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ミヤマヨメナ属


このサイトで紹介している種

ミヤコワスレ      
ミヤコワスレ
savatieri
     

キク科Compositae, Asteraceae
学名正名:Miyamayomena Kitamura、異名:Gymnaster Kitamura
和名ミヤマヨメナ属
英名 
原産地東アジア(日本、朝鮮、中国)
種数3種、あるいは、6種(資料によって異なります)
属名の性別Miyamayomena:?、Gymnaster:男性

属名の由来

 Miyamayomenaは和名に因み、ヨメナ(嫁菜;Aster yomena)に似て、山地に自生していることから。
 異名の Gymnaster(ギムナスター、ジムナスター)はギリシャ語の「gymnou(裸の)+Aster(アスター属、シオン属)」で、アスター属に似ていて、冠毛がないことに由来する。

メモ

属について
 「園芸植物大事典・コンパクト版」によると、命名上の先取権を持つ分類群があることから Gymnaster から Miyamayomena に変更されたそうですが、先取権を持つ分類群が具体的に何のことなのか分かりませんでした。ミヤマヨメナ属という和名が付いているものとは別の Gymnaster属があると言うことでしょうか?
 果実に冠毛がないことから、Aster属(アスター属、シオン属)から独立したそうです。しかし、cpDNAchloroplast DNA;葉緑体DNA)の多型を調べた最近の研究により、同じミヤマヨメナ属に分類されているミヤマヨメナとチョウセンヨメナは遠縁で(チョウセンヨメナはダルマギク[Aster spathulifolius]に近かったそうです)、一つのクレード(clade;共通の祖先から進化した生物のグループ)としてまとまることがなかったそうです。このことから、この2種は、それぞれ独自の進化を辿って冠毛が無くなったことが推察されています。


形態・生態・栽培など
 形態についてはアスター属を参考にして下さい。ミヤマヨメナ属の特徴としては、上記の通り、果実に冠毛がないことが挙げられます。生態、栽培については、ミヤコワスレのページをご覧下さい。


種類など
 種数は上記の通りで、3種としているのは「最新園芸大辞典」、「世界有用植物事典」、「園芸植物大事典」などの和製の図鑑で、6種としているのは「The Plant-Book」です。ただし、「The Plant-book」には、具体的な種名は記載されていませんでした。

・チョウセンヨメナ(朝鮮嫁菜;M. Koraiensis (Nakai) Kitamura
M. piccolii
ミヤマヨメナ(ミヤコワスレ、M. savatieri (Makino) KitamuraAster savatieri Makino の異名)
  シンジュギク(ssp. pygmaea (Makino) Kitamura)(※1

※1:「世界の植物」、「最新園芸大辞典」、「世界有用植物事典」、「日本の野生植物」に従い、ミヤマヨメナの亜種(subspecies)としましたが、「園芸植物大事典」では、種(M. pygmaea)として扱われています。また、和名について、「最新園芸大辞典」と「園芸植物大事典」ではシンジュギク、「世界の植物」と「世界有用植物事典」ではシュンジュギク(春寿菊)とされています。


本棚以外の参考文献
  • 北村四郎.ミヤコワスレ.世界の植物.65〜66ページ.朝日新聞社.1975年.

  • Ito, M. et al., Phylogenetic relationships of Japanese Aster (Asteraceae, Astereae) sensu lato based on chloroplast-DNA restriction site mutation. Journal of Plant Research. 111: 217-223. 1998.

  • 佐竹義輔ら編.日本の野生植物.草本III 合弁花類.平凡社.1981年.

(2003.12.21.)
 
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