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ファミリーベーシック復活を願って


当時のファミリーベーシックを取り巻く環境

制限が多いとか、子供だましだとか、色々書いてますが、 初めてゲームを作って見みようという人達、 特に小学生ぐらいの年代の人達に取って、 ファミリーベーシックは格好のコンピュータ学習環境でした。

子供向けで有る事を全面に押し出していた数少ないパソコンで、 平易な解説書も沢山出ていましたし、 当時のファミコンマガジン(ファミマガ)等でも、 漫画を交えた解説記事が載っていたように記憶しています (残念ながら私は、現役ユーザーとしてそれを体験できませんでしたが・・・)。 解説記事の漫画に登場するパソコン少年が、 オリジナルゲームをチャカチャカ作っている様子を、 「なんてうらやましい奴なんだろう!」などとマジで思いながら、 読んだ記憶があります (内容自体は当時の私には難解でさっぱり)。

ではここで、 当時の様子を知る事が出来る関連グッズの写真を交えてつつ、 ふりかえってみましょう。

レアグッズである これは徳間書店から発売されていた「ゲームポシェット1」。 1985 年発売。 ファミリーベーシックのゲームプログラムが 24 本入ったテープと、 その解説記事が収録されている冊子がセットになっています。

写真右は冊子の裏表紙です。
「やったー!全 24 ゲームクリアーだ!!」
と、テープを握り締めガッツポーズでジャンプしている少年の姿が描かれています。
レアグッズである 冊子の中身はこんな様子です。 巻頭カラーにゲーム画面と内容がカラーで広く浅く説明されています。

画面右は「ペンペンの大要塞」、左は「どんぴしゃスロット」 というゲームです。
レアグッズである これはゲームを説明している解説ページ。 全編に渡って漫画が用いられています。

チープなゲームを、 さも本格的なゲームのように無理やり紹介する、 ちょっと無理のある内容。

なんか、絵が濃ぃです。
と思ったら、 後にメタルスレイダーグローリーの原画を担当する 「よしみる」氏によるものでした。
レアグッズである これはソースコードの解説ページ。 1 行単位で解説されているという気合の入り様です。

でもよく読んでみると、誤解を招きかねない部分も多いです。 IF とは何か? GOTO とは何か?と言った解説は一切なされていません。
レアグッズである これは、同 1985 年にハドソンから出ていた 「少年メディア 2 ロードランナー・ワールド」。

ファミコン版ロードランナーのステージエディット機能で作られた、 ユーザーの作品を、テープメディアにまとめて冊子とともに売っていたというものです。 データを読み込むためには、ファミリーベーシックが用いられます。

おまけのページには、 ファミリーベーシックのゲームが収録されており、 解説記事が付いています。

写真は、巻頭カラーの「ロードランナー物語」。 従来バージョンの 50 ステージをクリアした主人公ロードランナーが、 チャンピオンシップ版にトライするというストーリー。 写真は、罠に引っ掛かってしまった主人公が、 チャンピオンシップ・ロードランナーに助けられたシーン。
「君のパワー・スピード・テクニックは確かに素晴らしい・・・。 だがそれだけではこの複雑な迷路はクリアできない! (びしっと主人公を指差すチャンピオンシップロードランナー)」
熱すぎる・・・。
ファミリーベーシックのページもおおむねこのノリです。

当時のファミリーベーシックが目指した路線は、 現在(と言うにはもう下火だけど)のミニ四駆ブームに代表されるような、 コロコロコミック文化に似たものなのでした。

ファミリーベーシックの真の限界

様々なメディア経由で、 ファミリーベーシックのゲームが配布されていました。 しかし、面白いと言えるゲームは数えるほどしかありませんでした。 それは至極当然の結果で、 まともに遊べるゲームを作るには、 それなりのスキルも必用ですし、 またファミリーベーシックはそれに耐えられる設計とはなっていなかったのでした。

一部のコアユーザーは、マシン語に手をだし、 色々トリッキーな事をやったりもしました。 それに追従した雑誌もあったようですが、 いずれもハッカー向けの切り口で、 ゲーム作りとは掛け離れた内容でした。

もったい無い。実にもったい無い。 これだけの好条件がそろっていたのに、実にもったい無いです。 ミニ四駆的地位には、遠く及びませんでした。

ユーザーの知的好奇心をかき立てることで、 敢えてゲームを自作するモチベーションをかき立てる試みは、 各所で積極的に行われており、それなりの成果はあったようです。 しかし、敢えて誰かが作ったゲームを遊ぶモチベーションは、 一体どうやってかき立てるのか? そもそも自作ゲームで遊ばなくても、 ファミコン上には面白いゲームが沢山ありました。 そこが、いわばファミリーベーシックの真の限界です。

ファミリーベーシックの次

結局、ファミリーベーシック以降、 それに取って代わる環境があったのかというと、 そうでは有りませんでした。 3 色以上のスプライトを真っ当にドット単位で動かす事が出来るパソコンは、 ほとんど有りませんでした。 実に、ついに X68000 シリーズ等の高価なパソコンが出現するまで 待たなければならなかったのです。

ゲーム業界人となってしまった身として言える事。 それはファミベーがこの業界に与えた影響は、多大であったという事です。 ファミリーベーシックから入ったという人が、この業界には沢山居ます。 私もその一人です。 もしファミリーベーシックが発売されていなかったなら、 今の業界はまた違った様相を呈していた事でしょう。

メーカーサイドには、先行投資だと思って、 ポストファミリーベーシックと言えるモノを、 頑張って提示していって欲しいです。 回りまわって、次世代の人材を養う事につながるわけですから。

でも、それをどうやって軌道に乗せていくかが、一番の問題なんですよね。

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