと…変体だって思われちゃう…あぁ…ど、どうしよう…みゆきさん…まなみさんに話しちゃうかも…) 余りの情けなさと恥ずかしさで、床につくほど頭を下げた僕の目には涙が浮かんでいた。 「みゆ…き…さん…あ、あの…ぼ、僕…」 何を言おうとしたのか、自分でも良くわからない。でも、何か言わないと、嘘でもいいから、何か弁解しなくちゃって思ったんだ。でも、そんな切羽詰った僕の気持ちをよそに、みゆきさんは…。 「あらあら、坊ちゃんたら、またしてる…クスッ…よっぽどお好きなのね…オナニー。けど駄目ですよ、坊ちゃん。素っ裸でそんなことしてたら、風邪ひきますよ。ほら、早くお風呂に入らなくちゃ…」 みゆきさんの態度は、やっぱり夕方のあの時と変らなかったんだ。 「え?…う、うん…」 「あら?坊ちゃん、涙が…」 「な、何でもないよ…」 「ウフ…可愛い坊ちゃん…怒られると思ったの?大丈夫ですよ、泣かなくっても…言ったでしょ?私は、オナニーなんて気にしないって。例え…」 言いながらみゆきさんは、股間を隠している僕の手を掴むと、おもむろにそこから引き剥がした。射精しそこねた僕のアソコがヒョコッと頭を持ち上げる。そしてみゆきさんは、僕の手から、まなみさんのパンティを取り上げてしまったんだ。 「例え、坊ちゃんがオナニーする時に、こぉ〜んなものを悪戯していたとしても…ね。ウフッ…ウフフフフ…」 みゆきさんは、まなみさんのパンティを片手で摘むと、僕の顔の前でヒラヒラとさせたんだ。まるで犬に餌を与える時のような仕草で。さも愉快そうに含み笑いをしているみゆきさんは、僕を嘲るように見下ろしている。僕は真っ赤になってしまった。オナニーだけならともかく(ってこともないけど)まなみさんのパンティを悪戯していたことさえ知られてしまったのだから。 「そ、それは…ち、違…違うよ…」 「フフ…また、惚けちゃって…いけない坊ちゃんね。嘘なんかつかなくてもいいのに。私、解ってますから」 「え?…な、何?…」 「坊ちゃんくらいの男の子達がぁ…女性の下着にと〜っても興味を持ってるってこと…クスッ…オナニーおぼえたての小さな男の子達は、特にそうなんですよね…ウフ…」 「そ、そんな…ち、小さな…なんて…」 「あら?ごめんなさい、坊ちゃん。別に馬鹿にしたわけじゃないんですよ…実は、弟もそうだったから…」 「え?お、弟さんも?」 「ええ」 みゆきさんは、弟さんがみゆきさんの下着でオナニーをしているところを目撃したことがあるらしい。弟さんはその時、みゆきさんのパンティに射精までしてしまったそうだ。 「ほんと、さすがにその時は頭にきて…弟の部屋に怒鳴り込んでやったんですよ、私。まだ私も若くて…あれは…弟が中学生のときだったから…5年くらい前ですね…」 「そ、それで…ど、どうしたの?」 「怒りましたよ。アンタ私のパンティで何してんの?って…そしたら…クスクス…男の子って、よっぽど怖いんですね、オナニー見つかるのが…弟ったら、もうプルプル震えちゃって…土下座してごめんなさい、ごめんなさいって…それ見てたら、なんか可愛そうになっちゃって、許してあげたんです。罰として、パンティを洗濯させましたけどね…ウフッ…」 弟さんの気持ちは僕には痛いほど良くわかる。今の僕だって同じ心境だもの。その弟さんに感謝しなくちゃ…みゆきさんが男の子のオナニーに寛大なのは彼のおかげなんだから。 「さぁ、坊ちゃん、そろそろお風呂に入らないと…本当に風邪をひいてしまいますよ」 「あ、はい」 「坊ちゃん…」 みゆきさんが小さな声で僕を呼止めた。僕が立ち止まると、みゆきさんは僕の耳元で…。 「先生のパンティ…かたずけておかなくちゃ駄目ですよ…コレ…終ったらね」 そう言って、また自分の股間に手を当て、ゆらゆらと指の輪を動かしたんだ。 「え?…う、うん…」 俯き加減に曖昧な変事をする僕。耳まで紅くなるほど恥ずかしかった。 「フフ…じゃあ、しっかりと温まってくださいね。そうそう…」 「な、何?…」 「坊ちゃんのチンポ、まだ剥けてないから、ちゃんと皮を剥いて洗ってくださいね」 「み、みゆきさんのエッチ!」 「アハッ…アハハハハ…」 気にしてることを指摘されて、僕は逃げるようにお風呂場にかけ込んだんだ。 「アハハッ…可愛い、坊ちゃん」 脱衣所からみゆきさんの、笑い声が聞こえる。 (み、みゆきさんたら…僕は子供扱いして…ひどいよ…) 結局、僕はまたオナニーできなかった。恥ずかしいやら頭にきたやら、色々で、オナニーする気になんかなれなかったんだ。 (でも…みゆきさんたら…チ、チンポ…だなんて…) 簡単にそんな単語を口にするなんて。みゆきさんにはびっくりさせられてばかりだ。 (ふぅ…なんか、身体的も精神的にも疲れたな…今日は早く寝ようっと…) 身体が温まったせいか眠気を覚えた僕は、簡単に身体を流すと、早々にお風呂を出ることにしたんだ。脱衣所に戻ると、アレが僕の目に入った。まなみさんのパンティだ。 (これ…ちょっと借りちゃおうかな?みゆきさんにばれても、怒られる心配はないし…まなみさんも帰りは夕方になるって言ってたし…) 僕は、まなみさんのあの白いパンティをこっそりとズボンのポッケに忍ばせると、脱衣所を後にした。 「あれぇ、坊ちゃん、もう出られたんですか?」 僕を見つけたみゆきさんが、ちょっと驚いたような顔をした。 「う、うん…なんか眠くなっちゃって…」 「そうなんですか…じゃあもうお休みになるんですね?」 「うん…そうする…」 「それでは、おやすみなさい、坊ちゃん」 「うん…おやすみ、みゆきさん…」 (も、持ってきちゃった…まなみさんの…パンティ…) 自分の部屋に戻ると、僕はポッケから魅惑の布を取り出した。いまだ、まなみさんの匂いが生々しく香るようなそれをベッドにそっと広げるようにして置いてみる。 (まなみ…まなみさんの…パンティ…白い…洗濯もしていないパンティ…) 自分もベッドの上に横たわり、まなみさんのパンティを舐めるように観察する僕だ。 (ふはぁ…いい匂いがする…きっと、まなみさんの…アソコの…あぁ…まなみさんの…よし、思いっきり…結局今日は1回もしてないもんな…でも…ちょっと…眠いかな…ん?…あ…あれ?…駄目だ…ね、眠…い…) ベッドに寝転んですぐに、僕は物凄い睡魔に襲われてしまった。きっと、今日ワインを飲んだせいだと思う。カッコつけて、まなみさんに言われるがまま飲んじゃったけど、僕はアルコールは全然苦手なんだ。甘酒でも顔が真っ赤になるくらいなんだもの。それなのにワインを2杯も飲んでしまったから眠くなるのも当たり前だった。結局僕は、闇に吸込まれるようにそのまま眠ってしまったんだ。 (あっ、あつ…暑いよ…) あまりの寝苦しさに僕は目を覚ました。身体を見ると、全身が汗でビッショリと塗れている。寝ぼけた目を擦りながら、僕は時計に目をやった。 (ああ…寝ちゃったのか…時間は…あれ?なんだ…お風呂を出てから1時間も経っていないや…ふぅ…冷房もかけない上に窓も開けなかったからな…そりゃあ暑いよな…) まだはっきりとしてない頭を軽く振りながら、僕は涼もうと思ってベランダに出てみたんだ。潮風が火照った身体に心地よい。なんとなく、清々しい気分になってくる気がした。 (うわぁ、気持ちいい…だからこのベランダは好きなんだ…そうだ…みゆきさんの…) 折角清々しい気分になったのに、夕方みゆきさんの洗濯物が干されていた辺りを見回した僕だ。みゆきさんの部屋には明かりがついていなかった。多分まだ下でテレビでも見ているんだろう。当然、あの真紅のTバックの姿はどこにも見当たらなかった。 (当たり前か…もう夜だもんな…) 駄目なんだ、起きたばかりで頭もまだボーっとしてるっていうのに、やっぱり僕はエッチなことを考えてしまう。我ながら困ったものだと思う。一人首を竦めた僕だ。 (ふぅ…もうすっかり汗がひいたな…さてと、そろそろ部屋に入ろう…あれ?…) 部屋に戻ろうとした丁度そのとき、みゆきさんの部屋に明かりが点されたんだ。 (みゆきさん…もう寝るのかな?…) この時、僕の頭にいけない考えが浮かんだ。きっとみゆきさんは、パジャマか何かに着替えるに違いないって思ったんだ。だから…もしかして、みゆきさんの裸を覗くことができるかもしれないって考えちゃったんだ。 (身体を低くしてれば、外の人からは見られないし…みゆきさんの部屋は僕の部屋と同じ、透明のサッシだから…カーテンさえ開いていれば…でも、駄目だ駄目だ…みゆきさんの着替えを覗くなんて、そんなこと…) 心の中で神様と悪魔が戦っている。目をギュッと瞑り、頭を強く横に振る僕。でもその時僕の脳裏に浮かんだのは、あのオレンジ色のタンクトップを揺らす大きなオッパイと、とても短くカットされたデニムパンツから伸びる悩ましい太腿だった。 (ちょ…ちょっとくらいなら…) いとも簡単に誘惑に負けてしまった僕だった。情けないけど…それぐらい、みゆきさんの身体が魅力的なんだもの仕方ないよ。 (…お、落ち着け…静かに、静かに…) 自分に言い聞かせながら、僕は、恐る恐る忍び足でみゆきさんの部屋の前に近づいていった。この時ほど緊張したことはない。息をひそめ、まるで猫のように、ジリジリ距離を詰めていく、そして、やっとのことで部屋の前に辿り着くと、僕は、はやる気持ちを押さえまず膝をついて身を屈めたんだ。これで、外の人からは僕の姿を見ることはできない。 (よし…だ、大丈夫…す、少しだけだよ…ほ、ホントに…ちょっと…だけなんだ…) そう考えながらも実はこの時、僕はカーテンが少しでも開いていることを、神様に祈っていた。 (お、お願い…カーテン…ちょ、ちょっとだけでいいから…開いてて…) 細心の注意をはらい、いよいよ僕は、みゆきさんの部屋を覗きこんだんだ。 (や、やった!…見、見える…見えるぞ!…) 僕の願いが届いたのか、カーテンはしっかりと閉められていなかった。約20センチほどの隙間が僕に部屋の中を覗かせてくれている。思わずギュッと右の拳を握り締め、ガッツポーズをした僕だ。 (み、みゆき…さん…お、お風呂に入ってたのか…で、でも…ス、スゴイ…) 僕の目には、頭にタオルを巻いたみゆきさんの姿がしっかりと映っていた。みゆきさんはベットの淵に腰掛け、美しい脚をくみながら、雑誌をパラパラと捲っていたんだ。でも、何よりも僕が驚いたのは、みゆきさんの姿だった。みゆきさんは、身体にバスタオルを巻いているだけだったんだ。 (ス、スゴイ…こ、こんな格好の女性なんて、温泉番組でしか見たことないや…でも…でもまてよ…もしかして、みゆきさん…こ、このままで…) きっと、みゆきさんのことだ。この姿のままで、僕の目なんか全然気にすることも無く、家の中を歩き回っていたに違いない。そう思うと僕はちょっとだけ悔しくなった。 (いいさ、子供扱いしていれば…その方が僕だって、覗き易くなるってものさ…) 負け惜しみ以外の何物でもなかったけど、覗きやすくなるっていうのは本当だった。実際あのまなみさんだって、股間に隙をつくって僕にパンチラを見せてくれたんだから。 (早く…早く…みゆきさん着替えないかな?…あのバスタオルをはずして…うぅ…考えただけで興奮しちゃうよ…) まだ裸を見たわけでもないのに、僕のアソコは徐々に体積を増しつつあった。きっと、覗きなんていう、いけないことをしてる後ろめたさや緊張感が、僕の興奮に拍車をかけていたんだ。タオル姿のみゆきさんを覗く僕の手に、じっとりと汗が滲んでくる。喉も乾いてきたみたいだ。 (みゆきさんの…早く…オッパイ…見たいよぉ…ア、アソコだって見えるかも…みゆきさん…早くぅ…あ!…みゆきさん…いよいよだ…) 何分ぐらい経ったのか、やっとみゆきさんが雑誌を読むのを止めたんだ。そして、スッと立ち上がると、チェストの前に歩いていった。 (…ゴクッ…) 僕の緊張が高まった。みゆきさんはと言えば、チェストの前で少しの間考え込むような仕草をすると、引出しを開けてある物を取り出したんだ。 (あ!あれは!) みゆきさんに取り出された、それの色は赤。綺麗に折りたたまれたそれは、ちょっと見ればまるでハンカチか何かのようだった。でも、僕はそれを見たことがある。いや、触れたことさえあるんだ。それは間違い無く、夕方このベランダに干されていた、あのTバックのパンティだったんだ。 (み、みゆきさん…あ、アレをはくの?…あ、あんなTバックのパンティを…み、見たい…みゆきさんの紅いTバック姿…見てみたいよぉ…) みゆきさんはTバックの両端を持って広げると、バスタオル姿のまま身を屈めていった。そして、すっと右脚を上げていく。今まさに、みゆきさんはあのエッチな紅いTバックのパンティをはこうとしていた。けど、残念なことに、みゆきさんは僕の方に背を向けているんだ。 (そ、そんなぁ…み、みゆきさん、お願い…こっち…こっちを向いて!) 心の中で僕は叫び声を上げていた。だって、みゆきさんはバスタオル姿なんだよ。今、この時点では、間違い無くバスタオルの下はオールヌードなんだ。そのみゆきさんが、身を屈めて片脚を上げている。正面から見れば、もしかしたら、まだ一度も見たことの無い女性のアノ部分が見えるかもしれないんだ。僕は、少しでもみゆきさんを正面に近い角度から見ることができるようにと、できる限りサッシに近づいた。でも駄目だ。全くといっていいほど、僕の視界は変っていない。 (ちくしょう…ちくしょう…このぉ…み、みゆきさんのアソコ…アソコ見たいよぉ!) それでも諦めきれない僕は、まるで身悶えするようにガラスにへばり付き、上下左右と目線の位置を変えてみる。 (見えない…見えないよぉ…お願い、お願い、みゆきさん…少しだけ…少しだけでいい から…こっちを振り返って…お願い…お願いしますぅ!…) なんとかみゆきさんの裸を見ようと、僕は必死になってガラスに顔を摩り付けた。喉から手が出るほどっていうと、例えが違うかもしれないけど、それぐらい、本当にそれぐらい僕はみゆきさんの身体を見たかったんだ。少しでもみゆきさんに近づこうと、僕は、更にガラスに身を乗り出した。その時…。 (ガラガラガラッ!) しまった、と思ったときにはもう遅かった。当然、閉まっているだろうと思い込んでいたサッシに、鍵がかけられていなかったんだ。身を乗り出して、ガラスに手をついた瞬間、それは音を立てながら開いてしまった。更にまずいことに、僕はバランスを崩し、ベランダの床に倒れこんでしまったんだ。 「誰!」 部屋の中から、みゆきさんの大声が聞こえてくる。当たり前だ、着替えの最中にいきなり窓が空けられたんだから。 「誰!誰かいるの?!」 「…うぅ…」 情けないことに、僕は余りの非常事態に動転し、ベランダに転んだまま身動きができなくなっていた。文字通りの腰抜け状態だ。四つん這いの姿勢のまま僕は、部屋の中から徐々に近づいてくる足音を成す術も無く、ただ呆然と聞いていたんだ。まるで死刑囚にでもなった心境だった。こんなに、恐怖を感じたことは無い。心臓がバクバクとする。冷や汗が頬を伝う。そして、膨らみかけた僕のアソコが急速に縮んでいった。やがてその足音は止まった。そして一呼吸置いて(シャッ)っと勢い良く音を立てながらカーテンが開かれたんだ。絶望感に、僕は目の前が真っ暗になった。 続 |
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