このページ内の文章・画像の転載を禁止します


インパチェンス[アフリカホウセンカ]

インパチェンス[アフリカホウセンカ]インパチェンス[アフリカホウセンカ]
品種:‘スターダスト・ラズベリー’
(‘Stardust Raspberry’)
葉。品種は不明。


ツリフネソウ科インパチェンス属(ツリフネソウ属)
学名正名:Impatiens walleriana Hook. f.
異名:I. sultani Hook. f.I. holstii Engl. et Warb.I. petersiana Gilg. ex Grignan.
英名Busy Lizzie, Patience Plant, Sultana, Sultan's Flower
和名インパチェンス、アフリカホウセンカ(アフリカ鳳仙花)
別名 
花言葉 
メモ

 インパチェンス属の説明は、こちらをご覧下さい。
 インパチェンス属のページでも解説した通り、インパチェンスと言ったら、一般には、このページで紹介しているアフリカホウセンカ(ウォレリアナ[ワレリアナ]種)のことを指します。
 「農業技術大系」や「花卉園芸の事典」によると、南アフリカのサンジバル島原産のI. sultani(サルタニー)とアフリカ東部の山地が原産の I. holstii(ホルステイ)を交雑させて出来た種とのことですが、「園芸植物大事典」や「The New RHS Dictionary of Gardening」によると、I. holstiiI. sultaniは、I. walleriana の異名とされています。なお、「The New RHS Dictionary of Gardening」によると、I. walleriana は、タンザニアからモザンビークにかけて分布しているそうです。参考までに、I. sultani の種小名は、ザンジバルのスルタン(イスラム圏の特定地域の支配者、あるいは自立君主)であった、John Kirk が発見したことに因むそうです。図鑑によっては「sultanii」となっていることがありますが、このページでは「The New RHS Dictionary of Gardening」に従いました。

 非耐寒性の宿根草で、もともとは多年草ですが、日本では春播きの一年草として扱います。種子は好光性なので、播種するときの覆土は薄くするか、覆土しなくても良いそうです。発芽適温は20℃だと言われています。栽培適温は15〜25℃、最低でも10℃で、半日陰を好み、土は有機質に富み、保水性の良い物が向いています。高温と乾燥によって、花付きが悪くなるそうです。繁殖は、挿し芽、あるいは、種子によります。
 品種は、種子が出来ないので挿し芽で増やす栄養系と、種子で増やす種子系に大別され、種子系には、固定品種と一代交配(F1)品種があるそうです。F1品種は、1964年にオランダで初めて作られたそうですが、現在のインパチェンスの育成はF1品種がほとんどだそうです。

 生産から流通までの光環境が、アフリカホウセンカの品質に及ぼす影響について検討した実験があります。この実験によると、生産段階において、8〜9月の昼の晴天時の光強度が5000〜6000W・m-2になるような栽培条件下で、遮光しないで栽培すると、葉が黄変して巻上がり、蕾の付きが悪く、品質が劣ったそうです。それに対して、遮光(60%、80%等)して栽培すると、品質は優れていたそうです。このように育てた後、流通環境を想定して、5.50W・m-2、あるいは、0.55W・m-2の光条件下に移すと、特に、0.55W・m-2の弱い光で蕾の落下(落蕾)が多く、茎が徒長して、品質保持期間が短かったそうです。しかし、エチレンの作用を阻害するSTSsilver thiosulfate complex;チオ硫酸銀錯塩[チオスルファト銀錯塩])を弱い光環境条件に移す前に散布すると、落蕾を防ぐことが出来たそうです。これについては、弱い光によるストレスが植物体内でエチレンを生じさせ、その内生エチレンによって離層形成が促進されるのを、STSがエチレンの作用を阻害することで抑制したためではないかと推察されています。STSは 0.001mM のごく薄い濃度でも落蕾を防ぐ効果があったそうですが、0.5mM以上の濃度では花弁に黒斑が生じ、品質が劣ったそうです。効果のある濃度については、ニューギニア・インパチェンスとは異なる結果になっていて、インパチェンスの方が低濃度のSTSでも効果があるように思えましたが、植物がおかれた環境条件が影響しているのかな?と思いました。

追記(2007.2.27)
 花の写真のサイズを変えて、葉の写真を追加しました。


本棚以外の参考文献
  • 西村元男.インパチェンス.農業技術大系・花卉編8/1・2年草:3〜20ページ.?年.

  • 阿部定夫ら編集.花卉園芸の事典.朝倉書店.1986年.

  • 土井元章ら.アフリカホウセンカの流通段階における品質保持に及ぼすSTS処理および光環境の影響.園芸学会雑誌.第61巻第3号:643〜649ページ.1992年.

コメント

 播種は2002年4月下旬、発芽はそのおよそ3週間後、最初の開花は同年9月上旬です。例によって(?)、昨年の春にタネを播いた植物は、密植したせいで生育が悪く、インパチェンスも御多分に洩れず、でした(^^;。写真映りが悪かったなぁ、と言う印象が残っています(^^;(2003.2.8.)

 
HOME   植物名一覧

このページ内の文章・画像の転載を禁止します