名前について
属名のカタカナ表記について、このサイトが準拠している「園芸植物大事典」では、ダール氏に因むので「ダーリア」とされていますが(他に、「ダーリア」としている図鑑等は、「日本花名鑑」、「園芸植物名の由来」)、馴染みがないと思うので、このサイトではダリアとしました。また、「ダリヤ」と言う表記を見かけますが、学名は「Dahlia」と綴るので、「ダリア」が正しいと思います。なお、「ダリア」は本来はダリア属のことですが、一般には、広く栽培されている草本性の園芸品種のことを指します。
形態・生態・栽培など
多年生の草本か亜低木です。一部の例外を除き、地下部は塊根で、普通、紡錘形をしています。直立する種(しゅ;species)の他、つる性の種もあるそうです。茎は中空で、一本〜複数、普通分枝しません。歯状か羽状に切れ込みが入った葉が、対生か輪生します。長い花茎の先端に頭状花序が着きます。花序の基部の総苞片は2列あり、外側(葉状で肉質、緑色、開花時に反り返る)と内側(薄い膜状、開花後に伸長する)で形態が異なります。花床は平らか凸状です。舌状花は雌花か、稔性がありません。色は赤、紫、オレンジ、黄色、白などです。筒状花は両性花で、普通黄色です。園芸品種では、筒状花が少ないか全く無いことがあります。子房下位で、果実は二つの芒(のぎ;棘状の突起物)がある痩果です。
種類など
種数は上記の通りです。一部の種について、下記に挙げます。
・ヒグルマダリア(D. coccinea Cav.)
・D. excelsa Benth.
・D. gracilis Ortg.
・ダリア(正名:D. × hortensis Guillaumin、異名:種のページ参照。)
・コダチダリア(別名:コウテイダリア[皇帝ダリア];D. imperialis Roezl. ex Ortg.)
・D. juarezii hort. ex Sasaki
・D. merckii Lehm.
・D. pinnata Cav.
・D. scapigera (A. Dietr.) Knowles et Westc.
・D. tenuicaulis Sorensen
利用について
原産地の中南米では、16世紀にスペインが支配する以前から長い栽培の歴史があるそうで、アステカ族にとっては食糧、家畜の飼料、薬草などとして重要な植物であったと考えられているそうです。アステカ族がダリアを表す言葉の一つに「cocoxochitl(送水管、配水管)」というものがあるそうですが、これは泌尿器病に用いていたことに由来するそうです。また、コダチダリアは「acocotli(中空の茎)」と呼ばれていたそうですが、これは、長い茎が水を引くのに利用されていたことによるそうです。
本棚以外の参考文献
(2006.6.5.)
|