メモ |
名前について
テトラデニア属のある種(フブキバナ)は、Iboza属(イボザ属、フブキバナ属)や Moschosma属(モスコスマ属)を変遷してテトラデニア属になったようです。これらの属についての詳細は不明ですが、属名の由来については、Iboza属は、アフリカ南部の一種族である Kaffirs(カフィール)族がフブキバナに対して用いている名前に由来し、Moschosma属の属名は、ギリシャ語の「moschos(麝香)」+「osme(香る、匂う)」に由来するそうです。
形態・生態・栽培など
多年生で、半多肉質の低木です。葉は心臓型〜円形で、縁は円鋸歯状、葉柄があります。基部の葉より、先端の葉の方が小さいです。開花時に、葉がなくなっていることがあるそうです。花序は腋生です。輪散花序が集まって円錐花序になっています。萼は鐘状で、3裂していると言われています。花冠は唇形花冠で、上唇は4裂しています。花冠は白色ですが、淡青色の種もあるそうです。花は、機能的に単性(見かけは両性でも、雄しべ、あるいは、雌しべが不完全で正常に機能していない、ということだと思います)だそうです。 栽培については、日本で主に栽培されているのがフブキバナので、そちらを御覧下さい。
種類など
種数は上記の通りで、5種としているのは「The New RHS Dictionary of Gardening」、9種としているのは「The Plant-Book」です。しかし、どちらの図鑑にも、T. riparia (リパリア種)しか載っていませんでした。以下は、文献検索して確認できた種ですが、学名が変わっている等、何らかの不備があるかもしれません。
・T. barberae
・T. fruticosa Benth.
・T. goudotii Briq. (異名:T. hildebrandtii Briq.)
・T. kaokoensis
・T. nervosa Codd
・フブキバナ(吹雪花;正名:T. riparia (Hochst.) Codd、異名:Iboza multiflora (Benth.) E. A. Bruce.、I. riparia (Hochst.) N. E. Br.、I. urticifolia (Bak.) E. A. Bruce.、Moschosma riparium Hochst.)
本棚以外の参考文献
CRC World Dictionary of Plant Names -Common names, scientific names, eponyms, synonyms, and etymology. CRC Press. 2000.
Van Jaarsveld, E. J., et al. Lamiaceae. Tetradenia kaokoensis, a new species from Kaokoland, Namibia. Bothalia. 33: 107-108. 2003. (要約のみ参考)
Davies-Coleman, M. T., et al. Stereochemical studies on boronolide an alpha pyrone from Tetradenia-barberae. Phytochemistry. 26: 3047-3050. 1987. (要約のみ参考)
Codd, L. E. The genus Tetradenia Lamiaceae 2. Malagasy-republic. Bothalia. 15: 1-6. 1984. (要約のみ参考)
(2005.1.11.)
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