・トランスポート・タイクーン DX (Transport Tycoon DX)
 MICROPROSE / アンバランス(元・伊藤忠商事)
 WIN 95/98 (日)

 プレイヤーは輸送会社の社長となり、街を道路や鉄道で結び、金を儲け、「輸送王(Transport Tycoon)」をめざす。
 システムは独自のウィンドウ・システム、マップはクォーター・ビューのほのぼのとした画面である。
 小さいけれどもしっかり動くトラックや列車が、何とも可愛い。
 (貨物を引いて坂道を上るロコモーションは、思わず応援したくなるのである)
 ジャズ風のBGMもゲームの雰囲気に良く合っているので、ちょっとした合間に、走るロコモーションを見ながらBGMを聴くのもイイ。
 (自分で「A列車で行こう」「チャタヌガ・チュー・チュー」等の曲をかけてもよろしかろう)

 バス路線や鉄道路線を作るのは簡単である。
 道路・線路を引き、停車場を建設し、車輌を購入して走らせれば良い。
 (インターフェースも比較的、操作しやすい)
 が、儲かる路線を作るにはちょっとした戦略が必要である。
 マップ上にある街や工場は、それぞれ欲しい物や生産している物がある。

 例えば、は住民の移動や郵便物の配達、また工業製品を欲している。
 農場や鉱山は、穀物・肉・石炭・鉄鉱石などの資源を絶えず生産しており、購入されるのを待っている。
 工場は資源を欲しており、資源が運び込まれると工業製品を生産する。

 それらの「需要」と「供給」をうまく見極め、儲かりそうな輸送路線を作っていけばいいのである。
 しかし輸送路線は、一直線に作ることができるのは「まれ」で、大抵、大きな山、広い河、急な坂道や森が、路線の運行を妨げる。
 整地して一直線に引くか、迂回するか、トンネルを作るか、建設費・車輌の燃費・儲けを考えながら路線を作るのは、深い戦略と一種のパズルのようである。

 そして、路線が「当たった」時の快感といったら何とも言えないのである。
 車輌が停車場に入るたび、「チン!」(レジスターの音か?)と音がして、ザクザクとお金が入るのである。

 また、政府からの要請に従って路線を作ると、1年間儲けが倍になり、後に高性能新型車輌のテストを任されることがあるので、非常にオイシイ。
 政府要請は、現在建設中の路線を中止しても、ライバル会社を妨害しても、ブン取るべし。

 一つ惜しむらくはこのゲーム、目的が「お金儲け」なので、途中で飽きることがしばしばある。
 そんな時は「箱庭型ゲーム」であることを活かして、「自分なりの目標」を自分でプレイするのも妙(たえ)である。
 「男のロマン!」などとほざいて、山を拓き、トンネルを穿ち、長い鉄道を引いて、「大陸横断鉄道!!」などと、堂にいるのもヨロシかろう。



(声)「汽車かわいい」「WIN95よりも操作性いいじゃん」「展開が遅くないか?」「線路引きにくいなー」「はっはっはっ、儲かっとる儲かっとる」

ゲームシステム ★★★★★
 各都市の「需要」と「供給」を満たす!という、単純明快なシステム。
グラフィック ★★★★☆
 可愛らしくまとまっているが、視覚で必要な情報がすぐにわかる。見事。
プレイアビリティ ★★☆☆☆
 1つのマップにかかる時間が長い。途中で金儲けに飽きることもある。
操作性 ★★★★☆
 ウィンドウの操作は良。線路が少し引き辛い。 ちょっとAMIGAのゲーム風。
演出 ★★★★☆
 トラックや汽車が走る姿が愛らしい。ジャズ風のBGMがよく似合っている。
セットアップ ★★★★☆
 WIN版が出たので、まったく問題ない。
お金とロマンのジレンマ ★★★★☆
 作りたい路線(大陸横断鉄道!)と収支の関係で悩むことしばしば。
思考ルーチン ★★★★☆
 ライバル会社は、土地確保など結構えげつない手を使ってくる。油断大敵。

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