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ビオラ

ビオラ花弁電顕写真
品種:‘ブラックジャック’花弁電顕写真


スミレ科 スミレ属
学名Viola sp.
英名violettufted pansy
和名 
別名 
花言葉忠実
メモ

 属名はギリシア語の「イオン(ion)」を語源とするラテン古語に由来し、ゼウスによって牛に変えられたイオという少女のためにこの花が生まれたという伝説が基になっているそうです。

 パンジーより「V. cornuta」の血を強く持った系統です。1860年代にJames Grieveという人が、原種の「V. cornuta」と「V. lutea」、パンジーとの交配を行い、後にStuartという人が改良し、小輪白花、多花叢生種を選抜して「Violetta」と名付けたものが始まりだそうです。ある本を参考に、改訂するまで種名を「wittrockiana」としていましたが、これは正しいのでしょうか?(2001.2.4.改訂)

 パンジーとは花の大きさで区別して、ビオラが小輪、パンジーが大輪ですが、大輪系ビオラや中小輪系パンジーが育成され、境目が曖昧になっています。この他、前述の通り、ビオラとパンジーでは育種に利用された原種が違ったり、ビオラはパンジーより花数が多く強健で、長期間花が楽しめる、小輪多花性で更新が早いので、寒冷地でも寒さによる花の傷みが目立たないという特徴があるそうです。

 この品種は黒花ですが、花の色素に黒色は存在せず、紫の色素が多量に含まれるため黒く見えます。

コメント

 9月半ば過ぎに播種したところ、9月末に発芽しました。気温が下がってから無加温温室で育てていたところ、12月上旬に最初の花が開花しました。花径2cmの極小輪の品種です。普通、ビオラやパンジーは5号(15cm)鉢に1株の割合で植えると良いそうですが、6号鉢に5株と密植しちゃいました(^^;。狭い面積で種子を無駄なく使う方法ってありませんかね?

 開花直後は期待通りの黒に見えたのですが、2日目くらいから紫色になってしまいました。気温が低い方が黒色が冴えるそうです。(2000.12.17.)

 右は花弁の電子顕微鏡写真です。かなりざらついていますが(^^ゞ。花弁が黒く見える要因に,紫色の色素が多量に含まれていることの他に、花弁の表面の凹凸が大きく影が出来やすいことが挙げられます。そこで、実際に電子顕微鏡で見てみましたが、なるほど、ギザギザしています。でも、比較する対照がないので、どれほどのものか分かりませんね(^^ゞ。機会があったら、他の花でも試してみたいと思います。

花弁の表皮細胞の形態で花の色が変わることについて触れている文献(このサイトの「本棚」では紹介していません)

  1. 安田 齊「改訂版花の色の謎」(東海大学出版会)1986年
  2. 野田健一「生物の科学 遺伝」1997年4月号の中の「細胞の形態によって変わる花色」(裳華房)
(2001.1.23.)

 
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