視力回復手術体験記

 最近はやり(?)の「視力回復手術」というのを受けてみました。手術を無条件で
すすめる訳ではありませんが、もし「視力回復手術」に関心のある方がいらっしゃい
ましたら、ご参考までに、と思い体験記を書いてみました。           
(手術を受けたのは2005年11月上旬です)

ちなみに、視力回復手術にはいくつか種類がありますが、私が受けたのは     
「IntraLASIK(イントラレーシック)」という方法です。他にも、       
・LASIK(レーシック、イントラと区別してノーマルレーシックとも)    
・Epi-LASIK(エピレーシック)                     
・Epi-PRK(エピピーアールケー)                    
・フレックスPRK(フレックスピーアールケー)              
・LASEK(ラーゼック、レーゼック)                   
などが行われているようです。詳しくはネットで調べてみてください(爆)。まあ、
私がこんなところで説明するよりしっかりした説明がまとまっているページがいくつ
もありますので。                              

ちなみに私が手術を受けたのは品川近視クリニックという所です。



・きっかけ

 小学校の高学年くらいから徐々に視力が悪くなり、中学3年の時にメガネを
作って以来、メガネの手放せない生活を送ってきました。

 視力回復手術というものを知ったのは大学の頃だと思いましたが、そのころ
はRK、PRKが主流だったようです。

 それ以後も視力回復手術関連の広告、記事などを目にすると必ず目は通すく
らい関心はありました。

 しかし、いかんせん手術代が高い・・・・・。数年前にLASIKが出始めた頃、
キャンペーンで30万円台後半というのも見ましたが、やはり簡単に手を出せ
る金額ではありませんでした。

 まあ、いつかは手術をしようと考えていたのですが、直接のきっかけは職場
の同僚M君がレーシック手術を受けるらしい、と噂を聞いたからです。

 手術費用を聞いてみると、20万円くらいだ、と言います。確かにいい値段
ではありますが、私が普段使っているメガネはどんなに安い店で買っても3万
円を下ることがない高級(笑)メガネ。視力が悪いため高いレンズでないと厚
くなり過ぎるからです。それに、私はバイクに乗ります。「眼鏡等」の条件違
反で捕まることがありえない視力の悪さなので、メガネを壊してしまった時の
ことを考えて必ず予備のメガネを用意しています。度が合わなくなると実に6
万円を軽く超える出費を強いられるのです。それに、今年の免許の更新でも視
力検査はヒヤヒヤものでした。これらを考え、「受けてみてもいいかも。近く
に実験台(爆)もいるし」と思ったわけです。

 しかし、その同僚M君は検査に行ったところ、角膜の形状が不適合でレーシッ
クは受けられないと言われてしまいました。「ああ、実験台が(←極悪人)」
と思っていたところ、別の同僚S君がすでに昨年レーシックを受けていた、とい
うことを耳にしました。別のクリニックではありますが、同じ方法(イントラレ
ーシック)で手術を受けたそのS君は、「全然問題ないっすよ」ということなの
で、私もとりあえず検査に行くことにしました。


・術前検査

 電話で予約をして、検査に。検査自体は3時間半くらいかかりました。結構
混んでいたので、検査と検査の間の待ち時間が長かったです。

 眼の度数を測ったり、角膜の形状を調べたり、視力を測ったり。いろいろと検
査されましたが、細かくは憶えていません。ただ、一つ一つこの器械では何を調
べます、みたいな説明はしてくれましたが。

 そして、結果は見事「適合」。ただし、角膜が薄めで度も強いので、手術は一
回のみで、それで視力が出なくても諦めてもらうしかない、と言われました(一
応、どうしても、という場合にはもう一回ぎりぎりできないこともない、とも言っ
ていましたが)。

 具体的には、手術前視力が右0.03、左0.04。これも視力表はぼやぼやの状態で
なんとなく、といった感じでの結果です。角膜の厚さは480μm。普通は5〜600
μm程度あるのが平均的らしい?のですが、私のは少し薄いみたいです。手術後
は370μmくらいになるという話でした(一応、250μm以上残ればいいらしい)。

 しかし、なによりあのバカ高いメガネから開放されればそれだけでも十分だ、
と考えていたため、適合すれば無条件で手術をするつもりでいたので手術決行で
す。


・手術

 まずは手術前に以前の検査と比べて変化がないかを再検査。私の場合は術前検査
の翌日に手術の予約を前もって入れていたため、特に問題なく検査は終わりました。

 実際の手術では、最初にイントラレーザーという器械でフラップ(ふた)を眼の
上に作ります。眼を開瞼器という器具で開かれます。誰かの体験記でも読んだこと
がありましたが、これがちょっと痛いです。そして、眼球を固定するためのリング
を眼球につけます。で、これがさっきの開瞼器よりもうちょっと痛い。声をあげて
しまう程の痛みではないのですが、痛かったです(人によってはほとんど痛みを感
じなかったという人もいるみたいです)。

 で、目の前が真っ暗になって秒読み開始。片目当たり約60秒。およそ10秒ごとに
カウントダウンの声が聞こえました。ちなみに最初の開瞼器やリング取り付け以後
は特に痛みはありませんでした。両目合わせて7〜8分くらいで終了したと思います。

 次にエキシマレーザーというレーザーで角膜を削ります。この際に部屋の移動が
あります。フラップを作ると目の前が白っぽくもやがかかった状態になりますが、
ちゃんと案内してくれるので大丈夫です(というか、私の場合は裸眼だとほぼすべ
ての物がぼやけているのでもやがかかっていようがかかっていまいが関係ない感
じ)。

 そして、先ほどと同じく開瞼器で眼を開かれ、フラップがめくられます。このフ
ラップをめくる時に視界が歪むのでどこを見ているかがわからなくなります。「眼
を動かさないで」と言われるのですが、動かしているつもりがないのに視界が歪む
せいで動いてしまっているようです。

 めくった後にはレーザーを照射。この間は緑色の光を見ているように言われまし
た。ぼやけていてよくわからないけど、緑に見える当たりを見ていると、20秒弱程
度で終了したような気がします(何秒照射とは言われなかった)。照射して、50%
完了、80%完了、と声が聞こえ、完了ですの声で終了です。

 あとは先程めくったフラップを元に戻して完了。細かく言うと目薬をさしたり、
施術後に数分眼を閉じて安置する時間をとったりしているのですが、両目で10分ま
ではかかっていない気がします。

 手術後は休憩室にて15分ほど休憩。ここでも移動があるのですが、この時点です
でに見え方が違う!白いもやがかかってはいますが、明らかにものがはっきり見え
ます。で、休憩の後に最終検査をして、問題がなければ手術は全て終了。帰宅です。
検査から手術終了まで全部で2時間程度でした。もらった薬は点眼薬4種類、飲み
薬2種類でした。


・術後の経過(当日)

 術後30分くらいから眼がしみるような痛みが出ました。ちょうど煙が眼に入った
時のような痛みです。そして異物感も少しありました。眼を開けるのがちょっと辛
い感じでした。視界は、少し白くもやがかかった感じではありますが、細かいもの
も見えるようにはなっていました。ただし、近い距離のものはいくらか見にくい感
じでした。

 術後1時間で、一回目の点眼。手術後最低でも4時間は寝ずに1時間ごとに点眼を
する必要があります。眼の状態は30分後と変わりません。あと、術後は眼が乾き易
くなるらしく、それを補うための点眼薬もあるのですが、私の場合は(少なくとも
この時点で)あまり乾きを感じなかったため、ほとんど点眼していません。

 術後2時間。このくらいになると、先程のしみるような痛みはほぼなくなりまし
た。視界ももやがほとんどなくなり、クリアになっていました。ただ、近くがいま
いち見にくいのは継続中でした(他の人の体験記や同僚の話を聞くと、これはかな
り軽い症状のようです。もっと辛い思いをしている人も結構いるみたいです)。

 術後4時間もすると、比較的近いところも安定してきました。しかし20cm以下くら
いの距離だとちょっとつらい感じでした。


・翌日検査

 昨日同様、ごく近い距離では少し見にくいものの、それ以外は特に問題ありませ
んでした。

 検査に行き、視力を測ったところ、両目とも1.5。多分、生まれてからこんな視力
を持ったことは記憶にないです。子供のころの眼がまだ良かった時期でも1.2くらい
だった気がします。


・2日目

 今日から仕事に復帰。今日は部屋によっては眼の乾きを感じる時もありました。空
調が効いていて湿度の低い部屋だと、やはり眼が乾きます。ですが、外やほとんど空
調の効いていない部屋などでは特に乾きを感じません。ドライアイに似た症状はほぼ
全員に出るという話でしたが、私は症状が軽い方なのかもしれません。

 ただ、やはり手術当日と翌日はなるべく眼を使わないようにしていたので、この日
はさすがに眼が疲れました。どうも、良く見える状態に脳がついてきていないような
感じで、いくらか違和感があるようでした。

 それと、夜に街灯などをみるとギラギラと輝いて(グレアというらしい)少し見に
くいです。


・3日目〜

 2日目までより幾分乾きを感じなくなりました。それと、良く見える状態にも慣れ
てきました。夜のグレアは相変わらずで、これが解消されるまでは時間がかかりそう
です。


・1週間後検査

 術後1週間の検査に行ってきました。特筆することないくらい順調です。視力も翌
日に検査した両目共1.5をキープしています。ただ、左右を比べると右の方が少しだけ
視力が弱い(軽い乱視がある感じ)です。

 もらった点眼薬は種類が変わって1種類だけになりました。以前にもらった点眼薬
も回数を減らして、なくなるまで使用するように、とのことでした。

 しばらく書くことないかも・・・・・。


・1ヶ月後検査

 術後1ヶ月の検査に行ってきました。書くことがないので、しばらく放置してしま
いました。状態はかわらず良好です。

 点眼薬は以前と同じ種類でした。特に必要がないと感じたら点眼をやめてもいいと
のことでした。




・3ヶ月後検査

 術後3ヶ月の検査に行ってきました。1ヶ月検査同様、書くことがないのでしばら
く放置してしまいました。状態はかわらず良好です。これにて手術からその後の検査
まで一通り終了となりました。最終的な視力は右1.5、左1.2くらいです。当初とは左
右の見え方が逆転しました。左は若干乱視が入っているようで右目よりいくらか見に
くいですが、以前眼鏡をかけていた頃よりは良好です。



・手術の総合評価 80点

 手術後すぐに視力が回復する点は非常にいいと思います。また、私の場合特に痛み
もほとんどなく、経過が良好だったこともあって手術にはとてもいい印象を持ってい
ます。

 一方、欠点はと言うと、暗いところであかりを見ると光がギラギラと輝いて見える
(以前書いたグレアという現象)、また光がぼーっと周りに広がって見える(ハロと
いう現象)があって見にくくなることでしょう。これは時間と共に回復していくとの
ことですが、現在のところ回復のきざしはほとんど見えません。ですが、私自身はこ
れについては割り切っています。もし回復しなくても、見えない訳ではないし、眼鏡
のいらない気軽さに比べれば許容できる範囲だと思っています。

 ちなみに、このハロ、グレアは瞳孔が開き過ぎていることに起因するようです。そ
の証拠にハロ、グレアの見えている状態でライト等で目に光を差し込んで瞳孔を縮ま
せると解消します。ですから、これは将来的に本当に治るかどうかわかりませんが、
明るさと瞳孔の大きさのバランスが正常になれば解消するものではないかと考えてい
ます。



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