このページ内の文章・画像の転載を禁止します


クリナム・ムーレイ

クリナム・ムーレイ


ヒガンバナ科クリナム属(ハマユウ属、ハマオモト属)
学名Crinum moorei Hook. f.
英名Long-neck Crinum, Natal lily
和名クリナム・ムーレイ
別名 
花言葉 
メモ

 クリナム属の解説は、こちらをご覧下さい。
 原産は南アフリカのナタール地方で、日本には1925年(昭和初年)に渡来したそうです。

 クリナム属のほとんど亜熱帯または亜熱帯の沿岸地域を原産としていて、温帯地域では温室の中で栽培する必要があります。しかし、南アフリカ産のクリナムの中には、耐寒性があって、保護をすれば屋外でも栽培できる種があります。ムーレイもその様な種の一種で、最も耐寒性に優れる種の一つと言われているようです。

 生態について詳しく調査された文献は見つかりませんでした。同属であり、ムーレイを花粉親とするパウエリーについては調べられているようですので、そちらを参考にして下さい。栽培についても、パウエリーのページをご覧下さい。

 クリナム属のいくつかの種は薬効成分を含んでいるため、南アフリカのズールー族の医師(原文だとdoctors ではなく、healers なので、まじない師みたいなものでしょうか?)達によって、体の腫れや泌尿器の疾病に用いられているそうです。クリナム属植物からは色々なアルカロイドが抽出されていますが、ムーレイからは、2種類のアルカロイドが新規に単離・構造決定され、そのうちの一つにはmooreine と言う名前が付けられたそうです。しかし、具体的な薬効についての説明は論文中にはありませんでした。なお、クリナム属の植物には、他のヒガンバナ科植物と同じように、有毒な成分が含まれているので、素人は薬品として用いないのが無難です。

追記(2004.2.22.)
 クリナム属の解説を追加したのに伴い、内容の一部をそちらに移しました。


本棚以外の参考文献
     
  • Elgorashi, E. E. et al. Alkaloids from Crinum moorei. Phytochemistry. 56: 637-640. 2001.

コメント

 鱗茎の植え付けは昨年の3月下旬、出芽は鱗茎を植えた年の6月中旬、最初の開花は今年の8月上旬です。栽培環境は、バロータとほぼ同じです。
 写真には写っていませんが、ピンク色の雌しべが、ほんのり淡く桃色がかった白色の花弁に映えて、すごく綺麗でした。香りも良かったです。でも、花持ちは2〜3日程度と悪かったです。もしかしたら、暑くなりすぎるような所に置いていたせいもあるかもしれませんが(^^;。
 開花までにおよそ1年半かかりましたが、その間に波瀾万丈な人生(?)をおくっています(^^;。鱗茎を植え付けた年には開花せず、冬になって気温が下がり始めてから葉が枯れ始めました。今年の冬は暖かかったので、最初のうちはまだ瑞々しさが残っていたものの、急に冷え込んだ日があり、茎の先端の方が腐ってしまいました( ̄□ ̄;。パウエリーが屋外で冬を越していたので、ムーレイも大丈夫かと思っていたのですが、考えが甘かったようでした。もう、ダメかと思っていましたが、暖かくなってから新しい葉っぱが出てきて復活(^^)。めでたしめでたしと思っていたのですが、今年6月に大風が吹いた日に、飛んできた何かがぶつかったのか、葉っぱがボロボロになってしまいました(T△T)。今年の開花は無理で、来年以降に延期かなぁと半ば諦めていたのですが、7月に土の中から花茎が伸びてきて、無事開花しました。それまで、茎の先端に花が着くものだとばかり思っていましたが、実際は違いました。もっとも、土の中から花茎が伸びてくるのは、他のヒガンバナ科の植物と同じですが。とにかく、無事に開花に到って、本当に良かったです(^^)(2002.8.18.)

もう一言(2004.2.22.)
 昨年も咲きましたが、8月下旬と、1年目に比べたら遅かったです。

もう一言2(2007.12.3.)
クリナム・ムーレイの果実

 2004年に初めて果実がなりました。その後にも1回なりましたが、記録に残していませんでした。生命力が強いようで(クリナム属植物の中には海流に乗って分布する種[しゅ;species]もあるくらい)、すぐに植えなくても、左の写真のように芽が伸びてきました。たぶん、一昨年に植えたものだと思いますが、順調に育っている個体があります。

 
HOME   植物名一覧

このページ内の文章・画像の転載を禁止します