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Yonemochi Tack 's Moonlight
「研究室1」 作:Yonemochi Tack


研究室に入ると、秘書の川原さんがコピーを取っているところだった。白のブラウスに、短めの黒いタイトスカート。大学の研究室で働く秘書に相応しい極めて地味な格好だが、そんな地味な服装が、かえって彼女を引き立たせてしまう。スカートの下からは、細く引き締まった長い足が伸び、上は、体にぴったりとフィットしたややサイズが小さめのブラウスの・・・。そのブラウスの胸のあたりが、細身の彼女には不釣り合いなほど大きく張り出している。屈み気味になりながらコピーを取っている彼女が少しからだを動かす度に、その大きなバストは柔らかそうに揺れた。
思わず目が釘付けになっていると、彼女が気づいて振り向いた。肩より幾分下までのびた栗色の髪が揺れる。
「あら、おはよう、青山君」
やや長身の川原さんは、背の低い僕を少し見おろしながら、少し細面で色白のその整った顔を優しく微笑ませ、話しかけてきた。僕は、ちょっとどぎまぎしながら、あわてて返事をする。
「今日も早いのね。青山君、まだ学部の1年生だっていうのにずいぶん熱心ね。将来が楽しみだわ」
まだ、専攻も正式には決定していない。確かに、同学年の友達には、これほど頻繁にどこかの研究室に顔を出す者はいない。
実を言うと、僕も、研究室にある専門の図書室に用事がある振りをしているが、本当は、川原さんに会いたくて来ているのだった。
大学に入る前からこの専攻に興味があったのは事実だ。大学に入学し、他の友達がサークルだ何だとさわいでいる中、すぐ、目当ての研究室を訪問した。その際、はじめて彼女に出会った。秘書の彼女は、ただお茶を出してくれただけで、詳しい説明は、大柄でたくましい体つきをした院生の人がしてくれた。熱心に説明してくれた院生の話も、もちろんちゃんと聞いてはいたが、ちらちらと彼女の方を盗み見せずにはいられなかった。その日、彼女は、乳白色をした春物の薄手のセーターと深緑のタイトなパンツルックという格好だった。スマートなスタイルの中、セーターの胸のあたりだけが少し異常なほど大きくふくらんでおり、その下にあるであろう豊かな胸を想像させた。そんなセーターの盛り上がりに思わず目が行ってしまいそうになり、あわてて目をあらぬ方向にそらしたものだった。
川原さんは、コピーの仕事をしつつも、話し続けた。
「でも、青山君は、他の子達みたいに自由な時間を使って、そう、青春を楽しもうだなんて思わないの?」
「ぼ、僕は、その、勉強したくて大学に入ったので・・・」
「ふふ。今時めずらしいのね。でも、本当はそうあるべきなのよね。親のお金で大学に通わせてもらいながら、遊びかバイトに時間を費やすなんて、なんか変よね。私も、正直言えば、青山君みたいな学生の方が好きよ」
思わず顔が赤くなってしまったのが、自分でもわかった。
僕が曖昧な返事をすると、「まあ、でも、息抜きも必要かな。勉強や研究だけっていう人たちもいるけど、それはそれで、ちょっと人生経験が足りない気もするかな」そう、意味ありげな微笑みをしながら、彼女は答えた。
一応、研究室の図書室に用事があるという体裁であり、また、実際、以前、院生に勧められた入門書的な洋書を探そうとも思っていたので、川原さんとはそこで別れ、図書室の部屋へと向かった。

目当ての本はすぐ見つかった。しかし、さっき彼女が言った「人生経験」という言葉とあの微笑みの意味が気になり、とても集中することはできなかった。恥ずかしながら、僕は、まだ女性経験がなかった。できれば、はじめての時は、川原さんのような人と。そういう思いは、実を言うと、彼女と初めて会ったときから密かに抱いていた。しかし、一方、華奢で、年よりはるかに幼く見える童顔の自分が、親しくしてもらえつつも、そういう対象には見てもらえないだろうということも痛感していた。
それがわかりながら、夜には、その日の彼女の姿を思い浮かべながら、自分を慰めた。しかし、また、そうして自分のものに手をやっているとき、別なコンプレックスを感ぜずにはいられなかった。正直言って、男性自身には、全く自身がなかった。
実は、高校時代、僕が密かに抱き続けてきた悩みでもあった。高校一年の頃、数年ぶりに温泉に行ったときのショックは今でも忘れられない。それまで、ペニスの形や大きさなど、深く考えたことは全くなかったのだが、脱衣所や浴室で他の人たちのものと自分のものを見比べたとき、現実と直面せずにはいられなかった。他の入浴客達のものも、人それぞれだったが、いずれにしても僕のものとは比較にならないほど「大人」を感じさせた。そして、僕のはと言えば、ぽわぽわと少し毛が生えてはいるものの、大きなお風呂に興奮して走り回っている小学生達のものと全く同じだった。それどころか、高学年と思われる小学生の中には、すでに、僕のよりはるかに大きく成長している子も、少なくなかった。家に帰った後、自分の部屋で、夜、ペニスに定規を当てたが、どんなにひいき目に図っても、そのサイズは、後日、雑誌で「日本人の平均」とされていたものに遠く及ばなかった。その時は、それでも、いつか自分も成長するときが来るだろうと思うことにしたが、今に至るまで、その大きさはほとんど変わらない。
一昨年秋の修学旅行でも、入浴の時には、ずっと股間をタオルで隠しつづけた。同い年の友達は、皆たくましく成長しており、どう見ても、自分のものが群を抜いて一番幼かった。実をいえば、高校生活の間、女性経験のチャンスがなかったわけではなかったのだが、今一歩というところで僕の方から引いてしまった。同じ年頃の女の子に、自分の幼いものを見せる勇気がなかったのだ。
そのせいか、自慰行為をするときは、いつも、その小振りな自分のものを川原さんに優しくいたぶられるところを想像していた。
そんなことを考えていると、不謹慎にも股間に血が集まるのを感じた。図書室にはまだだれもいなかったので、問題はないはずなのに、思わずあわててしまう。
前にさりげなく先輩に聞いたところによると、川原さんは20代の後半だという。僕は、今、18なので、少なくとも7才は上というわけだ。向こうから見れば、まだ、僕は子供みたいなものだろう。でも、かえって優しく受けとめてもらえるのではないだろうか、そんな都合の良いことを考えてしまう。
突然後ろでドアを開ける音がした。誰かが入ってきたのだ。しかし、そのほのかに匂う香水の香で、すぐに川原さんだとわかった。川原さんは、僕の後ろに回り、読んでいる本をのぞき見しているようだった。が、あたかも本に集中しているかのように、僕は、あえて後ろを振り向かなかった。
「熱心ね。この本は何?」
「あ、この間、藤沢さんが奨めて下さったやつです」
「どう、大丈夫?わかりそう?」
本にはほとんど集中していなかったので、一瞬息が詰まったが、すぐ「何とかなりそうです」と答えておいた。読みやすい平易な英文であることは確かだった。
すると、「そう、ちょっといいかしら」と言い、川原さんは、本をのぞき込むように、僕の右側でかがんだ。ちょうど僕の顔のすぐ横に、ブラウスの胸の盛り上がりが近づく。心臓が激しく鼓動したが、川原さんが本のほうを見ているのを良いことに、間近に迫った彼女の大きなバストに目を移した。白いブラウスの下に、うっすらと、青系の色をしたブラジャーが見えた。
「ところで、青山君」、言うなり彼女は、僕の方へと、体を向けようとした。しかし、いきなりだったので、前の方に張り出した彼女の豊かな胸が、僕の顔に当たってしまった。
「あ、ご、ごめんね、だいじょうぶ?」
「いや、あの、その、こっちこそ、その」
僕は、どうしようもないほど赤面してしまった。見とれている間、僕の顔は少しずつ、川原さんの方へと近づいていたのだろう、彼女の胸の、一番前に出っ張ったところが、ちょうど、僕の右頬のあたりに直撃したのだった。ぶつかった頬には、まだ、思っていたよりはるかに柔らかかったその感触が残っている。
「痛くなかった?」
「いや、だ、大丈夫です」
川原さんも、僕の赤面に気がついているはずなのに、何も言わなかった。
「あ、そうそう、それで、青山君、お昼ご飯は、何か予定ある?」
「いえ、な、なにも」
「そう、それなら、一緒にどう。学内レストランで良ければ、おごるよ。まだちょっと早いけど、誰も来そうにないし、来たとしても、どうせ藤沢君達でしょう。彼ら、研究室の鍵持ってるから、研究室、閉めても問題ないでしょ。唯一の問題の君は、ここにいるわけだしね。どう?」
「あ、はい、ぜひ」
突然、やってきた話に、僕の動悸はなおさら激しくなった。

席に着くと、二人とも、とりあえずメニューを見た。と言っても、学内レストランなので、たいして種類があるわけではない。すぐ、当たり障りのない「定食A」というのに決めた。
だが、僕は、まだ迷ってる振りをしながら、ちらちらと川原さんの方を見た。彼女は、以外に優柔不断なのだろうか、両肘をテーブルにつきながら、まだメニューを見ている。しかし、僕の視線を釘付けにしているのは、そのメニューの下から見えるものだった。二つの柔らかそうだがいかにも重そうな豊かな胸の大きな膨らみがちょうどテーブルの上に乗っているのだ。バストの大きな人は、肩こりに悩むという話をよく聞くが、川原さんも、無意識のうち、不釣り合いに大きくなりすぎてしまった膨らみの重量から逃れるため、そんな楽な姿勢になっているのだろうか。
彼女の胸が、「寄せて上げるブラ」なんかで無理矢理作ったロボチックな「巨乳」じゃないことは、前から知っていた。彼女は、全体的に細身なのに、その部分だけ、不自然なほど豊かに柔らかく実っている。彼女は、ただ、そのたわわな膨らみを無造作に、薄手の、おそらくレース地かなんかのブラジャーで包んでいるだけのようだった。彼女が少しでも体を動かすと、その度、大きな胸は柔らかそうに揺れる。前に、彼女が廊下の向こう側から歩いてくるところに出くわしたが、ただ歩いてるだけなのに、たわわな膨らみは、ゆっさゆっさと言わんばかりに上下に揺れていた。その豊かな胸を見ていると、右頬にさっきの感触がよみがえってくる。
−ああ、一度でいいから、あの柔らかい膨らみの間に顔を埋めてみたい!
テーブルの下では、僕の幼いままのそれに体中の血液が集まろうとしていた。その小さな突起部分が限界までぱんぱんに腫れあがっているのを感じる。川原さんの、あの大きくて柔らかそうなバストの間に僕のペニスを埋めたいとも思ったが、川原さんの大きな胸に、僕のものでは短すぎて不釣り合いかもしれない。でも、そんな妄想をせずにいられなかった。
そんなことを考えながら、ぼおっとしていると、突然、彼女はメニューを閉じ僕の方を見た。思わず目があってしまった。
−視線がばれたか!?
どきどきしていると、彼女は軽く微笑んだ。
「青山君は、もう決まった?」
「あ、は、はい!」
不自然に声が大きくなってしまった。自分の声に驚き、また、顔が真っ赤になってしまう。
そんな僕の不自然な振る舞いに気がつかないのか、川原さんは、「じゃあ、もう、注文していいね」というと、給仕さんの方に声を向き、声をかけた。

「青山君は、サークルとかはやってないの?」
「いえ、今の所は。あ、でも、僕も、全く遊んでないわけではないですよ。大きな声では言えないけど、友達と一緒に酒飲んだりとか。がっかりしました?」
「まさか、そんなの当たり前でしょう。その方が健全でしょ。でも、友達って、男の子?女の子?」
「そ、そうですね。少人数で飲むときは男同士のことが多いですね」
「男同士で、かわいい女の子の話とかしないの?それとも、堅い話ばっかり?」
「いや、それは、酒の席ですし、女の人の話とかよくしますよ。僕も。誰が、かわいいとか」
「ふふ。青山君も、男の子ね」
「酔っぱらって調子に乗ったときなんかは、ちょっと他では言えない話題だとかも」
川原さんの気さくな性格に、だんだんと僕も話に調子が乗ってきた。

「他では言えない話題って、やっぱり、エッチ系の話?」
川原さんは、くすくす笑いながら聞いた。
「そ、そうですね。そういうのも」
どきどきしながら肯定した。
「ふふ。そういうのも大切なことよ。朝も言ったけど、ちゃんと人生経験を積むことも大事なんだから」
川原さんは、また、朝にも見せた、あの含みのある微笑み方をした。
「勉強のことは、藤沢君あたりに聞けばいいだろうけど、他、大学生活のこととか、何かあれば、私にも遠慮なく聞いてね。相談に乗るから。私もお酒好きだから、そのうち一緒に飲みに行っても良いね。なんてこと言ったことが先生にばれたら、さすがに怒られちゃうね。『未成年に飲酒を勧めるとは何事か!』とか。まあ、先生には内緒でね」
先生の声マネがなかなか似ていたので僕も一緒に笑って相づちを打ったが、内心、川原さんと飲みに行けるかと思うと、期待に胸が膨らんだ。