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サルビア・スプレンデンス

サルビア・スプレンデンス
品種:‘サルサ・スカーレットバイカラー(Salsa Scarlet Bicolor)’


シソ科サルビア属(アキギリ属)
学名Salvia splendens Sellow ex Roemer et Schultes
英名scarlet sage
和名ヒゴロモソウ(緋衣草)
別名サルビア
花言葉燃える想い
メモ

 サルビア属の解説は、こちらをご覧下さい。
 サルビア属はおよそ900以上の種から成りますが、普通、サルビアと言ったら、この splendens種(スプレンデンス種)のことを指します。命名者名は、資料によってはSellow (Sello) の前に「F.」が付いていることがありますが、このサイトでは「The Plant-Book」と「The New RHS Dictionary of Gardening」に従いました。
 英名は、テキサスセージにも同じ名前が付いています。
 原産地はブラジルです。日本には明治28年以前に渡来したそうです。

 原産地では多年草だそうですが、日本では春播き一年草として扱います。形態の主な特徴については、サルビア属の解説をご覧下さい。サルビアの特徴としては、葉柄があり、葉は先が細く基部が楔状の卵形で、葉の縁は鈍鋸歯状、花冠は平滑または絨毛があり、萼より長いこと等が挙げられます。雌しべについては、長花柱花(花柱が雄しべより長い)、中花柱花(花柱が雄しべと同程度の長さ)の異形ずい柱が認められるそうです。これは、自殖を避ける仕組みだと考えられているそうです。花色は、赤、紫、桃、白等があります。また、萼と花冠の色が異なる品種もあります。
 繁殖は、実生によります。種子は好光性で、覆土しなくても良いそうです。発芽には20℃以上の温度が必要だそうで、生育適温は15〜25℃だそうです。日当たりと水捌けの良いところを好むそうです。土質は特に選ばないそうですが、有機質とリン酸を多く含む弱酸性の土壌で生育が良いそうです。摘心したり、切り戻したりすることで側枝の伸長を促し、花序を増やすことが出来るそうです。秋に花が終わった後に切り戻しして、日当たりの良い室内に置いておくと、翌年も花を咲かせることが出来るそうです。また、野生種には昆虫を忌避させる効果があることから、花壇に混植すると、食害を減少することが出来るそうです。

 短日植物ですが、品種によって反応に違いがあるようで、量的(日長が長くても開花するが、短日の方が開花しやすい)であったり、質的(日長時間によって、咲く、咲かないがはっきり分かれ、短日で咲き、長日で咲かない)であったりするようです。花房形成の限界日長は14〜16時間(文献によっては12〜17時間)で、短日ほど花が咲き易いそうです(ただし、この場合の限界日長は花が咲きやすいか咲きにくいかの境であり、反応自体は量的だったようで、質的な反応ではなかったようです)。また、開花の早晩が日長に対する反応に影響し、早生の品種は日長に対する反応が鈍く、晩生の品種は短日で開花が促進され、長日で開花が抑制されるとも言われています。開花の早晩は草丈にも影響し、早生の品種は草丈が低く、晩生の品種は草丈が高いそうです。なお、古い論文の中には、長日性の品種が存在することを指摘している物があります。例えば、‘St. John's Fire’という品種は、短日より長日で開花し易いとも、日長の影響を受けにくいとも言われています。

 雌ずいの先端は二裂していますが、受粉可能なのは、そのうちの一方だけだそうです。また、花柱の長さによって受粉率が異なるようで、中花柱花では、開花時に既に柱頭と葯が接触していたり、受粉媒介動物がいなくても風などによって動くことで、容易に自家受粉するそうです。一方、長花柱花では、寒冷紗で被覆した場合(虫媒を避けるため?)の種子稔実率は、中花柱花と比較すると著しく低かったそうです。

 含まれている色素はアントシアニンで、花色によるかもしれませんが、ペラルゴニジン、シアニジン、デルフィニジンが含まれているそうです。品種名が明らかにされていませんでしたが、スカーレット色の花を咲かせる品種に含まれている色素を調べた実験では、数種類のペラルゴニジンが含まれていることが確認されたそうです。


本棚以外の参考文献
  • 宮島大一郎.サルビア異型ずい柱花における種子生産.園芸学会雑誌.第69巻(別冊1):303ページ.2000年.

  • Weiler, T. C., et al. Critical daylength for inflorescence formation of several cultivars of Salvia splendens Sello. HortScience. 8: 184. 1973.

  • T. C. Weiler. The variable flowering response of Salvia splendens Sello to daylength. Journal of the American Society for Horticultural Science. 97: 355-357. 1972.

  • 土屋照二.サルビアの生育と開花に及ぼす日長の影響ならびに品種間差異.園芸学会雑誌.第62巻(別冊2):528〜529ページ.1993年.

  • Tomas-Barberan, F. A., et al. Dimalonated anthocyanins from the flowers of Salvia splendens and S. coccinea. Phytochemistry. 26: 2759-2760. 1987.

コメント

 播種は昨年の5月上旬、発芽は約2週間後、最初の開花は同年の7月末です。
 サルビアと言ったら赤い花が思い浮かびますが、写真のような白と赤が混ざった品種を選んだのは、私の好みです(^^ゞ。自分が撮った写真を見直すと、赤しか選択肢がない場合を除いて、赤だけの花は少ないことを改めて確認( ̄▽ ̄ゞ。心情の変化がない限り、この傾向が続くと思います(^^;
 花(正確には花冠)を摘んで後ろの方を吸うと、蜜の甘い味がします。小学生の頃は、たまに吸っていました。最近は、職場に生えている色々なセージの味比べをしていますけど、お勧めは、パイナップルセージですね。

 申年に因んでサルビア・・・なんて、つまらない洒落のつもりです(^^ゞ。サルとサルビアでは、何の関係もありませんけど(^^;。サルスベリとか、サルナシとか、もっと相応しい物があるだろう!と言うツッコミが聞こえてきそうです( ̄▽ ̄ゞ(2004.1.5.)

 
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