属名の由来は、ディアンシフォリアを参照して下さい。分布は東アジアの温帯、暖帯です。 万葉の時代にはツキクサ(月草)と呼ばれていましたが,これは「着き草」に由来し、花の汁を染料にして着色したことに因るそうです。 水に溶けやすく、色がすぐに落ちることから、友禅染めなど下絵を描くときに用いらるそうです。これには、特に、オオボウシバナ(var. hortensis Makino)と呼ばれるツユクサより大きい変種が利用され、滋賀県の一部の地域が産地になっています。
ツユクサは、普通は青い花を咲かせますが、白い花を咲かせる品種(f. albiflora Makino)もあるそうです。左上の写真は、その紛い物です(^^;。最近気付いたのですが、除草剤を撒いてから2〜3日すると色が抜けるみたいです。ラッソーとラウンドアップを混ぜて使ったので、どちらが効いたのかは分かりません(^^ゞ 左下の写真は、たまたま見つけた奇形花です。普通青い色の花弁は2枚しかないところ、4枚ありました。 右は花序の写真ですが、一つの花序の中の花数は、ディアンシフォリアが4〜10個であるのに対して、3個くらいしかありません。
ツユクサに含まれている青い色の色素は、属名に因んでコンメリニンと呼ばれています。これは、マロニルアオバニン(デルフィニジン型アントシアニンの一種)とフラボコンメリン(フラボンの一種)とマグネシウムで形成された複合体(金属錯体)です。1958〜1959年に、林孝三教授を中心とする日本の研究者によって、青い色素としては世界で初めて結晶として取り出されたそうです。また、コンメリニンは、分解し易く精製が困難ですが、近藤忠雄教授らのグループによって、構成成分を再構築する手法が考案され、正確な分子量、構造、発色機構が明らかにされました。 |