このページ内の文章・画像の転載を禁止します

ダリア属


このサイトで紹介している種

ダリア      
ダリア
(× hortensis
     

キク科Compositae, Asteraceae
学名Dahlia Cav.
和名テンジクボタン属(天竺牡丹属)
英名dahlia
分布中南米。メキシコ〜コロンビアの山地
種数約30種(資料によって異なります)
属名の性別女性

属名の由来

 スウェーデンの植物学者で、Carl von Linné氏(カール・フォン・リンネ、1707〜1778年)の弟子であった、Andreas Dahl氏(アンデルス・ダール、1751〜1789年)を記念したもの。参考までに、命名したのは、1790年にヨーロッパで初めて D. pinnata を咲かせた Cavanilles(カバニレス)神父(Cav.Cavanilles)。

旅行にある
関連施設
世界ダリア園
メモ

名前について
 属名のカタカナ表記について、このサイトが準拠している「園芸植物大事典」では、ダール氏に因むので「ダリア」とされていますが(他に、「ダーリア」としている図鑑等は、「日本花名鑑」、「園芸植物名の由来」)、馴染みがないと思うので、このサイトではダリアとしました。また、「ダリ」と言う表記を見かけますが、学名は「Dahlia」と綴るので、「ダリ」が正しいと思います。なお、「ダリア」は本来はダリア属のことですが、一般には、広く栽培されている草本性の園芸品種のことを指します。


形態・生態・栽培など
 多年生の草本か亜低木です。一部の例外を除き、地下部は塊根で、普通、紡錘形をしています。直立する種(しゅ;species)の他、つる性の種もあるそうです。茎は中空で、一本〜複数、普通分枝しません。歯状か羽状に切れ込みが入った葉が、対生か輪生します。長い花茎の先端に頭状花序が着きます。花序の基部の総苞片は2列あり、外側(葉状で肉質、緑色、開花時に反り返る)と内側(薄い膜状、開花後に伸長する)で形態が異なります。花床は平らか凸状です。舌状花は雌花か、稔性がありません。色は赤、紫、オレンジ、黄色、白などです。筒状花は両性花で、普通黄色です。園芸品種では、筒状花が少ないか全く無いことがあります。子房下位で、果実は二つの芒(のぎ;棘状の突起物)がある痩果です。


種類など
 種数は上記の通りです。一部の種について、下記に挙げます。

・ヒグルマダリア(D. coccinea Cav.
D. excelsa Benth.D. gracilis Ortg.
ダリア(正名:D. × hortensis Guillaumin、異名:種のページ参照。)
・コダチダリア(別名:コウテイダリア[皇帝ダリア];D. imperialis Roezl. ex Ortg.
D. juarezii hort. ex Sasaki
D. merckii Lehm.
D. pinnata Cav.
D. scapigera (A. Dietr.) Knowles et Westc.D. tenuicaulis Sorensen


利用について
 原産地の中南米では、16世紀にスペインが支配する以前から長い栽培の歴史があるそうで、アステカ族にとっては食糧、家畜の飼料、薬草などとして重要な植物であったと考えられているそうです。アステカ族がダリアを表す言葉の一つに「cocoxochitl(送水管、配水管)」というものがあるそうですが、これは泌尿器病に用いていたことに由来するそうです。また、コダチダリアは「acocotli(中空の茎)」と呼ばれていたそうですが、これは、長い茎が水を引くのに利用されていたことによるそうです。


本棚以外の参考文献
  • Hanelt, P. Mansfeld's Encyclopedia of Agricultural and Horticultural Crops. 2130-2131. Springer. 2001.

(2006.6.5.)
 
HOME   植物名一覧

このページ内の文章・画像の転載を禁止します