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スカビオサ・アトロプルプレア

スカビオサ・アトロプルプレア
品種:‘Salmon Queen


マツムシソウ科スカビオサ属(マツムシソウ属)
学名Scabiosa atropurpurea L.
英名mournful widow, sweet scabious, pincushion flower, Egyptian rose, scabious, purple pincushion, mourning-bride
和名セイヨウマツムシソウ(西洋松虫草)
別名クロバナマツムシソウ(黒花松虫草)
花言葉不幸な愛情、不幸な結合、私は全てを失った、寡婦、他
メモ

 スカビオサ属の解説は、こちらを御覧下さい。
 英名の「mournful widow」は「悲しみに沈んだ寡婦」、「mourning-bride」は「喪中の花嫁」をそれぞれ意味し、花が暗紫色で、死んだ夫を悲しむ寡婦に贈るのに相応しいことから付いた名前だと言われています。花言葉も、この英名に基づいているそうです。
 原産地は南ヨーロッパ(ヨーロッパ西部原産、南アフリカ原産など、文献によってまちまちです)で、日本には、1879年(明治12年)に渡来したそうです。

スカビオサ・アトロプルプレア

 一年草です。葉は卵状披針形で、羽状に中〜深裂し、縁には鋸歯があります。上位節の葉は羽状深裂します。花の形態については、スカビオサ属の解説を御覧下さい。小花の花冠は、4〜5裂します。花色は、種形容語(種小名)の「atropurpurea(暗紫色の)」の通り、もともとは暗紫色だったそうですが、現在は、青、藤、桃、白、黄などがあります。

 品種として、‘Blue Cockade’、‘Grandifrola’、‘Nana’、‘Ace of Spades’、‘Oxford Blue’、‘Snowball’、Qiz(クイズ)シリーズなどがあります。写真の品種の‘Salmon Queen’は、T&M社2000年の新品種(カタログには新種と書いてありましたが、これはミス。種と品種の区別くらいちゃんとして貰いたいです)で、草丈は1メートル近くまで伸びました。

 繁殖は実生により、春播きか秋播きします。寒さに強く、直播き出来ます。その他の詳細は、スカビオサ属の解説を御覧下さい。
 質的長日性(日長がある一定以上の長さにならないと花芽を分化しない性質)だそうです。秋播き促成栽培する場合、日長を20時間、夜温を20℃に保つと、低い温度に比べて早く開花し、採花本数も多かったそうですが、草丈が短くなりボリューム感に欠けたそうです。

 詳細は不明ですが、痛み、熱、炎症に対して効果があったり、抗菌や利尿の作用があったりするらしいです。

追記(2005.7.10.)
 スカビオサ属の解説を追加したのに伴い、内容の一部をそちらに移しました。また、メモを改訂しました。


本棚以外の参考文献
  • CRC World Dictionary of PLANT NAMES -Common names, scientific names, eponyms, synonyms, and etymology. CRC Press. 2000.

  • 中村 広ら.長日処理と管理温度がスカビオーサ・アトロプルプレア(Scabiosa atropurpurea L.)の開花に及ぼす影響.九州農業研究.第62号:223ページ.2000年

  • Marhuenda, R. E., et al. Contribution to the pharmacodynamic study of Scabiosa-atropurpurea L. I. Analgesic and antipyretic activity. Plantes Medicinales et Phytotherapie. 21: 47-55. 1987.(要約のみ参考)

  • Saenz, R. M. T., et al. Contribution to the pharmacodynamic study of Scabiosa-atropurpurea L. II. Anti-inflammatory and antibacterial activity. Plantes Medicinales et Phytotherapie. 21: 203-208. 1987.(要約のみ参考)

  • Garcia, G. M. D., et al. Contribution to the pharmacodynamic study of Scabiosa-atropurpurea L. III. Diuretic activity. Plantes Medicinales et Phytotherapie. 22: 175-179. 1988.(要約のみ参考)

コメント

 播種は5月半ば過ぎ、発芽は播種からおよそ5日後、最初の開花は9月中旬過ぎです。なかなか花が咲かなかったので、短日性かと思っていたら、文献によると長日性とのこと。いつ頃から蕾が見え始めたのか観察していませんでしたが、もしかしたら、花芽が出来た後の発達が遅かったのかもしれません。春播き出来ましたが、秋播きの方が一般的なようです。
 花は満開よりも、写真みたいな7〜8分咲きの方が好みです(^^ゞ。カタログに、ほのかな香りがすると説明が付いていましたが、微かに、それほど良いとは思えないような香りがする程度でした。(2001.11.17.)

 
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