メモ |
科について
クマツヅラ科に分類されていることがありますが、文献としては比較的新しい「The Plant-Book」(1997年発行)、「CRC World Dictionary of PLANT NAMES」(2000年)、「日本花名鑑・3巻」(2003年)ではシソ科(あるいは、広義のシソ科)とされています(ただし、「日本花名鑑」は「The Plant-Book」に準拠しているそうです)。余談ですが、浜名湖花博でもダンギクがシソ科とされていました(ラベルの表記を「日本花名鑑」に準拠したことによるのかもしれません)。 「The Plant-Book」は「Advances in Labiate Science (R. M. Harley 氏ら編集、Kew Royal Botanic Gardens、1992年)」を引用したそうですが、こちらの詳細は不詳です。なお、「The Plant-Book」によると、広義のシソ科を細分した場合、カリオプテリス属は Teucrioideae亜科に含まれるそうです。Teucrioideae亜科には、カリオプテリス属の他、アエギフィラ属(Aegiphila)、クサギ属(Clerodendrum)などの一部のクマツヅラ科の属が含まれているそうです。
形態・生態・栽培など
低木か多年生の草本です。葉は線形〜卵形で、縁の切れ込みは、ないか、鋸歯があります。葉序は十字対生です。葉腋か茎頂に花序が着きます。萼は深く5裂しています。花冠も5裂し、下側の裂片は細かく裂けたり、鋸歯があることがあるそうです。雄しべは4本、雌しべは1本で柱頭は二裂しています。果実には翼があります。 繁殖は、実生、株分け、挿し芽によります。日当たりと水捌けの良い土地を好みます。土壌はあまり肥沃でなくても良いようです。耐寒性はあまり強くありませんが、ハナシキブは−15℃程まで耐えられるそうです。
種類など
種数は上記の通りで、日本にはカリガネソウとダンギクが自生しているそうです。いくつかの種を以下に挙げますが、Cantino氏らの文献によると、一部の種は他の属(Pseudocaryopteris、Schnabelia、Tripora など)に移されたようです。
・ハナシキブ(C. × clandonensis Rehder ;C. incana × C. mongolica の交雑種)
・カリガネソウ (C. divaricata Maxim.)(命名者名が (Sieb. et Zucc.) Makino となっている場合あり)
・C. glutinosa Rehd.
・ダンギク (C. incana (Thunb.) Miq.、異名:C. mastacanthus Schauer)
・C. mongolica Bunge (種形容語が mongholica と綴られる場合あり)
・C. neprtifolia (Bentham) Maxim
・C. odorata (Hamilt.) Robinson
・C. paniculata C. B. Clarke
・C. tangutica Maxim.
・C. terniflora Maxim.
本棚以外の参考文献
CRC World Dictionary of PLANT NAMES -Common names, scientific names, eponyms, synonyms, and etymology. CRC Press. 2000.
Cantino, P. D., et al. Caryopteris (Lamiaceae) and the conflict between phylogenetic and pragmatic considerations in botanical nomenclature. Systematic Botany. 23: 369-386. 1998.(要約のみ参考)
(2005.6.5.)
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