このページ内の文章・画像の転載を禁止します


ディピダクス・トリクェトラ(トリクエトラ)

ディピダクス・トリクェトラディピダクス・トリクェトラ


ユリ科 オニクソティス属
学名正名:Onixotis stricta (Burm. f.) Wijnanda
異名:Onixotis triquetra (L. f.) MabberleyDipidax triquetra (L. f.) Bak.
英名star of the marsh
和名 
別名クリスタルリリー
花言葉 
メモ

 タキイ種苗の通販で買ったものです(カタログでの名前は、デュピダクサ・トゥリクェトラでした。)。原産は南アフリカだそうです。ユリ科の小球根で生長期には水草で、休眠期には乾いた球根になる変わり者だそうです。

追記(2001.5.19)
 「The Plant-Book」という本に「Dipidax Salisb.」=「Onixotis Raf.」と載っていました。しかし、Onixotis属には、写真のO. triquetra(=stricta?)とO. punctata (L.) Mabb.の2種(3種?)があるということの他は、分かりませんでした。そもそも、この本には写真が載っていないので、種の同定すらできませんでしたが(^^;;;

追記2(2002.4.6.)
 新しい資料を見つけました。それに伴って、学名を上記のように改めました。また、Webで検索して調べた英名を書き加えました。正名は上記の通りですが、まだ馴染みが薄いと思われますので、ここでの名前は、異名であり、通販で売られていた時の名前でもある「ディピダクス・トリクェトラ(トリクエトラ)」を採用しました。なお、「トリクェトラ」は、タキイ種苗に問い合わせたときに返ってきたメールに書いてあったものです。「トリクエトラ」とどちらが正しい発音かは、分かりませんでした。
 属名の意味ですが、Onixotis は、ギリシア語の「onyx, onychos(爪)」+「ous, otos(耳)」または「otion(小さな耳)」だそうです。また、Dipidax は、ギリシア語の「dis, di(2)」+「pidax, pidakos(泉)」だそうです。それぞれ、なぜその様なものに由来するのかは、分かりませんでした。


追記3(2003.5.4.)

ディピダクス・トリクェトラ・花序

 形態について記します。用語や表現に間違いがあるかもしれません。
 花の大きさは3cm弱、花被片の数は6枚で、基部には赤い斑点があります(写真左)が、斑点がないものもあります(写真右)。斑点があるものには、蜜っぽいものがありますが、これが異名の Dipidax の由来になっているのかもしれません。雄蕊の数は6個、子房は上位で外見上は3つに分かれています。地上部の葉は細長く葉序は二列互生で、3枚目の葉は花序の下に付く包葉になります。
 左は花序の写真です。おそらく、蝸牛状花序だと思います。一つの花序当たりの花数は2〜10くらいです。

追記4(2005.5.4.)
 名前に「クリスタルリリー」を追加しました(正確には、復活させました、ですが)。
 栽培について書いていなかったので、少し書いておきます。これが最適な方法とは限らず、私の経験によることをご了承下さい。
 繁殖は、分球か実生によります。球根は、最初は5球だったと思いますが、現在はそれ以上に増えています。2000年10月に素焼きの鉢(大きさは5号)に植えてから、植え替えは2002年10月上旬に一度しただけです(鉢は同じものです)。播種は、秋播きを一度したことがありますが、この時は、発芽までに2〜4ヶ月かかりました。私の経験ですが、花芽分化出来るようになるまでに、2年以上かかりました。土は、水捌けが良いものを使っています。水は、植物が成長している冬〜春は土が乾いたら十分に与え、地上部が枯れてなくなる夏の間は灌水を控えています。一年を通して日当たりが良い無加温の温室の中で管理しています。この栽培環境の下では、10〜11月に芽が出て、翌年の3月中旬〜4月上旬に開花し、その後、地上部が枯れます。なお、今年は、芽が出たものの葉が枯れてしまい、開花しなかったことを申し添えておきます。病気なのか、植え替えていないせいか、それとも、夏も温室に置いていたので球根が消耗してしまったのか、原因不明ですが、今年はこれらの対策をしてみたいと思います。


本棚以外の参考文献
  • CRC World Dictionary of PLANT NAMES -Common names, scientific names, eponyms, synonyms, and etymology. CRC Press. 2000.

コメント

 昨年の10月上旬に球根を植えたところ、4月上旬に開花しました。図鑑に掲載されていない、ネットで検索しても引っかからないということで、タキイ種苗に問い合わせのメールを送ったところ、科名・学名とメモに書いてあるような生態を教えていただきました。それでも、学名で調べても図鑑に記載されていない謎の植物であることに変わりありませんでした(^^;(一応、ネットで「Dipidax」を検索したら一件だけ引っかかりましたが、ユリ科であること以外は何も分かりませんでした。)。もしかしたら、写真・説明入りでネット上での公開は日本初だったりして。それにしても、「生長期には水草」って、水栽培も可能と言うことでしょうか?(2001.4.21.)

もう一言(2002.4.6.)
 昨年、花が終わった後にお礼肥をして、秋から無加温の温室内に入れて、たまに水と肥料をやる以外は、ほぼほったらかしていましたが(^^;、3月半ばを少し過ぎた頃に、今年最初の花が咲きました。そう言えば、昨年の6月半ば過ぎにタネを採取して、秋に播くつもりで冷蔵庫に保存してそのまま忘れていたことに、今、気付きました( ̄▽ ̄;。今年の春播きは予定がいっぱいだし、秋まで持ち越しかなぁ・・・。
 改めて、Googleで、学名(「Onixotis stricta」または「Dipidax triquetra」)を「ウェブ全体で検索」してみましたが、全てのページをチェックできるくらいしかヒットしませんでした(属名だけなら、それなりにヒットします)。その中で、日本語のページは、今現在、ここだけです(「Dipidax」だけなら、もう一件ヒットします)。海外には写真付きのページもありましたが、どうやら、写真の花はディピダクス・トリクエトラで間違いないようです。いくつか見つかった説明によると、南アフリカの湿地(沼沢)に自生しているようです。英名も「湿地の星」を意味しています。
 ついでに、と言うわけではありませんが、写真を差し替えました。ただし、花茎の先端の花が病気か何かのせいで枯れてしまったので、その部分は摘除しています

もう一言2(2003.5.4.)
 写真を差し替え・追加しました。今年も咲きました(^^)。昨年の10月上旬に球根の植え替えをしたところ、今年の3月中旬から開花しました。今年は病気対策をしたので、一部を除いて、花序の花が全て咲きました。始めに植えた球根は5個だったと思いますが、今は、それより増えています。今年は右の写真のような白い花を咲かせる株が2株ほどありました。突然変異でしょうか?謎です。その2株は、斑点がある花を咲かせた株より咲き始めが遅かったです。
 昨年の秋、播種にも挑戦してみました。タネの採取と保存については前述の通りです。播種は昨年の10月上旬、発芽は早いものは12月上旬、遅いものは今年の2月上旬でした。冬の間は順調に成長し、10cmくらいまで伸びましたが、現在は成長が止まっています。ちゃんと育つか、咲くまでに何年掛かるか気になります。今年は白花のタネを採取してそれから白花が咲くか確かめてみたいと思います。

もう一言3(2005.5.4.)
 2年ぶりの更新です。
 このページを公開した当初は「クリスタルリリー」という別名を書いていましたが、情報源が曖昧なことがあって、削除していました。今年、改めて調べたところ、現在も「クリスタルリリー」として流通しているようなので、改めて追加しました(参考:花ねこさんのブログ花屋ねこじゃらし)。
 昨年の春は、上の写真・右側のような無地の花が僅かに咲いた程度でした。今年の株は、昨年の11月末に出芽を確認しましたが(実際は、これより前に芽が出ていたかもしれません)、暖かくなってから葉っぱの上半分が枯れてしまい、花が全く咲きませんでした( つД`)゜・゜。今年は、タネから育てた株にも花房らしき膨らみが出来ていました(出芽は親株と同時期に確認しています)。タネを播いたのが2002年10月上旬なので、播種から2年半程度で花芽分化するようです。開花まで至らなかったのが、残念です。

 
HOME   植物名一覧

このページ内の文章・画像の転載を禁止します