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セイヨウオダマキ

セイヨウオダマキ
品種:‘Nora Barlow


キンポウゲ科オダマキ属(アクイレギア属)
学名Aquilegia vulgaris L.

英名

columbine, common columbine, European columbine, garden columbine, European crowfoot, garden crowfoot, granny's bonnets

和名セイヨウオダマキ(西洋苧環)
別名アメリカオダマキ
花言葉オダマキ属の解説を参照
メモ

 オダマキ属の解説は、こちらをご覧下さい。
 セイヨウオダマキを交配親とする交雑種も、セイヨウオダマキと称することがあります(→交雑種)。
 英名の「crowfoot」は、一般にラナンキュラス属植物のことを表すようで、セイヨウオダマキを表す場合は、「European」や「garden」の後に続ける必要があるようです。
 別名は、「原色園芸植物大圖鑑」によります。
 中央・南ヨーロッパ、北アフリカに自生しているそうです。シベリアも原産地の一つとされていることがあります。また、北アメリカにも分布しているそうです。日本には、1868年(明治元年)頃に渡来したそうです。

 耐寒性がある多年草で、開花期は春〜夏です。根出葉は、3出複葉を2回繰り返しています。花は、咲き始めは下向きです。花色は、原種は青〜紫ですが、種間交雑の結果、桃、赤、白等の園芸品種も育成されています。一重咲きの他、八重咲きのものもあります。距は短く、鉤状に曲がっていて、先が細くなりますが、先端が少し膨れます。また、距が無いことがあります。
 他のオダマキ属植物と同じく、他種と種間交雑しやすいそうで、距が曲がる雑種は、セイヨウオダマキの形態が遺伝していることがあるそうです。
 品種として、‘Gisela Powell’、‘Tom Fairhurst’、‘Red Star’、‘Adelaide Addition’、‘Matthew Strominger’、‘Magpie’等があります。写真の‘Nora Barlow’は八重咲きで、距がありません。セイヨウオダマキの見本としては、良くないかもしれません。

 栽培の概要は、オダマキ属の解説を参照して下さい。暑さと乾燥に弱いそうです。

 スペイン北部で採取して種子繁殖させたセイヨウオダマキについて、7〜10枚の葉が着いている株に5℃の低温処理を一定の期間行ったところ(低温処理後は、夜温15℃の温室内で栽培)、5週間の低温処理では開花しなかったそうです(確認していないようですが、花芽は分化していたかもしれないと推察されています。花芽分化の有無を確認するのは大切なことで、推察だけでそう言われても、今ひとつ・・・、という気分です)。7週間以上の低温処理を行った場合には開花し、低温処理期間が長いほど(最長で14週間)開花率が高くなったそうです。また、低温処理期間が長いほど、芽の発達が早く、茎の長さが長く、芽(花芽か、腋芽か不明)の数が多かったそうです。逆に、根茎の乾物重は、低温処理期間が長いほど軽くなったそうですが、これについては、急速な伸長成長のためと推察されています(消耗したと言うことかもしれません)。

 民間薬としての利用があるそうで、開花期間中に収穫した茎付きの葉っぱを煎じた物は、肝臓や胆管の疾病に対して利用されたり、黄疸と慢性の皮膚の炎症の治療に用いられるそうです。また、鎮静の効果があるとも言われています。
 茎付きの葉から抽出した物質の抗菌活性について調べたところ、エタノールで抽出した場合に、特に活性が認められ、調査したいくつかの菌種の中では、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staph. epidermidis)、Aspergillus miger に対して、とりわけ高い抑制効果があったそうです。ただし、エタノール以外の溶媒で抽出した場合は効果が劣ったり、効果があまり認められない菌種もあったそうです。なお、セイヨウオダマキから単離されている抗菌効果がある物質は isocytisoside(イソシチソサイド?)だそうです。


本棚以外の参考文献
  • Brako, L., et al. Scientific and Common Names of 7,000 Vascular Plants in the United States. APS Press. 1995.

  • 本田正次ら監修.原色園芸植物大圖鑑.北隆館.1984年.

  • Masvidal, L. Development of new pot-plants from wild species of Aquilegia. Acta Horticulturae. 337: 131-138. 1993.

  • Bylka, W., et al. Antimicrobial activity of isocytisoside and extracts of Aquilegia vulgaris L. Letters in Applied Microbiology. 39: 93-97. 2004.

コメント

 播種は2002年10月上旬、発芽は同年11月上旬、最初の開花は今年の4月中旬です。無加温の温室内で栽培しています。
 播いた時期が秋だったせいか、播種の翌年には開花せず、今年になって初めて咲きました。タネ播きから1年以上かけて育てていると、ちゃんと咲いてくれるか心配で、咲くまでが待ち遠しくて、咲いた時は感激しました(^^)
 咲き始めは下向きに咲いていたのが、だんだんと上を向いていきました(分かり難いかもしれませんが、中央の花の左の花とか、写真の右下の花が、開花して間もなく下向きです)。写真は、その途中で撮影したものです。(2004.7.10.)

もう一言(2005.5.7.)
 無加温の温室で栽培していますが、今年は、5月初めに最初の花が咲きました(^^)

 
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