東北大学植物園

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 6月30日から7月22日まで社団法人日本植物園協会主催の「絶滅危惧植物展 Plants for Life−私たちと植物の未来のために−」が開催されていたので、7月7日に行ってきました。かれこれ10年以上前になりますが、東北大学植物園には2〜3回ほど訪れたことがあります。その時の印象は、「植物園というよりはただの山」でした( ̄▽ ̄ゞ。そのようなことで、どのような紹介ができるか少々不安があったのですが、東大の植物園は紹介しているのに、地元の大学の植物園を紹介しないのは失礼ということで、今回は、ここで紹介することを前提に、とことん山歩きしてきました。

 「絶滅危惧植物展」は、全国を巡回しているようです。日本植物画倶楽部の方々が描かれた植物画、植物と人間の関わりや、なぜ絶滅の危機に瀕しているかとか、保護の取り組み等について紹介されていた他、東北大学植物園の活動について、パネルで解説されていました。実物は、キキョウの他3種だけだったと思います。この企画は、啓蒙的な意味合いがあったと思います。しかし、パネルによる解説が主となっていて、稀少な植物を実物で見られることを期待していた私としては、少々拍子抜けしました。もっとも、そのような植物は採取することすらできないでしょうけど。

 ここから、植物園の紹介です。東北大学植物園の特徴は、なんと言っても自然が豊かなことです。園内にあった紹介文によると、仙台城跡背後の御裏林と呼ばれた丘陵の一部だそうで、表日本の暖帯林と温帯林と接触地帯の自然状態を良く表しているそうです。高等植物666種、コケ植物137種が野生する他、動物や鳥類も多いそうです。仙台城築城以来、人手がほとんど入っていなかったそうで、1972年(昭和47年)には天然記念物に指定されたそうです。歩道に砂利が敷かれていなかったり、和名・学名・簡単な説明が書かれたプレートが木に付けられていなかったら、植物園と言うことに全く気付かないと思います。植物(主に樹木)の名前を覚えながら山を散策したいという人には向いていると思います。
 詳細は、東北大学植物園の公式サイトで御確認下さい。なお、東北大学関連の植物園は、他に、青森県に八甲田山分園や、薬学研究科附属薬用植物園があります。

 1996年(平成8年)に落成した本館。私が以前訪れたときは、古い建物(進駐軍の物だったとか?)があるだけでしたが、ずいぶん立派な物に変わっていました。ここには、青葉山で見られる動植物の標本や剥製が置いてあったり、講義室があります。今回の「絶滅〜」の展示はこの中で行われていました。

 本館の西隣のロッカクヤナギ(手前)と津田記念館(奥の建物)。ロッカクヤナギ(六角柳)は、小野妹子が隋から持ち帰ったという伝説があるそうです。シダレヤナギ(Salix babylonica)の品種(cultivarではなく、分類階級で変種の下の forma; f.)で、S. b. f. rokkaku という学名が当てられています(上位の分類の亜種や変種は調べられませんでした)。幹が六角形と言うわけではなく、京都の六角堂に植えられたことに因むそうです。
 津田記念館には、植物の標本が保管されているそうですが、一般の入場はできないようでした。本館と津田記念館の周りにはいろいろな種類のヤナギがコレクションされています。

 

 元寇(文永の役と弘安の役)の直後頃(13世紀〜14世紀初め)に建立され、「蒙古高句麗の碑」と呼ばれていたそうです。坂を上る必要がありますが、植物園内に入って比較的すぐに見られる史跡です。子供の百日咳を治す御利益があるそうです。この先には、伊達家の5代藩主であった吉村が建築した茶室・残月亭の跡(と言っても、何もなかったと思います)があります。

 アカマツ林。樹齢約220年の木もあるそうです。園内には他にコナラ林や樹齢350年を超える杉並木等があります。モミ林は北限地帯のものだそうです。

 

 南門の広場。本館から一番離れたところにあります。ここには、一度外に出ると再入場できないようになっている出口専用の門があります。何のためにあるんでしょうかね?

 左の写真の中央付近にこの通路の出入り口があります。人が通れる通路では、ここが一番勾配がきついと思います。左の写真の右に進むと、もっとなだらかな通路があり、最初はそちらを通りましたが、「坂が急云々」と書いてある案内板を見て、どのくらい急なのか興味をそそられて、往復してみました(^^;。もう一度広場に戻った御陰で、最初に通ったときには気付かなかったネジバナを見つけることができました(^^)

 

 右上の急勾配の通路を降りきったところから本館とは逆の方向に進んだところで撮影しました。このように、東北大学植物園には、所々に沢があります。魚やサワガニのような水生生物は見かけませんでした。

 ロックガーデン。本館から植物園内の広場に入り、そのまま直進したところにあります。園内(山の中)を一周した場合のゴールでもあります。一番の見所だと思います。

 
ネジバナ バイカツツジ エゾアジサイ ホザキシモツケ

 園内で見かけた花です。もう少し早ければ、ロックガーデンの花が見られたようですし、遅ければ、ヤマユリや今回期待していたウバユリが見られたと思いますが(この2種は蕾しか見られませんでした)、時期が悪かったのか、咲いている花が少なかったです。他にも咲いていましたが、良い写真が撮れていませんでした。ネジバナは、ラン科の割に、身近なところにも咲いていると聞いていたものの、実物を見たことがなかったので、長年、探していました。南門の広場の芝生で見つけたときは、本当に身近に咲いているんだなぁと感激しました(^^)。もっとも、このページをアップする直前に、私の職場にも咲いているのを見つけました( ̄▽ ̄;。何で、今まで気付かなかったのかな・・・_| ̄|○



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