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カラー・レーマニー

カラー
品種:‘クリスタルブラッシュ(Crystal Blush)’


サトイモ科 ザンテデスキア属(オランダカイウ属)
学名Zantedeschia rehmannii Engl.
英名Purple Arum, Pink Arum, Pink Calla, Red Calla, Rose Calla, Calla Lily
和名モモイロカイウ(桃色海芋)
別名ムラサキカイウ(紫海芋)
花言葉素晴らしい美、乙女の淑やかさ
メモ

 属名は、イタリアの植物学者で医師でもあった Giovanni Zantedeschi(1773〜1846年)に因みます。
 原産は、南アフリカのナタール地方で、日本には、大正初年に渡来してきたそうです。

 一般に園芸種のカラーと言ったら、ザンテデスキア属の植物と、その種間交雑種の総称、あるいは、特に、オランダカイウ(Z. aeothiopica;エチオピカ種)のことをさします。ザンテデスキア属には、他に、シラホシカイウ(Z. albomaculata;アルボマクラタ種)、キバナカイウ(Z. elliottiana;エリオチアナ種)など、6種があるそうです(日本の図鑑の中には8種と説明している物もありますが、そのうちの2種は、おそらく、他のある種と同一とされたものと思われます)。色々調べたところ、写真の‘クリスタルブラッシュ’は Z. rehmannii の血を引いた交雑種のようで、学名は Z. × hybrida が正しいようです。また、海外ですが、 Z. × rehmannii と表記しているページもありました。そこで、このページでは、ザンテデスキア属の rhemannii種(以下、レーマニー)の説明をさせていただくことにします。
 なお、カラー(Calla)とは、ザンテデスキア属に移される前の属名であり(実際には、カラー属からザンテデスキア属に移される前に、リチャーディア(Richardia)属にも一時移されたそうです)、ギリシア語の「kallos(美しい)」に由来します。現在、カラー属は、 C. palustris L. 一種から成る単型属だそうです。したがって、カラー・レーマニーという種は実在しませんが、ここでは、便宜的にその様に表記させていただきました。ご了承下さい(参考までに、「園芸植物図譜(浅山英一ら・平凡社・1986年)」も「カラー・レーマニー」と表記しています)。

 レーマニーは矮性の種で、草丈は30cmほどです(海外の図鑑では80cmと説明されている物もあり、ずいぶん差があるようです(^^;。なお、‘クリスタルブラッシュ’は、咲き始めは20cm前後くらいで、花が咲き終わって花殻を摘んでから伸長してきましたが、それでも30cmに満たないくらいです)。
 仏炎苞(花びらのように見えるもの。サトイモ科の特徴)は、先が尖っていて、咲き始めは白か薄いピンク色で、時間が経つのにつれて、だんだん色が濃くなります。葉には、スポット(斑点)がありません。

 多年生です。カラーは、生育地の違いから、乾いた土地に適した「畑地性」と水分が多い土地を好む「湿地性」の2種類に分類できますが、レーマニーは畑地性です。乾燥を好むものの、生育期間中は十分な水分を必要とするため、水遣りは土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにします。日当たりの良いところが向いているそうです。耐寒性については、−4℃まで耐えられると説明している資料がありましたが、冬季は、最低でも7〜10℃に保つと良いようです。

コメント

 塊茎の植え付けは3月末、出芽はその2週間後、最初の開花は6月上旬です(無加温の温室内で栽培)。仏炎苞の色は、咲き始めは純白でしたが、日が経つにつれて、だんだんとピンク色に色付いて、最後には、葉と同じように緑色になりました。ちなみに、品種名の中の「blush」には、「赤らむ、バラ色になる」と言う意味もあります。

 サカタの通販カタログ「家庭園芸・園芸通信増刊2002年春」を見て買ったものです。同じ時期に発行されたタキイ種苗のカタログにも、同じ品種がありました。ところで、サカタとタキイのカタログに載っていた‘クリスタルブラッシュ’のサンプル写真は、微妙にアングルが違いますが、同じ群落を撮影したものであることに気付いた人っていらっしゃるでしょうか?ネットで調べているうちに見つけたのですが、どうやら、海外で育成された品種を輸入して販売していたようです。

The G. Geerlings Group website(オランダのサイトです)

 上記サイトの「Variety Photo's」の「Callafornia callas TM R」をクリックすると、この会社で育成された品種の一覧が出てきて、その中に‘クリスタルブラッシュ’がありますが、その写真は、左右反転していますが、タキイとサカタのカタログに使われていたものと似ています。タキイとサカタのカタログに似た写真が載っていることを話のネタにしようと考えて購入しましたが、育成した会社のサイトまで見つかるとは、予想外でした(笑)。参考までに、サカタは2球900円、タキイは2球1300円。この差って・・・( ̄▽ ̄;(2002.8.12.)

 
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