飼育動物の去勢避妊のお奨め（公務員、特別職用）


各　位

これについて、プライバシーの侵害というご意見がありましたので、去勢避妊をお奨めする正当な理由について、以下に記します。


●役所内での矛盾。
当会へは、処分や捕獲に携わっている公務員の方から、苦悩、嘆きを訴えるメールが届くこともあります。内容は殆ど同じもので「処分される原因を作っているのは、あとのことを考えずに、無責任に産ませる人」というものです。つまり、同じ役所の中に「苦悩する職員」と「無責任に繁殖する職員」がいるのです。このことからも、自分がしたこと（繁殖）から派生する問題（処分）を考える必要があります。


●「社会権」。
私達も人間ですから、最低の生活を営む権利（社会権）が憲法で保証されていますので、公務員の方が遺棄に加担することのないように啓発させて頂きます。遺棄に加担する人は、ボランティアの身体ならびに財産に危害を加えています（すでに被害金額は莫大で、私個人だけでも○○○○万円を超えていますし、もっともっと莫大な私財を投じて苦労されている方がいるのです）ので、これ以上、被害を受けたくないので啓発します。繁殖させるなら派生した問題にも対処するべきですが、派生した問題に対処するために精進しているのは私達ですから不条理です。


●動物愛護の精神に基づく根拠。
１、行政処分だけでも年間43万匹以上。動物人口がもっともっと少なくなれば、仮に飼い主が飼えなくなったとしても、新しい飼い主をさがすのが今よりは楽になり、必然的に遺棄・処分数は減ります。

２、直接捨てないまでも、産ませて安易に里親さがしをすることが、遺棄に加担していることになります。動物を嫌いだと思う人は飼いませんから、遺棄・処分はあり得ません。遺棄・処分する人は皆、飼った人です。よって、「欲しがっている人にあげたから大丈夫」という論理には矛盾があります。


●基本的人権に基づく根拠。
動物を苦しめる人は、苦しむ動物を助けずにはいられない性分の人の『基本的人権』を侵していますので、「去勢避妊をするかしないかは、あくまでも飼い主の自由だ！」という見解は間違いです。本人の感性が他人に迷惑を及ぼすことがない場合、当方はとやかく言いません。ラーメン好きの人が毎日ラーメンを食べようとも、当方は一切、とやかく言いません。しかし、動物に関しては、飼い主等のモラルの低さにより、被害動物は後を絶ちませんし、被害動物を救済した人が遺棄者達によって『身体ならびに財産に危害を加えられている』のです。


●公務員・特別職であるまえに国民としての義務を果たしてください。
動愛法に基づく職責は担当部所ですが、公務員・特別職である前に国民なのですから、法の精神を尊重してください。公務員・特別職を辞めることはできても国民を辞めることはできません。動物を飼うのも、助けるのも、苦しめるのも人間である以上、主語は人間ですから《動物の問題は人間の問題》です。


●公金の不当な支出を防ぐ観点から。
納税の義務を住民に課しているのですから税金の無駄遣いが無いように尽力を。処分・捕獲にかかる税金を減らす為にも避妊去勢を。努力をしないと『公金の不当な支出』です。


●動物愛護法に基づく根拠。
法が改正されてから2年が過ぎ、世論の高まりを無視できずに環境省の飼育基準も本年3月に見直され、◎避妊去勢の徹底、◎猫の室内飼育の推進、◎所有者の明示の推進等が新基準として入りました。納税者を教育する職責にある方はなおさら、意識改革の必要に迫られています。

★以上のことから、産ませる人に優しい体質の新聞社等の「産まれました、もらってください」なるコーナーの間違いを当方は指摘していますし、編集者も住民なので行政指導の対象です。公益的使命を果たす責務にある新聞社等が、遺棄・処分動物を増やすことに加担していることからも、当方は、商業紙ではなく国営等による公営新聞の必要性を提言しています。

★役所内においても、多くの職員に問題意識を持ってもらう必要があります。いつも同じ職員が捕獲・処分に携わっていると問題意識を持つ職員が増えないため、意識改革が成されないことでしょう。繁殖した人が処分に携わることで、繁殖から派生した問題に向き合ったら、必然的に意識が高まることでしょうから、捕獲・処分に携わる職員を頻繁に移動させる必要があります。

NGO動物の不妊去勢と尊厳死を考える会　
渉外　星野節子
0247-57-3663