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「行政処分ゼロ計画」というスローガンの危険性と、
そこに着目して暗躍する動物引取り業者


二本松アニマルポリス
〒960-8066福島市矢剣町11−3
星野024-563-7650(tel fax)


全国から評価されている市へ調査の為に電話をしたことがある。
「犬が欲しいんです。わんちゃんを貰って、不妊手術をしないで産ませるつもりです。それでも貰えますか?」と。市職員はすかさず「いいですよ」と。

希望者を厳選せずに、誰かれ構わず譲渡をする。その飼い主が飼えなくなった時、市が引取りを拒むこともできる。行政には法律上、飼えなくなった人からの引取り義務があるが、適正飼育を促す義務もある。

行政側が厳しく「終生飼育をしてください」と言えば、飼えなくなった飼い主は、その自治体への引取りを依頼しずらくなり遠くへ棄てに行く。
結果、その自治体の処分数は減っていく。


業者が暗躍することもある。
『飼えなくなった飼い主の代わりに終生飼育をする』と宣伝し、飼い主から安い飼育費を受け取る。飼い主は、自分で終生飼育をするよりも、かなり安い終生飼育費を払い、二度と会いにはいかない。

飼い主は、おかしいと気づきながらも『きちんと飼ってくれる業者へ渡したから大丈夫、幸せに暮らしている』と思いたいのだろう。業者は飼い主の心理を巧み利用し、飼い主もそれにのっかったのだ。

業者が受けとる終生飼育費が高ければ安心ということではない。追跡調査が必要だということ。

このように『行政処分ゼロ計画』というスローガンを掲げて、処分ゼロに傾注することは、動物福祉に逆行する恐ろしさがある。表面的な優しさほど残酷なものはない。

他方、行政の処分方法(二酸化炭素苦痛死処分機)に胸を痛めた獣医師が「私が安楽死の為に注射を打つ」と言い、東京都で行政処分に携わっていたそうだ。汚い現場にはこのように心の綺麗な方がいて、綺麗ごとの世界には汚い者がウジャウジャいる。

スローガンを掲げるなら綺麗事ではなく、『諸悪の根源は繁殖』『繁殖は虐待である』『繁殖業者は反社会的な職業』『処分方法を苦痛死から安楽死に』が妥当だと思う。

自分がミスリードされ、自分もまたミスリードする側に回っていないかを、精査しながら行動していくしかないだろう。綺麗事に隠された汚い実態を忘れずに。




【提言書】
健康体の安楽死も動物福祉活動