アンリアル・トーナメント G.O.T.Y.
  Unreal Tournament G.O.T.Y.
    ( Game Of The Year Edition )

 Infogrames / EPIC Games
 / Digital Extremes

 / サイバー・フロント
 (英語版・日本語マニュアル付)


駆けろ! 撃て!!



■ ゲームについて

 このゲームは対戦をメインとした3Dガン・シューティング──いわゆる、銃をブッぱなして相手プレイヤーを倒すアクションゲームである。

 よくあるタイプの3Dシューティングは、迫り来るモンスターを倒しつつステージをクリアするものが多く、そこを舞台にしたプレイヤー同士の面白い「対戦」は、「マルチプレイ」としてゲームの1オプションになっている。

 が、この「 Unreal Tournament 」は、プレイヤー同士の「対戦」がメインとなっているのである。

 古城、ビルディング、溶鉱炉付きの鉄工所、はては光速飛行中の宇宙船、と、ハリウッドのB級アクション映画のような場所を舞台に、
 有利なポジションを見極め、状況に応じた武器を選択、そして、
  撃つ! 撃つ!! 撃つ!!!
   さらに見つけだして撃つ!!!

  相手を沈めろ!! 最後に残った者が勝者だ!!!
 ハイ、そこの人、引かないで下さい。

 対戦するプレイヤーは、人間の代わりに「 BOT 」と呼ばれるコンピューターの A.I. が受け持つことが出来る。
 (もちろんネットワークに接続したPCならば人間を相手にプレイできる)
 この「 BOT 」は、秀逸である。
 バカな動きをしたり小賢しい動きをしたり、かなり人間くさく、本物の人間プレイヤーを相手に対戦する感覚である。
  BOT の "Archon" 、テメエは絶対ぇに叩きのめす!!!
 ………と、いうように、かなりのアドレナリンを大量放出させてくれる。

 さらに「 Game Of The Year Edition 」には「カオス・モード」という拡張セットが付属している。
 これには、ボウガンやオモチャの爆弾で戦うモードや、「剣」のみで戦うモードが追加される。

※ 現在「 Unreal 」シリーズは、「 Finally Unreal 」というパッケージにまとめられて、安価に発売されている。



■ ゲームのプレイ

 ゲームの操作は比較的簡単である。
 基本的には、マウスで上下左右を向き、カーソルキーで移動・ステップ、マウスのクリックで武器の使用、マウスのホイールで武器の選択である。
 (このデフォルトの操作方法が一番使いやすい)

 プレイヤーは、ステージに落ちている武器や治療キット、強化アイテムを拾いつつ、移動。 相手プレイヤーを見つけて、倒してゆく。
 武器や弾丸を拾えば自動的にセットされ、強い武器の場合は手持ちの武器が入れ替わる。 治療キットを拾えば、相手プレイヤーから受けたダメージが回復される。
 拾った(もしくは相手に拾われた)武器やアイテムは、しばらく経つと同じ場所に同じものが「転送」されてくる。

 ダメージを受けて自分の「体力」が0になれば「死亡」であるが、他のプレイヤー(もしくはチーム)が勝利条件を満たしていなければ、ステージのどこかに「復活」してゲームは続行される。(ただし、武装は最低限にされる)

 勝利条件(ゲーム・モードによって異なる)を満たせば「勝利」である。

◆ ゲーム・モード

 1キャラクターで次々と勝ち進んでゆく本戦「 Unreal Tournament 」と、自由なステージ設定でプレイできる練習「 Practice Session 」がある。
 始めはとりあえず、「 Practice Session 」で撃ちまくって体で覚えるか、「 Tournament 」のチュートリアルで基本からプレイする。
 この手の3Dシューティングに慣れているのなら、いきなり「 Practice Session 」の「 Death Match 」に飛び込んでもいいかもしれない。

・ Death Match デスマッチ
 「自分以外は全部『敵』」。 掟無用のデスマッチである。
 最初に敵を一定数倒したプレイヤーが勝利。

・ Domination 陣取り
 赤/青チームに分かれて、点在した陣地を取り合う。
 相手チームより長い時間、陣地を確保したチームが勝利である。
 陣地の数はチーム・プレイヤーの数よりも多いので、防御/攻撃のすばやい連携作戦が必要になる。

・ Capture the Flag 旗取り合戦
 赤/青チームに分かれて、自陣の「旗」を守りつつ、相手陣地内にある「旗」を奪取する。
 防御と攻撃の連携と共に、囮や待ち伏せなどの細かい作戦が必要になる。

・ Assault 攻防戦
 「攻撃側」と「防御側」に分かれる。 「攻撃側」が目標(破壊活動・脱出など)の達成を目指し、「防御側」はそれを阻止する。
 かなりの連携プレーが必要である。



Win ライクなメイン設定画面

キャラの外見も設定できる


■ 武器と戦略

 このゲームにおいては、「武器」が重要である。
 手持ちの武器によって戦略を変え、もしくは戦略によって武器を切り替える。
 また、武器には「メイン攻撃」と「サブ攻撃」があり、状況によってその使用方法を判断せねばならない。
 (メイン攻撃=マウス左クリック / サブ攻撃=マウス右クリック)

◎ 主な武器


近接戦に持ち込む!


二挺拳銃〜
◆ Enforcer エンフォーサー
 連射性の高いハンドガンである。
 近距離/中距離戦に有効。 ロケット・ランチャーなど、連射性の低い武器を持った敵のフトコロに潜り込み、弾を叩き込むのに使える。
 また、取り回しが簡単で、二挺拳銃も可能。
 横走りして乱射しながら「男たちの挽歌」ゴッコをするも良し。
 ゲームスタート時に使用できるが、威力は少し弱い。
 復活したときにもこれ一挺になってしまうので、他のプレイヤーと撃ち合いをしてダメージを受けている敵プレーヤーのフトコロに潜り込んで、このエンフォーサーを速射。 相手を倒して強力な武器を奪うのが吉。


電撃でなぎ払う!
◆ Shock Rifle ショック・ライフル
 電気性のビームを発射するライフルである。
 メイン攻撃は、エネルギービーム。 射線を合わせればとてつもない連続ダメージを与えられるが、良く光るビームだけに射線が目立ってしまい避けられることも多く、火線の方向で居場所がすぐにバレてしまう。
 サブ攻撃は、エネルギー弾。 電撃の玉を発射して大きなダメージを与えられるが、その速度は遅め。 避けられる可能性は高い。
 また、サブ攻撃で発射したエネルギー弾に、メイン攻撃のビームを撃つと、大爆発を起こして強力なダメージが与えられる。
 この武器は、広い場所で使うより、敵が横に逃げられない狭い通路での戦闘に向いている。


結構、凶悪な武器だ
◆ Ripper リッパー
 高速回転する鋭利なブレードを打ち出す。
 ブレードは壁・天井などの固い面に当たると跳ね返り、曲がり角の向こうにいる敵にもダメージを与えられる、屋内向けの武器である。
 狭い部屋に入った敵に向けて、部屋中を反射するように叩き込むと、かなりのダメージを与えられる。
 (狭い便所の中でスーパー・ボールを弾ませたことはあるだろうか?)
 ただし、あまり反射を考えずに連射すると、全てのブレードはこちらに帰ってきて、自分が痛いダメージを食らうことになる。
 サブ攻撃は、ぶつかると爆発するブレードの発射。 撃ったら全てこちらに跳ね返ってくるような所で使用すると便利である。


発射!


シャフトに弾を放り込む
◆ Rocket Launcher ロケット・ランチャー
 着弾すると大爆発を起こすロケット弾を発射する。
 威力は非常に強力で、着弾時の爆発に巻き込むだけでダメージを与えられる。
 また、相手にしばらく標準を合わせていると標的をロックし、発射されたロケットは相手を追撃する。
 サブ攻撃は、パイプ爆弾のように、数秒後に大爆発を起こすグレネードを射出する。
 射出したグレネードは、着弾してもすぐ爆発せずに弾んで転がってゆくので、利用範囲は広い。 例えば、エレベーターで上ってくる敵にお見舞いする、広場にたむろしている敵の真ん中に数個を転がす、などの利用法が考えられる。
 ただし、中/長距離の攻撃は強力だが、敵にフトコロへ入り込まれると弱く、調子に乗ってブッ放していると手痛い反撃を受けることがある。


弾をバラ撒きます


榴散弾は強力!
◆ Flak Cannon フラック・キャノン
 熱い鉄片の塊を発射する。
 連射性は低いが、一度に沢山の鉄片を発射して相手にキツい一撃を食らわせることが出来る。
 また、発射してはじけた鉄片は固い壁などに反射して、曲がり角にいる敵にダメージを与えたり、壁際にいる敵にさらに強力なダメージを与える。
 ただ、弾が飛び散るので距離によっては効果が薄く、さらに連射性も低いので、撃ち合いになると不利。
 サブ攻撃は、着弾すると爆発する榴散弾を発射。
 射程は短いが、一撃で大きなダメージを与えられる。


毒スライムをバラ撒く
◆ Bio Rifle バイオ・ライフル
 有毒なスライム弾を発射する。
 発射したスライム弾は壁などに付着して数秒後に爆発を起こし、そこにいる敵にダメージを与える。
 相手に直撃させるよりも、相手の周りをスライムだらけにしたり、追いかけてきた相手が来そうな床や壁に付着させてダメージを与える、といった使用方法が効果的。
 サブ攻撃は、大型スライムの「ため撃ち」。 右ボタンを押し続けると「チャージ」し、離すと大型のスライムが射出される。
 この大型スライムは数秒後に爆発して、小さなスライムをまき散らす。 これは、相手の背後を狙うと効果的である。
 当然ながら、撃ち合いには向いていない。


ポジションを確保


スコープに捕捉!
◆ Sniper Rifle スナイパー・ライフル
 一撃で相手を仕留められるライフル銃。
 命中精度が高いので、プレイヤーに高い射撃能力があれば、相手の頭を射抜いて即座に仕留めることができる。 非常に強力な武器である。
 サブ攻撃は、ターゲットのズーム機能。
 これが、スナイパー・ライフルの真骨頂で、相手から見えない遠距離からの一撃を可能にする。
 右ボタンを押し続けると、ターゲット・スコープ・モードになり、ターゲットはどんどんズームされる。
 適当な倍率になったら右ボタンを放し、狙いを付けて左ボタンを押せば「狙撃」である。 (もう一度右ボタンを押せばターゲット・スコープから目を離すことになる。)
 使いようによっては非常に強力な武器だが、狙撃するポジションを選ぶのが難しく、スコープを覗いていると周りの敵に気付かないという弱点もある。


乱射〜!!
◆ Minigun ミニ・ガン
 銃身が回転して速射する、小型のチェーン・ガン。
 非常に速射性が高く、一度に叩き込めば相手に反撃のチャンスを与えずに倒すことが出来る。
 走りながらなぎ払ったり、弾をバラ撒いて敵を釘付けにする利用方法もある。
 ジャラジャラジャラと薬莢をまき散らせば、気分は「コマンドー」か「マトリックス」、もしくは「ホット・ショット2」である。
 サブ攻撃は、命中精度を落として速射性を高めた射撃である。
 当然ながら、弾の減り方はダントツに早い。


◎ カオス・モードの主な武器
◆ Basterd Sword バスタード・ソード
 強力な両手持ちの剣。
 近接しなければならず、その間合いも難しいが、一撃でザックリとダメージを与えることができる。
 横フット・ステップをしながら接近するのが効果的。
 サブ攻撃は、剣での「防御」。
 上手くやれば剣だけでなく、「石川五右衛門+斬鉄剣」のごとく敵の弾丸も跳ね返すことが出来る。

◆ CrossBow クロスボウ
 矢を発射する。
 隠密性が高く、相手に方向を気付かれずに発射することができ、狭い隙間からも相手を狙うことが出来る。
 矢には、通常の矢の他に、爆発するものと毒を塗ったものがある。
 サブ攻撃は、スナイパー・ライフルと同様、スコープを使った狙撃である。

◆ Proximity Mines (The Proxy) プロクシミティ・マイン
 「プロクシー」を投擲する。
 「プロクシー」は、ケタケタ笑いながらゼンマイ仕掛けのオモチャのように歩いて行き、獲物を見つけるとキャーキャー叫びながら飛びついて爆発する。
 とてつもなく、オモシロ恐ろしい武器である。
 サブ攻撃では、投擲すると「プロクシー」は張り付いて隠れ、獲物が来ると自動的に飛びついて爆発する。
 チープな見かけと違って、ゲーム最強の武器。
 コレにやられると、とてつもなく屈辱的な気分を味わうこととなる。



■ Death Match 用 おすすめステージ

 このゲームの「 Practice Session 」や「 Multi Play 」では、色々なステージが選択できる。
 しかし中には、絶対的な「安全地帯」のあるステージや、初期配置によってプレイヤーの強さが変わるステージ、複雑でポジションを取りにくいステージ、などがあり、バランスの取れたステージは一部である。
 バランスが良かったり、面白かったステージを、いくつか上げてみる。
 ( DM は Death Match の略である)


死角が多いので注意だ
◆ DM-Agony 古城「アゴニーの罠」
 とりあえず、一番最初に選択されているステージである。
 舞台は古い城。 平面的な作りのマップなので特長はないが、様々な武器を使用する練習には最適である。
 銃眼を境にした中庭と城内の撃ち合いや、途中通路での遭遇、高い梁と低い地上とのポジションの奪い合い、など、ゲームの基本的なことが楽しめる。
 また、「音」によって敵の位置を割り出す練習にも、ヨイ。


武器の切り替えは必須
◆ DM-Crane 建設中のビル
 建設途中で各階がむき出しになったビルディングである。
 段々と高低差のある階、エレベータ付きシャフト、高所のクレーン、などのギミックで、シンプルなステージだが色々な武器とその最適なポジショニングが楽しめる。
 特に、「ロケット・ランチャー」や「スナイパー・ライフル」の使いどころ満載である。
 筆者はよく、このステージでプレイしている。


狭い場所での大乱戦
◆ DM-HyperBlast 超光速宇宙船
 超高速飛行中の宇宙船が舞台である。
 狭い艦内と、低重力である甲板との落差が面白い。
 湾曲した長く幅の狭い廊下での戦闘は、武器を広い空間でブッ放す事とは違う戦法が必要になり、低重力の甲板では、大胆な跳躍が必要となる。
 ──と、いうより、「星の虹(スター・ボウ)」が見えている空間だとゆーのに、走り回って大丈夫なのか? プレーヤー。


渡り廊下がめぐる広場
◆ DM-Liandri セントラル・コア
 渡り廊下が巡る、「セントラル・コア」の広間が舞台である。
 「上」には有利なポジション、「下」は隠れることのできる空間があり、広間とはいえかなりの乱戦を楽しめる。
 また、セントラル・コアを囲むように回廊があり、密かに有利なポジションを取ったプレイヤーの後ろに回り込むことができる。
 数々のロケット弾やビームの飛び交う、派手なプレイが期待できる。
 ハンドガンを手に、広間で撃ち合っているプレイヤーの「漁夫の利」を狙うのも面白い。


飛び移るには勇気がいるぜ
◆ DM-Morpheus 衛星軌道ビル
 衛星軌道上にある、低重力のビルディングである。
 4つのビルディング間には渡り廊下が無い。 低重力を利用し、「ジャンプして」向かいのビルに飛び移る。 (ゲームとはいえ、高所恐怖症の方にはゾッとしない状況ではある。)
 時には武器の発射による慣性や、爆発の慣性にも悩まされながら、ヒョンヒョンとビルの間を跳び回り、相手を倒すのである。
 空中で撃ち合えば、気分は「マトリックス」である。 (結局それかい)



■ おわりに

 B級SFアクションのギミックが満載のステージの中で、撃つか撃たれるかとゆー状況に陥り、いつしか頭の中に「コンバット・マーチ」が流れ、気分は映画の登場人物………。
 そういったゲームである。
 例えて言えば、「PCでインドア・サバイバル・ゲーム」、かもしれない。

(ただし、PCゲームとはいえ人間の形をしたキャラを倒してゆく背徳感あふれるゲームであり、バイオレントなシーンが満載である。 その手のゲームに弱い方にはオススメできない。 また、3Dグリングリンなので、ゲーム酔いする方も注意が必要である。)

 モンスターがガムシャラに突っ込んでくるゲームと違い、「静」から「動」へ移行するタイミングはプレイヤーに、ほぼ委ねられている。
 「静」の時に、状況判断を行い、深く静かにポジションを確保し、「動」の時には、とにかく闘争本能がムキ出しとなり、アドレナリンやドーパミンが体内を駆けめぐる。
 そのバランスと緊張感が、独特の面白さを醸し出しているゲームである。



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