「教育の自由はどこへ」

紹介記事一覧

各紙誌などで紹介された記事一覧です。

(確認した範囲のものです。気が付かれた点があればご指摘ください)

2007/10/15 現在


◆新聞・雑誌など◆

●『神戸新聞』=2007年4月8日付(教育面)

●『埼玉新聞』=2007年4月8日付(読書のページ/出版トピックス)

 <息詰まる現場の実態をルポ>

 【いま教育現場は疲れ切っており、教員全員で生徒のことを考えることができないと著者はいう。綿密な取材を基に、教育現場の息の詰まるような実態を記している。金髪がきっかけで教師が懲戒免職。エスカレートする日の丸・君が代の強制。将来を期待されていたにもかかわらず、行事が多く大量のリポートを書かされる学校に着任した新人教員は、わずか三週間で自殺…。教員の置かれた立場から教育現場を考える一冊だ。】=共同


●『新聞労連』(日本新聞労働組合連合機関紙)
=2007年1月1日合併号(BOOK)
●『ジャーナリスト』(日本ジャーナリスト会議)
=2007年1月25日号(書評)

 <「内心の自由」判決と現場の矛盾

   ──教師が疲弊、排除されていく>

 【「都教委の通達・職務命令は違法」とした東京地裁判決は衝撃的だった。本書で著者は、この画期的な判決が出るまでの、2000-2006年の教育現場の現実を報じている。2001年から雑誌に掲載されたこれらのレポートの集積は、秩序ある現場管理という名の上意下達が、やがて異論を許さない強制となり、憲法で保障されている内心の自由(思想・良心の自由)まで踏みにじっていき、教師たちが疲弊し排除されていく様子を克明に描き出している。(中略)

 いくら「強制はない」「内心の自由は侵害しない」と言い繕われても、本書に書かれた現実は、権力側に都合よく「決まったこと」がいかに暴力的になるかを描き出して余すところがない。そして、一度決まったことに対して、私たちの身体がどのように慣れていってしまうかも。私たちが失いつつある「自由」。それを教える学びの場で21世紀に起きたこと、教育基本法改悪の「次」を控えて過ちを繰り返さないためにも必読である。】

=野口弥さん(VAWW-NETジャパン事務局)


●『赤旗』=2007年1月28日付(ほんだな)

 【「日の丸」「君が代」強制問題を中心に、学校現場の実態を丹念に取材したルポルタージュ。徹底した異論の排除によってつくりあげられた管理と統制の体制が、授業を含め教育活動全般に及び、生徒からも批判が出ている現状を浮き彫りにしています。教師が子どもと向き合ってその力量を向上させるには「自由でおおらかな職場が必要」と述べています。】


●『救援』(救援連絡センター機関紙)=2007年2月10日号(新刊紹介)

 【今の学校では凄まじい「管理と統制」が進んでいる。その現場を取材したルポである。教育基本法改悪と平行して、すでに学校は「日の丸・君が代」の強制を始め、子どもたちの自発性を奪い、国家に忠実な生徒を創り出すための工場と化している。教育委員会の介入や校長の管理に抗しながら、現場の教師たちは苦悩し、闘いを貫いている。しかし自由な発想で積極的に自分で物事を考え、行動することのできる子どもたちを育てようと実践する教師は「不適格教員」「指導力不足教員」のレッテルを貼られ、教育委の監視の元に「研修」と称するマインドコントロールを強制される。(中略)

 教師も生徒も孤立し分断されている。まさに学校がストレス社会になっている現実からきている。この現実は監獄とそっくりである。】


●『週刊金曜日』=2007年5月18日号(きんようぶんか読書)

 【息が詰まるような教育現場のの実態が克明に報告されている。(中略)「職員室でざっくばらんに話し合い、校長も教頭も一緒に」なんて遠い昔の光景に思えてしまう。】


●『新聞と教育』(新聞教育研究所)=2007年夏号(教師のための新刊紹介)

 <「教育破壊」の現場を告発>

 【学校現場の「管理と統制」がここまできてしまったのか、と戦慄を覚える。石原都政下での「日の丸・君が代」強制を軸とする教師統制の驚くべき実態。「監視される都立高校の教師たち」の姿は、ファシズム体制のもとに置かれていると言っても過言ではない。(中略)

 本書に記されているのは、教育基本法が改訂されるまえの学校現場の状況である。にもかかわらず、改訂を「先取り」している観がする。改訂をうけての教育再生会議の「七つの提言」には「不適格教員の排除と分限」が盛り込まれている。教師と子ども・生徒への一層の締め付けが危惧される。

 「分断され孤立化する現場」で教師はどうすればよいのか。協同と連帯を回復するためには、委縮せずに「発言」すること、それにつきるのではないだろうか。教育は強制ではなく創造的活動である。そのためには現場には「自由な空気」が不可欠。いま、教師ひとりひとりの「生き方」が問われる。】

=三村達道さん(新聞教育研究所顧問、元福島県立郡山女子高校教諭)


●『共同時空』(神奈川県高等学校教育会館/県民図書室ニュース)

=2007年9月号(書評と紹介)

 【著者は徹底した現場主義に基づき、丹念に取材を重ね、それをもとに緻密に構成された文章を紡ぎ出す。そして、学校現場の疲弊や教職員に対する管理と分断を静かに告発している。本書タイトルである「教育の自由はどこへ」とのことばは、まさに今日の学校や教育のありよう(教育危機)を見事なまでに言い当てており、秀逸である。評者もこのタイトルにすぐさま共感・納得し、本書を購入した。だから、今の教育や学校に危機意識を抱いているすべての人たちに、この本を手にとり、読んでもらいたいと強く願う。(中略)

 また著者は、前著『日の丸がある風景』(日本評論社)のあとがきで、「(旗と歌)問題の本質は、『強制すること』『全員を一律に従わせること』『同じ方向に向けさせること』『考えさせないこと』にこそあるのです」とも述べている。教職員が何も「考えない」で、文科省や教育委員会さらには管理職の指示通りに動く「ロボット」と化したら、どうなるのか。

 間違いなく、「教育現場は崖っぷち」に立たされている。まずは、そうした認識を全教職員が共有するところから始まるが、孤立・分断されて断崖絶壁に立たされた教職員は何をすべきか、何から始めればよいのか。「どうせ言っても無駄」と諦め、自由な議論を「自己統制」してはならない。(中略)

 著者も示唆しているように、教師の共同体を再構築することではないか。そこからPTAや保護者、さらには地域へと、草の根共同体を広げ、教育の窮状を国民に向かって、丁寧に説明していく緊要ではないか。(後略)】

=綿引光友さん(元神奈川県立相模原高校教諭)


◆インターネット書評◆

●『インターネット新聞JANJAN』=2006年12月28日(今週の本棚)

『インターネット新聞JANJAN』=2007年2月14日(書評)宜保幸男さん

『週刊レイザル新聞』=2007年1月19日(本の宣伝)レイザルさん

『都教委情報メールニュース』=2007年1月26日(本)

(=「日の丸・君が代」強制に反対する市民運動ネットワーク発行)


【書籍データ】

教育の自由はどこへ/ルポ・「管理と統制」進む学校現場

池添徳明/著

現代人文社/発行

四六判、280ページ

1600円(本体価格)

ISBN4-87798-306-6 C0036

2006年12月20日発行


「大岡みなみの単行本」のトップに戻る

ご意見・ご感想などはこちらまで

「サード」のフロントページへ戻る

「セカンド」のフロントページへ戻る

[風速計][記者][ルポ][エッセイ][ひと][司法改革][背景][書くべきこと][論説]

[NEW][サード][リンク]