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レウカンテムム・パルドスム

レウカンテムム・パルドスム
品種:‘スノーランド(Snowland)’


キク科レウカンテムム属
学名正名:Leucanthemum paludosum (Poir.) Bonnet et Barratte
異名:Chrysanthemum paludosum Poir.
英名Mini Margueritte, Snow Daisy,
和名 
別名 
花言葉愛情
メモ

 レウカンテムム属の解説は、こちらをご覧下さい。
 原産はスペイン、ポルトガル、バレアレス諸島で、日本には1970年代頃に導入されたそうです。

 流通上はクリサンセマム(Chrysanthemum)だそうですが、レウカンテムム属の説明の通り、このサイトでは Leucanthemumを正名としました。なお、「園芸植物大事典」の他、「Flower Oasis」(36巻)や「花色図鑑」のような最近の図鑑では、ChrysanthemumLeucanthemum が併記されています。
 英名は、Plants Database に依ります。「花卉園芸の事典」によると「swamp chrysanthemum(沼地のキク)」と言うものもあるようですが、海外の資料でそのようにしているものは見つかりませんでした。
 主な品種として、写真の‘スノーランド’の他、‘ノースポール(North Pole)’があります。「Flower Oasis」によると、‘ノースポール’と‘スノーランド’の違いは、前者より後者の方が花が大きいそうです。

 半耐寒性の一年草です。発芽適温は15〜20℃で、春や秋に種子を播くことが出来ますが、一般には秋播きします。「農業技術大系・花卉編」によると、早播きして大株になったものは耐寒性がやや劣るとのことです。この他、栽培に関することは、レウカンテムム属のページをご覧下さい。

 キク科植物の耐塩性を調べるために、研究材料の一つとして使われたことがあるようです。この研究では、キク科の花卉植物には、発芽する時とその後の初期栄養成長段階で、塩ストレスに対する感受性が異なる種が存在する事が明らかにされています。例えば、ベニバナは、他の植物の発芽が阻害されたような高い塩濃度でも発芽する事が出来たそうですが、その後の成長は塩ストレスに弱いことが示されたそうです。また、塩生植物であるウラギクは、発芽の耐塩性は中程度だったそうですが、初期成長段階での耐塩性は強く、特に根の吸水機能は、他の植物では障害が生じたような高い塩濃度下でも維持されたそうです。レウカンテムム・パルドスム(オリジナルの文献の中では、クリサンセマム・パルドーサム)の‘ノースポール’の場合、発芽に関しては耐塩性が弱いとされたものの、初期成長に関してはベニバナより強い耐塩性を示したとのことです。また、この実験に関しては、適合溶質(浸透圧の調節に関わる物質)についても調べられていますが、このページでの内容紹介は省略、参考文献として挙げるのみとさせていただきます。


本棚以外の参考文献
  • 花色図鑑.講談社.2003年

  • 阿部定夫ら編集.花卉園芸の事典.朝倉書店.1986年.(鶴島久男.クリサンセマム・パルドーサム:112〜113ページ)

  • 塚本洋太郎監修.原色・花卉園芸大事典.養賢堂.1984年.(クリサンセマム・パルドーサム:451ページ)

  • 松村智広ら.NaCl ストレス下におけるキク科花き植物の種子発芽および初期生育.園芸学会雑誌.第67巻.626〜631ページ.1998年.

  • 松村智広ら.NaCl ストレス下におけるベニバナ、クリサンセマム・パルドーサム、ウラギクのイオン吸収、適合溶質の蓄積および浸透ポテンシャル.園芸学会雑誌.第67巻.426〜431ページ.1998年.

コメント

 播種は2002年10月上旬、発芽はその1週間後、最初の開花は今年の1月末です。無加温の温室内で育てています。例によって、品種名に惹かれてタネを買っちゃいました(笑)。調べてみたら、英名にも Snow Daisy というものがあるようです(^^)
 このページを作るまで、‘ノースポール’が英名だと思っていました。今年の2月22日から3月7日にかけて花リレーのページでこの花の写真を掲載した際、「ノースポール‘スノーランド(Snowland)’」と紹介していましたが、これは誤りでした。謹んでお詫びします。(2003.4.21.)

 
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