メモ | クレマチス属の解説は、こちらをご覧下さい。 原種の原産地は中国・浙江省の寧波(Ningpo)だそうですが、現在は、原種の栽培はほとんど行われていないとも、現状不明とも言われています。日本には、昭和初期に渡来したそうです。
園芸品種の主要な交配親の一つです。ここでは、C. lanuginosa(ラヌギノサ種)と、ラヌギノサ種を交配親として育成された園芸品種(ラヌギノサ・グループ、あるいは、ラヌギノサ系)をまとめて取り上げたいと思います。 園芸品種の他、ラヌギノサ種を種子親、C. viticella を花粉親とした交配により、C. × jackmanii が、1858年にイングランドの Messrs Jackman氏によって作出されています(ただし、交配に、C. × eriostemon[C. integrifolia × C. viticella の交雑種]、C. integrifolia、C. hendersonii も関わっていると言われていて、C. × jackmanii の本当の交配親は、はっきりしないと言われています)。
ラヌギノサ種は、クレマチス属の分類では、カザグルマ節に含まれます。2メートル以上に伸長するそうです。種小名の通り、軟毛に覆われています。葉は卵形〜心臓形で、1枚で単生するか、3枚で複葉を形成しています(三出複葉)。普通、葉は対生しています。花は、前年枝から新たに発達した枝(新梢)の先端に単生しますが、2〜3花着くこともあるそうです。萼片は、卵形〜倒卵形、白〜薄いライラック色で、6〜8枚が重なり合っています。花の直径は15cm以上で、野生種の中では、花の大きさが最大になる種の一つだそうです。花期は、春〜秋です。 ラヌギノサ・グループには、木質の蔓性、新梢に花が付く、花が大きい(直径15〜22cm)、一重か八重、花色は白色〜クリーム色〜ラベンダー色か濃い赤、四季咲き性が強く、花期は夏〜秋、と言う特徴があるそうです。 栽培については、クレマチス属の解説のページをご覧下さい。2月中に、地面から60cmまでを残して剪定すると良いそうです。
ラヌギノーサ・グループの品種として、‘Madame Van Houtte(マダム・バン・ホウテ[マダム・ファン・オット])’(白色)、‘Crimson King(クリムソン・キング)’(桃紅色)、‘General Sikorski’(青色)等があります。写真の‘白雪姫’は、直径14cm前後の白色の花を咲かせました。
‘マダム・バン・ホウテ’の成長について調べた結果、1)花芽は前年枝上の側芽(後の新梢)で分化すること、2)花芽の分化には低温に遭遇する必要があること、が分かったそうです。ただし、この結果は、あくまでも‘マダム・バン・ホウテ’での結果であり、交配親が異なれば違う結果となる可能性があり、全てのラヌギノサ・グループの品種に当てはまるとは限らないと思います。
本棚以外の参考文献
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