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アスター

アスター
品種:‘コメット ピンク’


キク科 エゾギク属(カリステフス属)
学名正名:Callistephus chinensis (L.) Ness、異名:Aster sinensis Hoffm.
英名China aster, annual aster
和名エゾギク(蝦夷菊)
別名アスター、サツマギク(薩摩菊)
花言葉変化、追想、私はそれを思う(夢見る)ことが出来る、あなたは私を愛するかしら、他
メモ

 属名は、ギリシア語の「kallos(美しい)+stephos(冠)」に由来し、冠毛が美しいことから付いたそうです。Callistephus属はこのchinensis種1種から成る単型属です。宿根草のアスター(Aster)属に類似していますが、一年草であること、側枝の先端に頭状花序を一つ着けること、苞片は多列生で外側のものは大きい、などの違いがあります。

 原産は中国北部〜北朝鮮の冷涼な乾燥地帯です。1731年(1728年説あり)に神父のダンカルヴィルによってパリの植物園に種子が渡って品種改良され、更に、ドイツで管咲の品種が育成されました。日本には江戸時代中期頃に導入されたそうです。

 数百品種が育成されていますが、草丈(80cm以上の高性、30〜80cmの中高性、30cm以下の矮性)、草型(ほうき立ち性、枝打ち性)、花の大きさ(径3〜4cmの小輪、4〜6cmの中輪、6〜8cmの大輪、8〜15cmの巨大輪)、花型(一重、半八重、八重、ポンポン咲き、針状弁、コメット咲き、他)、開花期(極早生、早生、中生、晩生)によって分類されています。原種の舌状花の色は暗紫色だそうですが、現在は赤、桃、青、紫、黄などの花色があります。写真の品種はタキイ種苗が育成した品種で、花径5〜6cmのマーガレット咲きで、茎が硬く倒伏しにくいのが特徴です。

 長日で花成誘導が促進される相対的長日性です。オランダで行われた‘Ginat Comet’という品種を供試した実験によると、温室で5月下旬に播種してから3週間後以降16時間日長で栽培すると、長日に移してから3週間後には花成誘導が完了するそうです。花芽が分化した後の発達は短日で促進されると言われていて、長日で花成誘導を完了させた後に8時間の短日に移すと、移す時期が遅くなるほど開花までの日数が長くなるそうです。
 温度の影響に関して、20℃以上の時に開花すると言われています。15℃以下の気温では、日長が12時間以下になるとロゼット化しますが、10℃でも日長が16時間以上のときは成長して開花するそうです。開花適温は24〜26℃で、27℃以上になると花色が劣るそうです。半耐寒性なので、一般に春播き栽培をします。

 フザリウム(Fusarium)菌などによって引き起こされる立枯性病害に弱く、連作は避けるのがよいと言われています。この病気は高温で発症しやすいので、温度を低く保つと良いそうです。また、種子の寿命が短く、1年以上経つと発芽しなくなるそうです。

参考論文
Doorenbos, J. Response of China aster to daylength and gibberellic acid. Euphytica 8: 67-75. 1959.

コメント

 播種は5月半ば過ぎ、発芽は播種からおよそ5日後、最初の開花は9月上旬を過ぎた頃でした。あまり印象に残っていません(^^;。写真も良いものが撮れていません。キク科って似ている花が多いですからね( ̄▽ ̄)(2001.12.29.)

 
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