2003/6/20(金)くもり
昨日の続きです。嵐のように情報が入ってきます。私たち漫画家にとって、背筋が寒くなるような情報ばかりで、、凹んでいます。
さくら出版は去年の暮れに倒産したらしい、、、、。
つまりさくらはあづかっていた新人からビックネーム作家の原稿を全て、自社の財産と偽って債権者にわたしてしまったかもしれない?????
それも段ボール数十っ個分だったと言う話も聞こえてきます。段ボール数十っ個!!!!!!
その中にはどれほど多くの原稿が入っていたことか!不健全な出版社にいつまでも原稿をあづけていた漫画家も悪いと言う人もおります。
けれど実情を聞いてみると、ほとんどの作家さんが原稿を、早く返せと催告していることが分かりました。
それに対してさくらの応答は(いま担当がいなくて分からない、別の出版社で、再録掲載の予定があるのでもう少しあづからせてほしい)のくり返しだったとか。
篠原とおる先生にいたっては、さくらに何度電話してもらちがあかないので(先生は関西にお住まいです)
知り合いのリイドコミックの人にわざわざさくらまで行ってもらって、ようやく取り戻したと、私に連絡してきてくれました。
もちろん、出版したその単行本の印税もさくらからは支払われていないとのことです。怒怒怒。
もしかしたら無事な原稿は、昨日の経過でギリギリ止めることができた弘兼先生の13巻分の原稿だけかもしれない。
いや、そんなことは無い。例の古書店野倉庫にはまだたくさんの原稿の入った段ボールが置いてあると思われます。
当然の事として私たちは弁護士を差し向け原稿を手に入れた経過と、売った相手を聞きましたが、沈黙されてしまいました。
この古書店のオーナーは元漫画家です。生原稿の権利は唯一作者にあることを知らないはずがありません。
ましてや、そんな大量の原稿が出回ることはありえないことを知っているはずです。
不正に持ち込まれた原稿であることを承知で買い叩き、店の隅のほうで目立たぬように、一作家のものを日替わりで売りに出していたとしか思えません。
原稿を奪われた作家自身が行って、売買されたリストと、売った人を教えてほしいと頼んでも
「法律違反はしていない、警察に言われるまでは何も言わない。」と開き直っているのです。
作者自身が、盗まれた自分の作品が目の前で売られていることを止めることができないという、この不条理は許されてもいいのでしょうか?
その古書店は、私たちのリサイクル本を売って商売にしているのです。
それなのに、作家に対してこのような仕打ちは許されるものなのでしょうか。
原稿を売ったさくら出版の関係者はもちろんですが、確信犯と思われる古書店にこそ、私たちは多くの質問をしたいです。
私たちは、その古書店に対して次のお願いをしたいと思います。

(1)さくら出版から流れた原稿のリスト公開。
(2)原稿を持ち込んだ人間の公開。
(3)買い取った問題の原稿を売らずに手元に置き、その原稿の作者に返すべく話し合いの席についてほしい。

そしてもう一つ。
読者の皆様も、痛恨の痛みの中にいる私たち漫画家の気持ちをご理解いただけるなら、古書店に出ている原稿は買わずに、情報をいただけたらと思います。
まだ色々ありますが、、。実は今、200ページの読み切りの修羅場なのでまた後で書きます。
すみません。

6月20日   井出智香恵