− 暁のゲーム特急 −


■ 底抜け!脱線ゲーム
 ( 2000/11/21 )

司会者 「はい! 皆さまこんにちは!
  『底抜け脱線ゲーム』の時間がやってまいりました!」
(以下「司」)

ウノー 「こんにちは、ウノーです。 思考型ゲーム好きです。」
(以下「う」)

サノー 「こんちはー、サノーです! スカッとするゲームが好きです!」
(以下「さ」)


司会者/サノー/ウノー

「ここで『底抜け脱線ゲーム』について説明いたしましょう。」
 底抜け脱線ゲームとは……
 ★ クソゲーではないが、
 ★ 作り手が何かをカン違いしている
 ★ ルールは面白いけどノリが悪い
 ★ 大切な所が欠けている
 ★ 何故かわからないけど頭にくる
 ……と、プレイしていて思わず頭を抱えてしまう類のゲームの事を指します。

「そんなの、初めて聞きましたけど……。」
「あたりまえです。 今、作りました。」
「……………………。」
「さ、雄弁な無言は無視して、さっそくまいりましょう!
 これから紹介されるPCゲームをウノーさんとサノーさんに評価してもらい、 『最強の底抜け脱線ゲーム』を決定いたします!



★ WARZONE 2100 (未来開拓史ウォーゾーン 2100)

 未来を舞台にした3D・SFリアルタイム SIM 。
 戦闘ユニットを自らパーツを組み合わせて設計し、戦線に投入する。
 パーツの技術研究や、資源の確保もバランス良くこなさないと勝利は難しい。
 マルチ・プレイ対応

「あら、面白いじゃない。 地形や任務によって自分でユニットを設計できるのね。」
「えー、でも、リアルタイムだから設計に悩んでいる間も、どんどんゲームが進んでゆくんですよー。」
「それはアンタがトロいの。」
「う。 ………建物を何処に建設するか迷っている間に、敵のバイクに攻め込まれました……。」
「あははは。」

 ───── プレイ中 ─────
「3Dのマップがキレイですねー。 武器と爆発の効果もキレイですし。」
「 VooDoo II - Glide に対応しているからよね。 攻撃攻撃、と。」
「あー! それは火炎放射器を積んだバギーです!」
「あーっ!! ここはカノン砲を積んだ戦車じゃなきゃダメ!!」
「……相手基地に反撃されて全滅しましたよお……」


 ───── プレイ後 ─────
「箱庭でリモコン戦車を動かしているみたいで面白かったですねー。」
「何よ!コレは!! どんな戦車を設計してもグラフィックは同じじゃない!」
「みどり色でキレーですよ。 動いているトコロはカワイイし。」
「『戦車の性能』と『戦略』は密接に関係してるのに、外見の区別が付かなかったらイミないわね。」

<採点>
ウノー:★★☆☆☆
 ユニットの設計が出来る割には、その個性が出ていない。
サノー:★★★☆☆
 ミッションは面白かったけど、働くユニットがカワイくないです。



★ STAR WARS - FORCE COMMANDER

 映画「スター・ウォーズ」の世界を舞台にした3D・リアルタイム SIM 。
 (時代設定的には「1」と「2:帝国の逆襲」のあたり)
 銀河帝国の軍人となり、砂漠の惑星や雪の惑星でストーム・トルーパーやスカウト・ウォーカーに命令を下してミッションをこなしてゆく。
 マルチ・プレイ対応。

「わーい! すたーうぉーずだー!」
「………あんたスター・ウォーズ・マニアだったの……?」
「わー! AT-ST スカウト・ウォーカーがガチャガチャ歩きますよ!」
「…… AT ……何ですって?」
「わーい!! レーザーや爆発の効果音も映画と同じだー。」
「アンタ、スターウォーズ100回は見たクチでしょ……。」
「まさかぁ。 EPISODE IV から VI 、それぞれ50回づつ観ただけですよォ。 あ、テレビの吹き替え版は別にしてですけど。」
「……………。」


 ───── マルチ・プレイ中 ─────
「フムフム。 舞台は限られた戦場だから『資源と生産』いう概念はなくて、『功績ポイントと援軍』でユニットを追加するのね。 よく考えられているわ。」
「………操作がスゴク難しいです。」
「やっぱりアンタ、トロいわ。」
 ひゅーん ぼむ ぼむ ぼむ
「あー!! あたしの大事なスカウト・ウォーカーが!」
「うーん、ユニットのスケールをちゃんと計算しているせいか、メカに対して兵隊ユニットが小さくて見辛いわね。」
「だからってしっかりと Y-WING で爆撃しないで下さーい!!」

 ───── シングル・プレイ中 ─────
「さー! 帝国の士官になって、反乱軍を蹴散らしまーす!」
「『同盟軍』じゃなくて『反乱軍』とゆーところが、あのスジの人ね。」
「わ、いきなり砂の惑星タトウィン!」
「何話だっけそ……」
「わー! 3PO と R2 が脱出したポッドが落ちている! これを追跡すれば………このー! タスケンが撃ってきた! このこの!」
「やっぱり、このユニット見辛い……」
「ジャワスのクロウラー発見!! 『売られたロボットの行方を探査』 わーい! こんなシーンに立ち会えるなんて!」
「要は3Dの紙芝居……」
「きゃー、夜になってきたー!!」

 ───── プレイ後 ─────
「マルチ・プレイそっちのけでシングル・プレイしてたわね、アンタ。」
「あははー。 ついつい映画の『あの』シーンの中で遊べるもんで。」
「でも確かにマルチ・プレイは盛り上がらなかったわね。」
「小さい基地……」
「バンカーね」
「そ、結局はバンカーの取り合いだけでしょ。 映画のシーンで帝国対同盟のマルチプレイが出来たら面白かったのになー。」
「そうかもね。」

<採点>
ウノー:★★☆☆☆
 スターウォーズ好き専用ゲーム。 しかもシングル・プレイのみ。
サノー:★★★☆☆
 操作が難しかったし、マルチプレイが面白くなかった……。



★ STAR WARS - X-Wing Alliance

 映画「スター・ウォーズ」の世界を舞台にしたSF・フライト SIM 。
 宇宙商人の一員である主人公(=プレイヤー)が、帝国対同盟の戦争に巻き込まれてゆく、というシナリオをメインにプレイ。
 スカーミッシュ(乱戦)やマルチ・プレイでは、「ミレニアム・ファルコン」などシリーズに登場した機体ほぼ全てに搭乗可能。

「わーい。 またスター・ウォーズだ。」
「うえー。」
「何だかコレ、『 WING COMMANDER 』シリーズに似ていますねっっ!!」
「………アンタ、知らずにキツいボケをかますわね………。」
「???」

 ───── プレイ前 ─────
「私、一度でいいから Y-WING に乗ってみたかったんだー。 ヴィッグスさまー。」
「はいはい。 マニアしか知らないキャラの名前はださないように。」
「………何か、画面のドロイドに英語で怒られますけど……。」
「このロボット? ……………どーやら、シングル・プレイ用のシナリオをプレイしていないと、マルチ・プレイもスカーミッシュ・プレイも選択できないことがあるみたいねー。」
「ええー、そんなぁ。」
「だってホラ、マルチプレイ・モードは主人公の宇宙船の中のシミュレーターの中、って設定よ。 『仕事しないで遊んでいる』と見なされて怒られるみたい。」
「私、ルーカスさんの映画に出るワケじゃないのに………ブチブチ」

 ───── プレイ中 ─────
「英語が解らなかったけど、何とか1つのミッションをクリアしました。」
「日本語マニュアルにミッションの詳しい解説がついていたのは、この為だったのね……。」
「あ、もうドロイドに怒られません。 じゃ、乱戦モードへ、ゴー!」

(マニュアルを見て)「な、何よ、このキー・アサインは! フライト SIM の定番を全く無視しているじゃない!!」
「??? これ、 STAR WARS ゲームですけど。」
「…………………。 (……あほオタク。)」
「わーい! 音楽も効果音も STAR WARS ー!! きーーーん」
「このっ!! このっ!! このっ!! この敵機、すばしこいわねっ!!」
「ウノーさん。 首、動いてますよー。」
「おだまり! 何かでっかい宇宙船が出てきたわよっ! 魚雷、魚雷!」
「………あ、魚雷を積むの忘れてました。」
「この、大タワケぇぇぇぇっ!!」

 ───── プレイ後 ─────
「ふん。 操縦が簡単で、私の腕を見せられなかったわね。」
「確かに機体の差は、あまり無かったですねー。」
「そういや、『ミレニアム・ファルコン』も操縦できるみたいだけど。」
「ハン・ソロ船長の腕の凄さを思い知るだけでした……。 あまり面白くなかったです。」
「フライト・モデルがこなれてないのかしらねー。」
「あともうちょっと、自由に『スター・ウォーズ』の世界を楽しめたら最高でした……。」

<採点>
ウノー:★★☆☆☆
 スターウォーズ・マークの付いたアクション・ゲーム。 それ以上ではなし。
サノー:★★☆☆☆
 もっと自由に「スター・ウォーズ」の世界で遊びたいです。



★ STAR WARS - Rebellion

 映画「スター・ウォーズ」の世界を舞台にしたストラテジー・ゲーム。
 プレイヤーは帝国軍か同盟軍を受け持ち、宇宙船を作って艦隊戦をしたり、「ダース・ベイダー」「ルーク」「ハン・ソロ」などのキャラクターを活動させて、各星系を自陣営のものにする。
 各陣営の勝利条件を満たせば、勝利。

「あーあ、またスター・ウォーズ?」
「うわー! 設定はしっかりしてますよー!! 『デス・スターは1撃で敵艦隊を破壊でき、反撃は戦闘機1個小隊のみ』 とか 『ルークは初期状態では見習いジェダイ・ナイトである』 とか 『ハン・ソロには機体開発能力がある』 とか ………(以下延々)」
「………あたしゃ、知らんわ。」
「ベイダーさまは捨てがたいけど、やっぱり同盟でプレイ!」
「ハイハイ。」

 ───── プレイ中 ─────
「あー! ちゃんとヤヴィンに基地があるー!」
「ハイハイ。」
「えーと、レイアを外交使節として送って、ソロ船長を開発に回して、艦隊を生産して………あら? 『工業力がたりない』って。」
「何だか、同盟の資源も工業力もドン尻みたいよ。」
「え? どこどこ? どこに書いてあるの?」
「サブ・スクリーンの中のこのタブをクリックするの。」
「こんなの、気付かないよ〜。」
「あら? レイア姫が『外交交渉、成功しました』って言ってるわよ。」
「え? え? え?」
「何だかコレ、リアル・タイム制みたいね。」
「えええええええーーーー。 ゆっくり考えられないいーー。」
「あ、帝国軍が攻めてきたわよ。」
「え? え? 3次元のマップに配置して………えい! よく解らないから『自動戦闘』!」
「『撤退します』、だってさー。」
「あああああ、ウェッジさま率いる X-WING 部隊がああ。」

 ───── プレイ後 ─────
「リアルな設定よねー。 同盟軍がボロ負けしたわ。 あー面白かった。」
「………面白くないです。」
「まーまー。 操作性も悪かったんだから、しょーがないじゃない。」
「映画みたいな艦隊戦が出来ると思ったのに……。」
「ま、元気だしなさい、こんなゲームもあるから。 『銀○征服』。」
「それ、ボード・ゲームじゃないですかッ!」
「ウワサによるとルーカス・アーツは、版権を与えなかった『銀河○服』に似ないように、このゲームを作ったらしいわよ。」
「………だからって………ブチブチ。 スナオにわかりやすいシステム使ってくれればいいのに……。」

<採点>
ウノー:★☆☆☆☆
 大事なルールが掴みにくかったわね。
サノー:★★☆☆☆
 見たいデータがなかなか見られなくて、いらいらしました。



★ カルネージ・ハート・ゼウス ( Windows 版 )

 プレイステーションで発売された、ロボット・SIM のPC版。
 プレイヤーはロボットの設計&プログラムを行い、ミッションをこなしてゆく。
 設計したロボットは、他のプレイヤーと対戦可能!

「いいわねー、こんなゲーム。」
「うげー、ゲームの中でまでプログラミングしたくないです。」
「三体のロボットのタイプを決めて、動きをプログラムするんでしょ。 おもしろそーじゃない。」

 ───── プレイ中 ─────
「…………………。」
「…………………。」
「なんなのよ! コレはッ! これっ!!」
「まぁまぁ。」
「黒い画面の真ん中にポコッと浮かぶ、小さなゲーム画面!!」
「……まぁ、プレステのエミュレータで動かしているんだと……。」
「そんなこたぁ、知ったこっちゃないわ! これのプログラマはすぐに尼寺へ行くべきよッ!!」
「『ハムレット』ですね。」


 ───── さらにプレイ中 ─────
「…………………。」
「…………………。」
「あ゛ーーーっっ!! イラつくっ!!!」
「ウノーさん、落ち着いて下さーい。」
「何でロボットを作るまでに、下手なセリフを強制的に読まされて、バカっぽい教官に罵倒されて、カクカクの3Dアニメを見せられなきゃいけないのよっ!!!」
「あ、ホラ、コレって元々、コンシューマー・ゲームですから、プログラムをしたことのない人の為にガイドが必要なんじゃないかなー、と思うんですけど……。」
「コレは、PCゲームでしょ!!!」
「まー確かに、いきなりガチャガチャッとロボット作って、ダーッとプログラム組んで、トコトコッと動かしたいですけどー。」
「ああああああああ、今度は歴史設定までヘタなセリフ回しで読まされるのぉぉぉ。」

 ───── プレイ後 ─────
「…………………。」
「ウノーさん、やっぱり、こーゆーの強いですねー………。」
「…………………。」
「こ、この、ピョンピョン跳ぶロボット、カワイイですよねー……。」
「…………………。」

<採点>
ウノー:(採点拒否)
 何も言いたくありません。 現在、「 C-ROBOT 」をやっています。
サノー:★☆☆☆☆
 登場人物はありがちだけど、ロボットの動きは可愛かったです。



「さあ! 『最強の底抜け脱線ゲーム』の発表です!!」
 でれでれでれでれでれでれでれでれ

「得票では『カルネージ・ハート・ゼウス』がダントツですが、ウノーさんが採点放棄した為、除外されます。 よって………
 『 STAR WARS - Rebellion 』
 に決定いたしましたー。」
 (喝采)

「それでは両者に『 STAR WARS - Rebellion 』について、ご意見をうかがってみましょう。」
「凄いSFゲームに見えつつ、それほどでもないゲームシステムが印象に残ったわね。」
「ベイダーさまと戦いたかったです………。」
「ありがとうございました。」

「さらに、製作したゲームが3つも『底抜け脱線ゲーム』にノミネートされた、
 『 LUCAS ARTS GAMES 』
 に、『底抜け脱線メーカー賞』を差し上げまーす!!」
 (喝采)

司 「それでは、またお会いしましょー!」
う 「イヤ」
さ 「やだ」





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