「チャイコフスキー先生。こんなに速くティンパニは叩けません。」

 

 今回のネタはアマチュア・オケでティンパニを叩いていた友人から教えてもらったものです。その友人の話ではチャイコフスキーの交響曲5番で、とてもテンポ通りには叩けないパッセージがあるということでした。どこかというと1楽章の終わりで静かに終結していく直前の最後の燃え上がりの部分です。

難所
[譜面通りの演奏]

 1楽章の主部は8分の6拍子で、この部分の譜面ではティンパニは8分音符中に4つ叩くようになっています。まあ、テンポにもよるのでしょうが8分音符中に4つ叩くのはかなり難しいことらしいです。友人の話では6連符(8分音符中に3つ叩く)にするそうです。では、先ほどの正規の演奏と聴き比べてみましょう。

6連符
[6連符の演奏]

 少なくとも、このMIDIデータではほとんど違いがわかりませんね。どちらかというと正規のものは6連符に較べて、ややティンパニがうるさく、響きの見通しが今一な気がします。実際の演奏を収めたCDなどで聴いてもここを正規の音符で叩いているか、6連符で叩いているか私には判りません。

 このようなところは実際プロはどうしているのでしょう。聴衆が気付こうが気付かまいがプロの意地に賭けて譜面通りに叩いて満足しつつ「シレッ」としているのか、それとも結果として同じようにしか聞こえないなら6連符で叩いて「これがプロ(の仕事)ってもんだ」と考えているのでしょうか。どっちもプロらしい気もしますが・・・。

 嘘か本当か、R.シュトラウスが自分の交響詩をウィーン・フィルと練習しているときにひどく難しい箇所で「こんなの弾けっこないのだからもっといい加減に弾いてくれ。実際、君たちは弾けすぎている。」といったとか・・・。ほんとでしょうかね?

 

 


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