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ネモフィラ・メンジージー[ルリカラクサ]

ネモフィラ・メンジージーネモフィラ・メンジージー・アトマリア
 var. atomaria ‘Snowstorm(スノーストーム)’


ハゼリソウ科ネモフィラ属(ルリカラクサ属)
学名正名:Nemophila menziesii Hook. et Arn.、異名:N. insignis Dougl. ex Benth.
英名baby-blue-eyes
和名ルリカラクサ(瑠璃唐草)
別名ネモフィラ・メンジージー、ネモフィラ・インシグニス、コモンカラクサ(小紋唐草)
花言葉

愛国心

メモ

 ネモフィラ属の説明はこちらをご覧下さい。
 原産地は、北アメリカのオレゴン州、カリフォルニア州です。
 日本に初めて渡来したのは明治10年で、この時は N. insignis(インシグニス)として導入されたそうです。また、その当時は、N. menziesii(メンジージー)がインシグニスとは別種として扱われていたそうで、メンジージーとして日本に渡来したのは大正2年だそうです。
 メンジージー(N. menziesii)が正名ですが、異名のインシグニスで販売されているので、こちらの方が正名よりメジャーかもしれません。

 種小名の「menziesii」は、図鑑によって読み方が違って、「メンジージー」(「園芸植物大事典」)、「メンチーシイ」(「最新園芸大辞典」)、「メンジエシー」(「農業技術大系・花卉編8/1・2年草」)、「メンチィェシー」(「原色花卉園芸大事典」)、「メンジェシー」(「原色園芸植物図鑑」)がありますが、ここでは、「園芸植物大事典」に従いました。なお、このページを改訂するまで、「menziesii」の意味を「ヨウラクツツジ属の」と解説していましたが、これは誤りで、Menzies という人の名前に由来するそうです(ヨウラクツツジ属[Menziesia:メンジーシア]も人名[A. Menzies:スコットランドの植物学者]に由来しますが)。ここに訂正するとともに、お詫びします。

 変種として、
var. atomaria (Fisch. et C. A. Mey.) Chandl.(英名:white baby-blue-eyes
  花色は白で、濃い紫色の斑点がある。
var. discoidalis (Lem.) Voss.
  花色はブロンズ色がかった紫色で、縁が白色。
があるそうです。1946年に発表された Rick氏の要旨らしき文献によると、var. atomaria は、基本種であるメンジージーとは交雑しなかったそうです。交雑しないのなら別種ではないかと思うのですが(別種でも種間交雑する植物はありますが)、基本種と変種でも交雑しないものなのでしょうか? 勉強不足ですみません。

 左の写真は、タキイ種苗の「インシグニス ブルー」です。「インシグニス(insignis)」が種小名なので、「ブルー」が品種名かもしれませんし、海外には、‘Insignis’という品種があるらしいので、‘インシグニス・ブルー’が品種名になるかもしれません。常々思っていることですけど、種苗会社には、種と品種の区別に気を使って貰いたいです。その他の品種として、‘Pennie Black(ペニーブラック)’(日本でも販売されています)、‘Alba’、‘Grandiflora’等があるそうです。右の写真の‘Snowstorm(スノーストーム)’は、 var. atomaria の品種だそうです。

 栽培に関することは、ネモフィラ属の解説にまとめましたので、そちらをご覧下さい。
 雄ずい先熟で、花が咲くのと同時に開葯するそうですが、柱頭が受粉できるようになるのはその2〜3日後だそうです。花粉は虫媒されますが、主な媒介者は色々な種類のハチやハエだそうです。

 ネモフィラ属の日本での属名はルリカラクサ属ですが、オオイヌノフグリの別名の一つもルリカラクサだったような。

追記(2004.3.7.)
 左の写真のサイズを変え、‘スノーストーム’の写真を追加し、淡路花博で撮影した写真を削除しました。メモを書き改めました。
 カワラナデシコサクユリゼニアオイは変種や亜種で一つのページを作りましたが、ネモフィラ・メンジージーは、基本種と変種を分けて紹介できるほどの資料がなかったので、一つのページにまとめました。ご了承下さい。


本棚以外の参考文献
  • 本田正次ら監修.原色園芸植物大圖鑑.北隆館.1984年.(コモンカラクサの漢字表記)

  • 塚本洋太郎監修.原色・花卉園芸大事典.養賢堂.1984年.

  • 塚本洋太郎.原色園芸植物図鑑[I]一・二年草編.保育社.1972年.

  • Brako, L., et al. Scientific and Common Names of 7,000 Vascular Plants in the United States. APS Press. 1995.var. atomaria の英名)

  • Rick, C. M. Studies of natural populations in the Nemophila menziesii-atomaria complex. American Journal of Botany. 33: 825. 1946.

  • Andersson, S. Floral stability, pollination efficiency, and experimental manipulation of the corolla phenotype in Nemophila menziesii (Hydrophyllaceae). American Journal of Botany. 81: 1397-1402. 1994.

コメント

 昨年の9月半ば過ぎに播種、気温が下がってから無加温温室で栽培したところ、1月中旬に最初の花が開花しました(写真左)。今年はいつもの年より気温が低くて温室でも−5℃まで下がってしまい、耐寒性があるといわれるネモフィラも少し傷んでしまいました。乾燥気味の方が栽培に適しているそうです。

 初めてこの花を意識して見たのは昨年の淡路花博の時でしたが(写真右)、その時は巨大なオオイヌノフグリかと思いました(^^ゞ。3月末と早い時期に行ったせいで何もなかった中、鮮明な青色がインパクトありました。それに比べて、自分で育てた花がくすんでいるように見えたので改めて写真を引っぱり出してみましたが、思い出が美化されていたようです(^^ゞ。そう言えば、オオイヌノフグリの別名に「ホシノヒトミ」というものもあるようですが、ネモフィラ・インシグニスの英名「baby-blue-eyes」に通じるものがあるような気がします。(2001.1.21.)

もう一言(2004.3.7.)
 ‘スノーストーム’の播種は2002年10月上旬、発芽はその約10日後、最初の開花は2003年2月上旬でした。無加温の温室内で栽培しました。サカタのタネから購入したものですが、もちろん、コレクションに入れるべく選択しました(^^)
 このページを初めてアップロードした2001年1月21日の時点では、「ネモフィラ・メンジージー」でヒットするページは1桁ほどだったと思いますが、今は20数件と増えています。もっとも、うちのサイト内だけで7ページ(ネモフィラ属のページを追加したので、いずれ8ページ)がヒットし、およそ3分の1を占めてていますが(^^;

 
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