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Seductive Madam(z) -peeped- |
其の壱 【今日・覗3日目】 寝室に入ると、詩織は照明を点ける前にそっと窓から隣の家の様子を窺ってみた。すると予想通り隣の家の窓に人影が見える。 この寝室とあの一室はどちらも2階にあるが、この辺りは丘陵地で詩織の家は隣の家よりも若干低い場所に建てられている。 あの影の主は知らないのだろうか。こちら側より高い位置にあるあの部屋は煌々と月明りに照らされているのだ。 その月明りは窓際に立つ人影を見つけるくらいには十分に役立っていることに気づいていないのだろうか。 隣の窓の人影…それが誰であるかなど詩織はとうにお見通しだ。 「ふぅ〜…やっぱり今日も…しょうのない子。ホント、エッチなんだから…あぁ、困っちゃったな、もう…」 そうつぶやいた詩織の口元にどことなく淫らな笑みが浮かんでいた。 【一昨日・覗初日】 詩織がその人影に初めて気づいたのは一昨日のことである。 その日詩織は久しぶりに街へショッピングに出かけていたのだが、事件は、帰宅した詩織が寝室で外出着から部屋着のワンピースに着替えている時に発生した。 概ね着替えを終えた詩織が、最後にワンピースの裾をたくし上げストッキングを脱ごうとした時だ。 詩織は思わずビクッと身体を震わせ、ワンピースの裾に両手を差し入れたまま身体を硬直させた。なぜなら、ふと窓の外に視線を向けた詩織の目に黒い人影が映ったからだ。 そこは隣の家の2階の窓。明かりが点されたその窓に、間違いなく詩織は人影を発見したのだ。 (や、やだ…覗かれてる?…) カーテンを閉め忘れていたことを後悔してももう遅い。さっとストッキングを脱ぎ去り乱れたワンピースの裾を整えると、詩織は再び恐る恐る窓の外を窺ってみた。 するとどうだろう。既に隣のあの部屋の照明は消えており、ただ真っ暗な窓が見えるだけだ。 (え?…勘違いかな?…い、いえ、そんなことない。確か、さっきは明かりが…) 首をかしげる詩織。目をこらし、じっと隣の家の窓の様子をうかがってみる。 (明かり…点いてたと思うんだけど……あ!) 月明りに照らされた窓の隅。そこに詩織は丸く浮かび上がる黒い影を発見したのだ。 おそらく本人は隠れているつもりなのだろう。しかし、確かに黒い影がくっきりと窓の片隅に浮かび上がっているのだ。 それが人の頭であることは誰の目にも明らかだった。 (や、やだ、やっぱり!…もう!しょうのない子ね、ボクったら…) そこに人がいるとわかれば、それが誰であるかなど詩織には容易に判断できた。それは、今年中学生になったばかりの隣の一人息子に違いないのだ。 そう確信できる理由が詩織にはある。 なぜなら、あの少年が覗きの前科者であることを詩織は知っているのだから。もっとも覗きとはいっても、その対象は詩織本人ではなく、詩織のパンティだったのだが。 (随分と大胆ねボク。まだ中学生のくせに生意気に覗きなんて…ホント、おませなんだから…) 少年が詩織の洗濯物のパンティを見つめながら自慰に耽っている姿を見たのは数ヶ月ほど前のことだ。 それは詩織にとって衝撃的な出来事だった。あまりの興奮にその少年を誘惑してしまおうとさえ思うほどに。 けれど残念ながらそれは未遂に終わっている。もともと詩織には、それほどの度胸は備わっていないのだ。 (もう!エッチな子ね…) 一言つぶやくと、詩織は足早に寝室を出て行った。 結局、その日はそれ以外何も起こらなかった。 幼い子供に着替えを覗かれたという事実が、詩織にただならぬ興奮を与えた以外には。 (ボクったら…またなの?…また私をエッチな目で見ていたの?…もう…) そう、詩織は確かに興奮させられていたのだ。 着替えをする自分、そしてそれを覗く幼い少年。少年は、いったいどんな思いで自分の姿を覗いていたのだろうか? (まったく、まだまだ子供のくせに…大人の女の着替えを覗くなんて、いけない子ね…おませな子ね…でも…) 恨めしげにつぶやく詩織。 (でも…でもあの子…いったい、いつから覗いてたんだろ?…) 自分が少年の影に気づいたのは、既に着替えをほぼ終えた後だった。いったい、あの少年はいつから詩織の着替えを覗いていたのだろうか? (ワンピースを着た後かな?それならちょっと脚を見られたくらいだけど…それとも、その前から?…) そんなことを考えると、詩織の興奮がさらに高まってくる。 (まさか、私の下着姿見られちゃったのかな?…あぁ、そうなのボク?ボクは私のブラとパンティだけの姿を…) 既に詩織の股間は潤っている。手で触れずともそれとわかるほど、詩織の股間は大量の愛液で濡れそぼっている。 もう下着にまで染み込んでいるのだろう。実は詩織は、先ほどから濡れた布がまとわりつく気味の悪い感触を股間に感じていたのだ。 (あぁ、なんてこと!…しょうのない子…ボクったら…私を…私をこんなにしちゃうなんて…あぁ…) 隣の幼い少年に自分のあられもない姿を視姦されたかもしれない。その思いが詩織を自慰に駆り立てていく。 (あぁ…もう、ボクったら…まったく男の子らしくないんだから…コソコソと覗きなんて…) 我を忘れ自慰を続ける詩織。股間に潜り込ませた右手が妖しく踊る。 (もう!…男の子でしょ?…おちんちん…ぶら下げてるんでしょ?…もっと…もっと堂々とすればいいのに…そうすれば…) あまりの興奮と右手のもたらす快感に、詩織の思考は既に正常ではなくなっていた。 (そうすればぁ…私だって…私だって、ちゃ〜んと見せてあげるのにぃ…ボクが見たいところ…全部見せてあげるのにぃ…) 何を考えているのか。幼い少年に自ら身体を見せるなど、正常な状態の詩織ならば思わず赤面してしまうような内容ではないか。 しかし今の詩織にはそんな道徳観念も通用しない。ただ自分の欲求を満たすそれだけのために、詩織は更に激しく手淫を続けていった。 (あぁ!もう意気地なし!意気地なしね、ボク…ボクがそんなことだから…私が…こんなことしちゃうんじゃない!…あぁ!) 自分が自慰行為をしてしまう責任を少年に押し付ける詩織。そしてなおも激しく、早く右手を股間に這い回らせていく。 (まったく…まったくもう!…ボク…ボクったら…あ!…あ、ああぁぁぁ…) やがて詩織は、右手のもたらす激しい快感の波に飲込まれていった。 【昨日・覗2日目−発見前】 その翌日の詩織は、まるで悪魔に…いや淫魔に取り付かれたかのようだった。 詩織は、前日と同じ時間に再びその寝室にやってきてしまったのだ。まるで目に見えない何かに突き動かされたかのように。 (あ、あれ?…私、何でここに?…) 暗い寝室の中、自分がそこにいることに一番驚いているのは、実は詩織本人だったのかもしれない。 嘘偽りなく、これは詩織が意識してとった行動ではなかったのだ。 (な、何で?…何で私ここに…いったい何をしに来たんだろ?…まさかまだ寝るわけはないし…着替えの必要だってないのに…) 特に用事があるわけではない。自分でもよくわからないまま、なぜかその場所に脚を運んでしまったのだ。 思わず詩織は舌をぺロッと出した。誰に見られているわけでもないのだが、自分のとった行動があまりに滑稽に思えたからだ。 (や〜ね、私ったら。用もないのにこんなところに来て…アハ…いったい私は何を期待してるんだろ?……え?) そう思いついた時、詩織の動きがハタと止まった。 (…え?!…な、何?…き、期待?!) 詩織の表情が硬直した。そしてみるみるうちに頬が紅く染まっていく。詩織本人にも両頬がカッと熱くなっていくのが感じ取れた。 (き…き、期待?…期待って…期待って、何!…私が期待してるって?!…そ、そんなことあるわけないでしょ!) 激しく動揺する詩織。その時の詩織の心には、なにやら怒りも似た感情が芽生えていた。 (わ、私が期待なんてしてるわけないでしょ!…な、何を考えてるの!…そ、そんなわけない!) 自問自答をすればするほど、詩織の自分自身に対する怒りの感情が高まってくる。 (な、な、何で私が期待しなくちゃならないの?!…そもそも…そもそも私が何に期待を?!…) そこまできて、詩織は言葉を詰まらせた。改めて問うこともない。そんなことは詩織には解りきっていることなのだ。 それが何であるか解っているからこそ、これほどまでに自分自身に憤りを感じているのだ。 自分の気持ちに気付いているにも関わらず、なおそれを認めたくないがゆえ、これほどまでに自分を嫌悪してしまうのだ。 (わ、わ…私…が?…ま、まさか、私が?…) 暗闇の中、詩織はガックリと肩を落とした。いくら欺こうとしても、自分の心には嘘はつけない。 (わ、私…き、期待…期待してるの?…) 詩織は確かに期待していたのだ。そしてそれが何に対しての期待なのかなど、詩織自信、百も承知していることだった。 (あ…あの子に…あの子に、覗かれることを期待してここに来たの?…) そうなのだ、間違いなく詩織はそれを期待して、昨日と同じこの場所にやってきたのだ。 昨日感じたあの奇妙な陶酔感。自分よりずっと年下の、まだ幼さの残る隣の少年に自分の着替えを覗かれたかもしれない。 そんな恥ずかしいながらも下半身が切なく疼くあの思い、あの感覚。矢も立てもたまらず無意識のうちに自慰を始めてしまったほどの、あの興奮。 それらを再び体験すべく、詩織は期待に胸を膨らませながらこの部屋にやってきてしまったのだ。 そもそも昨日、詩織は少年に裸を見せ付けることを妄想しつつ、下半身をいやらしく震わせながら自慰をしていたではないか。 (そ、そんなわけない!…わ、私が、そんな…それじゃあ、ただの露出狂じゃない…私は、そんな…あ、あぁ…でも…) 自分は身体を露出することで興奮を得る変態なのだろうか? 中学生の、まだほんのお子様程度の少年に自分のあられもない姿を見られたがっている欲求不満の人妻なのだろうか? そんなわけはないと否定したくとも、詩織にはどうしても否定し得ぬことがあった。 (でも…あ…あぁ…や、やだ…わ、私…私ったら…ぬ、濡れちゃってる…) どんなに自分の心をごまかそうとしても、自分の身体に起こった変化は紛れもない現実である。詩織の股間は、既に大量の愛液で濡れそぼってしまっていたのだ。 詩織が少年に身体を見せたいと思っていること、そしてそれを妄想することで只ならぬ興奮を得てしまっていることは、他ならぬ詩織自身の股間が証明してしまっているのだ。 (な、なんてこと…わ、私…私がそんな…は、裸を見られたがっているなんて…そ、それも…) 口惜しさに詩織は唇を噛んだ。 (それも…あ、あんな…あんな子供が相手だなんて…) 露出狂という性癖だけでも身震いする程の嫌悪感を抱くのに、その相手はなんとまだ中学生の少年なのだ。 それも洗濯物のパンティを見ただけで幼いペニスを勃起させ、こそこそと人目を盗んではオナニーに励んでいるようなまだまだ未成熟な子供なのだ。 (私が…あんな子に…あんな子供に裸を見られてたがってる?…な、なんてこと…あんな…あんな毛も生えそれってないようなお子様に?…な、なんで、あんなガキに?…) 背徳的な妄想をし、勝手に興奮しているのは紛れもなく詩織自身の問題だ。 しかし、あまりの悔しさ・ふがいなさ・戸惑いなど色々な感情が、徐々に怒りの矛先を隣の少年に向かわせていった。 (まったく…そもそもあの子が覗きなんてするからいけないんじゃない!…そうよ、あの子が…子供の癖にそんなことするから、私がこんなに悩まなくちゃならないじゃない) 少年の責任。そう考えると、詩織は自分のやましい部分が少しでも薄れていくような気がした。 (子供なら子供らしく同級生のパンチラでも見てればいいの!洗濯物のパンティくらいでおちんちん膨らませてるくせに、大人の女の着替えを覗くなんて10年早いんじゃない?) 少年に対する不満をさらにエスカレートさせていく詩織。既に自分への嫌悪感などほとんど感じなくなっている。 (そう、私は自分の家の中で着替えをしていただけ…誰にも非難されるようなことはしていないのに…おませなエロガキめ!全部キミのせいじゃない) 自分に非はない。咎められるべきは隣の少年なのだ。自分の心に邪な淫らな気持ちが生まれてしまったのは、すべて隣の覗き少年の責任なのだ。 詩織はそう自分に言い聞かせる。 (子供の癖に…まだ剥けてもいないような子供の癖に…だいたい…だいたキミは、私の着替えなんか覗いて、いったい何してるの?…女の裸を覗いて…その後、いったい何してるの?…あぁ〜もう、頭にくる!) 着替えを覗いた少年が何をするのか。そんな最初から分かりきっているようなことさえ、いまとなっては詩織が少年を攻撃する理由の一つになってしまう。 (そんなことだけ大人のマネして…生意気なんだから…コソコソ隠れて…一人で…もう!エッチ!変態!…子供の癖に…もう!おませなオナニー小僧め!!) 詩織にとって、隣の中学生はすっかり目の敵となってしまっていた。 (覗き少年!…エロガキ!…スケベ小僧め!…キミが覗きなんてするから…もう!なんておませなお子様なの?…そう、キミのせいなんだからね!…キミが…ん?…あ!!) それは詩織が、、半ば憎しみを込めた視線で昨日少年が覗いていたであろう隣の家のあの窓をキッと睨みつけた時のことだった。 なんということだ。またしても詩織は、隣の家のあの窓の片隅に丸い影が浮かんでいるのを発見したのだ。 続 |
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