このページ内の文章・画像の転載を禁止します

ベゴニア属


このサイトで紹介している種、グループ

ベゴニア・センパフローレンス 木立性    
センパフローレンスとその交雑種
semperflorens-cultorum
木立性
(種不明の物と園芸品種群)
   

シュウカイドウ科Begoniaceae
学名Begonia L.
和名シュウカイドウ属
英名begonia
分布オーストラリアを除く全世界の熱帯や亜熱帯。特にアメリカ。
種数900〜1000種(文献によって違います)
属名の性別女性
属名の由来フランス系カナダ人の統治者であり、植物学の後援者であった Michel Begon(1638〜1710)に因む。
花言葉不格好、奇形
旅行にある
関連施設
なばなの里
メモ

形態など
 多年生です。多肉質で、草本、低木、蔓性の種があります。根は、繊根、球根、根茎のいずれかだそうです。葉は左右で大きさが異なり、「elephanta's ear(ゾウの耳)」と称されることがあるそうです。また、様々な色があるころから、観葉を目的として栽培されることがあります。なお、葉序は互生葉序です。托葉は2枚あります。花序は、頂生か腋生で、集散か総状です。花は独特な形をしているので、見れば、ベゴニアの仲間ということが分かると思います。雌雄異花で雄花と雌花があり、一つの花序の中に雄花と雌花が含まれます。花被片は、雄花では2〜4枚、雌花では2〜6枚で、このうちの2枚は萼片に相当する物(外花被片)で、残りの花弁に相当する物(内花被片)がないことがあるそうです。外花被片と内花被片は大きさが異なり、外花被片の方が大きいです。花色は、赤、ピンク、白、黄〜オレンジで、二色のこともあるそうです。雄花の形態は、雄しべは多数で、花糸は離生しているか基部で合着して筒を形成しているそうです。葯は黄色です。雌花の形態は、花柱は3本で、離生しているか基部で合着していて、柱頭は分岐したり捻れたりしています。子房は下位で、果実は胞背裂開刮ハで、縦方向に伸びる突起(翼[よく])があります。雄花と雌花は大きさが異なることがあるそうですが、そのような場合でも、花色は同じだそうです。


分類について
1.園芸的分類(日本ベゴニア協会による)
 園芸上の分類に関して、「農業技術大系・花卉編9・宿根草」によると、根や茎の形態や交配上の親種などに基づいて、日本ベゴニア協会によって、以下の8つの群(グループ)に分類されているそうです(原文のスペルミスと思われる単語は、修正しています)。

  1. 木立性ベゴニア(erect stemmed Begonia
    • 矢岳型(cane type
    • 叢生型(shrub type
    • 多肉茎型(thick stemmed type
    • つる性型(trailing type

  2. 根茎性ベゴニア(rhizomatous Begonia

  3. 球根性ベゴニア(tuberous Begonia

  4. 球根ベゴニア(tuber-hybrida

  5. レックスベゴニア(rex-cv.

  6. センパフローレンス(semperflorens

  7. 冬咲きベゴニア(Begonia cheimantha

  8. エラチオールベゴニア(Begonia hiemalis

 上記の分類法は1978年に発表されたそうで、オリジナルはアメリカベゴニア協会が考案した物だそうです。これに代わる分類法も考案されていますが、ここでは省略します。
 エラチオールベゴニアの別名としてリーガル・ベゴニア(Rieger begonias、あるいは、リーガー・ベゴニア[Riegers begonias])という物がありますが、これは、エラチオールベゴニアを基に、ドイツのオットー・リーガー(Otto Rieger)氏が作出した品種群のことだそうです。
 分類法は他にもありますが、このサイトでは、この日本ベゴニア協会の分類に従うことにします。なお、栽培については、上記の群(グループ)によって異なることから、各群(グループ)の解説のページで紹介することにしましたので、そちらを参考にして下さい。

2.園芸品種の分類(RHS による)
 属のページで解説するのは違和感がありますが、「The New RHS Dictionary of Gardening」では、園芸品種を以下のように分類しています。上記の日本ベゴニア協会の分類と名前が類似しているグループがありますが、同じ内容かどうかは分かりません。なお、この分類は、葉の形状、花の咲き方などによって更に細分されるようです。

  1. Cane-like(矢竹型)

  2. Shrub-like(叢生型)

  3. Thick-stemmed(多肉茎型)

  4. Semperflorens(センパフローレンス)

  5. Rhizomatous(根茎性)

  6. Rex-cultorum(レックスベゴニア)

  7. Tuberous(球根性ベゴニア)

  8. Trailing scandent(蔓性型)


3.栽培上の分類(RHS による)
 「The New RHS Dictionary of Gardening」では、栽培を目的とする場合、成長習性に基づいて、以下の6つのグループに分類するのが良いだろうとされています。各グループの栽培方法については、省略します。

  1. Fibrous-rooted(繊根性)
      B. semperflorens とこれに由来する種・後代などB. scharffiimetallicaB. peltata、等

  2. Cane-stemmed(木立性)
      B.Lucerna’、B. albo-picta、等

  3. Tuberous(球根性)
      B. gracilisB. sutherlandiiB. picta、等

  4. Rhizomatous(根茎性)
      B. heracleifoliaB. boweraeB. rex とこれに由来する園芸品種、等

  5. Rieger begonias(リーガル・ベゴニア)
      B. socotrana

  6. Miscellaneous(適切な訳が出来ませんでした。上記の分類に入らない種だそうです。)
      B. vitifoliaB. wollnyiiB. ludwigii、等

種類
 種数は、以前は2000種と言われていたようですが、「農業技術大系・花卉編9・宿根草」によると、一つの種に複数の学名が付けられていたことがあったことから、実際には1000種ほどというのが定説になっているそうです。「The New RHS Dictionary of Gardening」や「The Plant-Book」のような海外の図鑑などでは、約900種とされています。和名が付いている種やグループを以下に挙げます。

・クリスマス・ベゴニア(別名:ハナベゴニア、冬咲きベゴニア、ローレーン系ベゴニア;B. × cheimantha T. H. Everett ex C. Web.
・シュウカイドウ(別名:ヨウラクソウ;B. evansiana Andr.
・コバノシダレベゴニア(B. foliosa H. B. K.
・エラチオール・ベゴニア(正名:B. × hiemalis Fotsch.、異名:B. × elatior hort.
・オオバベゴニア(B. rex Putz.
・レックス・ベゴニア(B. rex-cultorum L. H. Bailey
・ヒメベゴニア(正名:B. schmidtiana Regel、異名:B. schmidtii hort. Haage et Schmidt
四季咲きベゴニア(B. × semperflorens-cultorum hort.
・ハスノハベゴニア(B. socotrana Hook. f.
・球根ベゴニア(B. × tuberhybrida Voss

本棚以外の参考文献
  • 特にありません。

(2002.11.23./最新の更新:2007.3.4.)
 
HOME   植物名一覧

このページ内の文章・画像の転載を禁止します