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マーシュマロウ

マーシュマロウ花マーシュマロウ
マーシュマロウ葉


アオイ科ビロードアオイ属(アルタエア属)
学名Althaea officinalis L.
英名mallard, marsh mallice, marsh mallow、Moorish mallow, water mallow, white mallow
和名ビロードアオイ
別名ウスベニタチアオイ(薄紅立葵)、マーシュマロウ
花言葉恩恵、慈善、優しさ、説得
利用部花、葉、根茎
利用法入浴剤、ハーブティー、食用
薬効去痰、消炎、利尿、鎮痛、止血
メモ

 ビロードアオイ属の解説は、こちらをご覧下さい。
 名前はマロウですが、ゼニアオイ属ゼニアオイ(コモンマロウ・モルチアナ)ムスクマロウと違ってアルタエア(ビロードアオイ)属です。英名の「marsh mallow」は「沼地のアオイ」の意味で、野生での生育地に因むそうです。
 西・中央アジア、東ヨーロッパに分布しているそうです。また、アメリカ合衆国東部にも帰化しているそうです。日本へは、明治19年より前に渡来したそうです。

 耐寒性がある多年草です。草丈は、2メートル程まで伸長します。有毛です。葉は卵形で、切れ込みはないか、掌状に3、あるいは、5浅裂し、鋸歯があります。葉腋に花が一つ着く場合と、腋芽から側枝が発達して、花序を形成する場合があります。花色は淡桃色で、稀に濃いピンクのこともあるそうです。葯は、紫赤色です。
 繁殖は株分けか、実生で行います。土質は選びませんが、肥沃で、湿気があると良いそうです。また、陽当たりを好むそうです。耐寒性があり、−10℃くらいまでなら耐えられるそうです。
 発芽率が低いそうです。種子の発芽は、20〜30℃の間の変温・明条件で促進され、20℃一定温度・暗条件で劣るという実験結果があります。

 マロウの中でも高い薬効を持つと言われ、その薬効は紀元前9世紀には既に知られていたそうですが、ヨーロッパでは9世紀から栽培されたそうです。全草に粘液物質、アルテイン(althaein)、糖が含まれているそうです。薬効が高いのは根で、花や葉は根に比べたら劣るそうです。
 根は、アルテア根(Radix Althaea)として、胃の炎症を抑えたり、消化器の疾患に利用されたそうです。根に含まれている成分は、デンプンが約4割、粘液物質が約1割、ペクチン、フラボノイド、ショ糖などが約1割だそうです。根は、二年目の物を秋に収穫すると良いそうですが、粘液物質は、冬に最も多くなるそうです。また、根の粉末が咳止め用のトローチ剤の原料として用いられ、これがお菓子のマシュマロの原型になったそうですが、現在は、マーシュマロウは含まれていません。根は、他に、軟膏として利用できたり、口内炎に対して用いることが出来るそうです。
 地上部は、夏に花を着け始めるときに採取すると良いそうです。花をすりつぶした物は、皮膚炎に用いることが出来るそうです。野菜として利用されていたこともあったそうです。
 他に、繊維が紙の原料として使うことが出来るそうです。

追記(2004.7.20.)
 ビロードアオイ属の解説を追加したのに伴い、内容の一部をそちらに移し、ほぼ全文を改訂しました。


本棚以外の参考文献
  • Watts, D. C. Elsevier's Dictionary of Plant Name and Their Origin. Elsevier. 2000.

  • Ilieva, St., et al. Germination of Althaea officinalis L. seeds at varying temperature and light regimes. Acta Horticulturae. 96: 211-220. 1980(摘要のみ参考)

  • A. シヴァリエ原著.世界薬用植物百科事典.誠文堂新光社.2000年.

コメント

 改訂を機に、このコメントも追加しました。
 私は手を出していませんでしたが、職場のハーブ畑で栽培していました。いつも、この時期に咲いていましたが、今年は育てていないのか、見かけません。(2004.7.20.)

 
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