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ハツユキソウ

ハツユキソウ・杯状花序ハツユキソウ・果実
花(杯状花序)果実
ハツユキソウ
品種:‘氷河’


トウダイグサ科ユーフォルビア属(トウダイグサ属)
学名正名:Euphorbia marginata Pursh、異名:E. variegata Sims
英名snow on the mountain, ghost weed
和名ハツユキソウ(初雪草)
別名 
花言葉 
メモ

 ユーフォルビア属の解説は、こちらをご覧下さい。
 「原色園芸植物図鑑[I]一・二年草編」によると、ミネノユキ(峰の雪?)という和名もあるそうです。また、別名か園芸名(通称名)か分かりませんが、「園芸植物図譜」によると、フクリンダイゲキ(覆輪大戟?)と言う名前もあるそうです。
 原産地は、北アメリカのミネソタ州、コロラド州、モンタナ州〜テキサス州だそうです。日本には、1811年、あるいは1860年頃に渡来したそうです。

 花のように見えるもの(写真上段左)は実際は花ではなく、杯状花序です。花序の中には、雌蕊だけの雌花が一つと、複数の雄蕊だけの雄花が含まれています。杯状花序はさらに散形花序を形成しています。花弁のように見えるものは付属体と呼ばれるもので、蜜腺に付いています。上位の葉の縁は、花芽が形成される頃に白く彩られます。

 一年草で、発芽適温と生育適温は20〜25℃くらいと言われています。このため、播種は霜が降りなくなってから行うと良いようです。また、移植を嫌うために、直播きすると良いと言われています。日当たりと排水が良いところを好むそうです。また、乾燥に比較的強いそうです。
 「園芸植物図譜」によると、短日条件で花芽が形成され、葉の縁が白くなるそうです。「花卉園芸の事典」でも、短日性で出蕾期にはいると上部の葉に覆輪が入ると説明されています。同属のポインセチア(E. pulcherrima Willd. ex Klotzsch)も短日で苞が色付くと言われているので、同じだと思われます。ただし、このことに関して、ハツユキソウで実験をして確かめたという資料は見つかりませんでした。うちの子達は夏至を過ぎてから杯状花序が目に付くようになりましたが、夏至の頃の仙台の日長時間は推定約16時間(日の出から日没まで約14.8時間+薄明期約1時間)。また、それより前に、露店で鉢植えが販売されているのを見かけました(どうやって栽培されたのかは分かりませんが)。株の状態とか、気温とかも関係すると思いますが、限界日長が長いのか量的短日性なのでしょうか?

 「園芸植物大事典」には、‘氷河’が唯一の品種と記載されていますが、「The New RHS Dictionary of Gardening」によると、‘Summer Icicle’や‘White Top’という品種もあるそうです。実際、T&Mのカタログ(2000年と2001年)には‘Summer Icicle’が載っています。また、品種扱いして良いのか分かりませんが、「花卉品種名鑑」によると、花の大和から異名の「variegata(バリエガータ)」の名前で種子が販売されているようです。

 傷を付けると乳白色の樹液が出ますが、肌が弱い人がこれに触れると皮膚炎を起こすと言われているようです。オリジナルの文献を手に入れることが出来なくて、要約を読んだ程度ですが、乳液に含まれるレクチンは二つのサブユニットから構成される糖蛋白質だそうです。レクチンには血球凝集を起こしたり、T-リンパ球の細胞分裂を促進させる作用があるそうです。

追記(2004.7.31.)
 大きい写真を差し替えました。


本棚以外の参考文献
  • 塚本洋太郎.原色園芸植物図鑑[I]一・二年草編.保育社.1972年.

  • 阿部定夫ら.花卉園芸の事典.朝倉書店.1986年.

  • Stirpe, F. Purification and partial characterization of a mitogenic lectin from the latex of Euphorbia marginata. Biochimica et Biophysica Acta. 1158: 33-39. 1993.(要約のみ参考)

コメント

 播種は5月上旬、発芽は5月中旬、最初の開花(花序の形態は上記の通りなので、このように言って良いのかどうかわかりませんが、とりあえず、花序が現れた日)は7月上旬です。今年タネを播いた中で、一番最初に開花しました。例によって、コレクション入りです(笑)
 ハツユキソウの名前に相応しく、葉の白い色が涼やかな感じを与えます。今年の夏は涼しすぎますけど( ̄▽ ̄;。それにしても、英名の snow on the mountain の由来は何となく想像できますけど、もう一つの ghost weed にはどういう謂われがあるんでしょうね? 夏に相応しいと言えば相応しいですが(^^;(2003.8.16.)

もう一言(2004.7.31.)
 今年は、こぼれ種から咲きました。葉が白くなって、杯状花序が出来たのを確認したのは6月上旬です。昨年ハツユキソウを植えていた鉢を、冬の間は無加温の温室に置いていたところ、いつの間にか発芽していました。そのため、正確な発芽の時期は確認していませんが、他のタネを播いた4月上旬には既に芽が出ていたと思います。
 今年は、夏至の前に花序が出来ましたが、昨年の栽培と併せて考えると、開花の早晩は、日長の影響よりも植物体が十分に成長しているかどうかが関わっているような印象を受けます。日長が影響するとしても、夏至の前にも花芽が出来たことから、限界日長が長い短日性のため、自然日長では影響が表れ難いと推察されます。実際に実験をして調べてみないことには、本当のことは分かりませんが(^^ゞ

 
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