属名は、リンドウ属のある種の薬効を発見したと伝えられる、ゲンティウス王の名前に因みます。
エゾリンドウは、本州の中部から北海道に自生しています。主に切り花用に園芸種として栽培されたり、品種育成に利用されています。 切り花としての栽培が始まったのは昭和25年頃からで、今からおよそ50年前と、そう古くはありません。品種も、岩手県で育成された‘いわて’という品種が、昭和52年に種苗登録されたのが最初で、他の花に比べたら比較的新しいです。写真の品種は、‘いわて’、‘マシリィ’、‘ジョバンニ’のどれかだと思います(担当者不在の今、どれがどれだか・・・(^^ゞ)。
営利栽培では、播種から収穫まで3年かかると言われています。二年目で花を咲かせることも出来ますが、株の充実を図るため、収穫はしないそうです。夏に冷涼にならないと栽培は困難といわれていますが、写真をご覧の通り、仙台の平地(今年は涼しかったですが、例年は、夏は30℃を超えます)でも栽培は可能です。6、7月頃から10月頃まで、比較的長く咲き続けます。
薬になるのは、根茎と根で、それを乾燥させたものを漢方で竜胆(りゅうたん)と言います。苦さが竜の胆に匹敵するだろう、と考えられたことから付いた名前だそうです。成分は、ゲンチオピクリン、スウェルチアマリン、ゲンチアニン、ゲンチジンなどです。
青い色の色素はゲンチオデルフィンで、中性の希薄溶液中で安定な多アシル化アントシアニンです。 |