名前について
「Elsevier's Dictionary of Plant Name and Their Origin」、「花ことば」、「リーダーズ英和辞典」によると、英名の Candytuft は「Candia」+「tuft」だそうで、「Candia」はクレタ島、あるいは、クレタ島の古都(現在のイラクリオン)のことであり、また、「tuft」は「房」を意味し、散房花序であることを表しているそうです。「園芸植物 庭の花・花屋さんの花」では「花が盛り上がった砂糖菓子のようだということから」と説明されていましたが、同様の解説は、他には見つかりませんでした。 和名はマガリバナ属、中国名は屈曲花属だそうです。マガリバナは、前出の「花ことば」によると「花弁の大きさが揃っていないから『歪り花』(マガリバナ)」だそうです(「歪」には「まがる」という読み方はないと思いますが)。私が crenata種を育てていた時、茎が色々な方向に曲がっていたので、もしかしたら、そのことを表しているのかな?と思いましたが、実際はどうなのか分かりません。
形態・生態・栽培など
| 一年生あるいは多年生の草本・亜低木だそうです。 小花は総状花序か散房花序を形成するそうです。小花には4枚の花弁がありますが、左の写真のように、花序の中心に向かっている2枚より外側に向かっている2枚の方が大きいという特徴があります。花言葉は、この小花の形に由来すると言われています。なお、写真はcrenata種の物です。 |
一年草の種は切り花、鉢物など、亜低木の種はロックガーデンなどと、用途によって大別されるそうです。一般に、日当たりと水捌けが良い土地が向いていますが、半日陰で育てた方が良い種もあるようです。酸性の土壌でも育つそうです。耐寒性のある種の中には、−15℃の低温にも耐えることが出来る種があるそうです。繁殖は、一年生の種は実生で、亜低木の種は挿し芽で行います。
種類など
種数は上記の通りですが、ここでは、主に「キャンディタフト」として栽培されている種と和名が付いている種を挙げておきます。
・I. amara L.(bitter candytuft)
・I. crenata Lam.(candytuft)
・ニオイナズナ(I. odorata L.)
・トキワナズナ(I. sempervirens L.;perennial candytuft, evergreen candytuft)
・I. umbellata L.(florist's candytuft)
本棚以外の参考文献
Watts, D. C. Elsevier's Dictionary of Plant Name and Their Origin. Elsevier. 2000.
松田徳一郎監修.リーダーズ英和辞典(初版・第21刷).研究社.1995年.
Quattrocchi, U. CRC World Dictionary of PLANT NAMES. Vol. II. CRC Press LLC. 2000.
(2003.3.22.)
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