■ スター・クラフト
 ( STAR CRAFT )
 Blizzard / (日本代理店 ソース)
 Windows 95/98 (英語版・日本語版)

 ★ エキスパンション・セット
 ■ ブルード・ウォー
 ( BROOD WAR )
 Windows 95/98 (英語版のみ)

※ 「暁のゲーム特急/今だって STAR CRAFT」
の文章と、ほぼ重複しています

機動艦隊:これだけの数の空母で攻撃するとほぼ無敵。 画面ではテンプラーによるサイオニック・ブラストを受けていますね。


◆ どんなゲームだろう

 「STAR CRAFT」は、いわゆるよくあるタイプの、
「マルチプレイヤー対応・リアルタイム制のSFストラテジーゲーム」
 である。

 資源──ミネラルとガス──を確保し、その資源を使って工場や基地を建築し、戦闘ユニットを生産、敵プレイヤーと戦い、さらに新しい資源を確保して、最終的には完膚無きまでに相手プレイヤーを叩きのめし、殲滅させる。
 操作は主にマウスで行い、「比較的」簡単な操作でゲームは進められる。

 ゲーム画面は、美しいクウォーター・ビュー(ナナメ見下ろし型画面)。
 その中を、頭をフル回転させてマウスを手早くさばき、次々とユニットに命令を下してゆく。
 そして、そこにあるのは、
 血だ! 破壊だ! 殺戮だ!
 すべて潰せ!潰せ!潰せ!
 ………なのである。
 ハイ、そこの人、引かないで下さい。

 他の類似ゲームと少し変わっている点は、「個性的な種族」である。
 「STAR CRAFT」は、次の3種族から選択してプレイする。

テラン海兵隊 ★ 「テラン (Terran) 」
 破壊に関しては高度なテクノロジーを持つ、いわゆる「地球人」である。
 主に海兵隊や機甲兵器、核兵器を使用。
 クセは無いが、ゲーム中にしっかりと「技術」を開発しておかないと、あっさり押しつぶされる。
プロトス・ジーロット 「まるちぷる・たいたんぱー」 ★ 「プロトス (Protoss) 」
 高度な精神と機械を融合させた古い種族。 いわゆる「宇宙人」である。
 固いシールドと、高度なエネルギー兵器が特徴的。
 精神エネルギーを重視しており、それを行き渡らせる「パイロン」といわれる中継ポイントでネットワークを作らないと、基地も作れない。
ザーグ・ハイドラリスク ぐけけけけけ ★ 「ザーグ (Zerg) 」
 他生物の遺伝子を乗っ取って繁殖して行く、いわゆる「エイリアン」である。
 高い繁殖力と、生物的な強さが特徴。
 全てが生物的で、「ドローン」と呼ばれる労働ユニットを変形させ「建物」を作り、巣の中心から生まれた幼虫を戦闘ユニットに変体させる。

 この3つがそれぞれ特徴的で、ユニットや建物の特徴は言わずもがな、進化や技術、それに伴う戦法も「まったく」と言っていいほど異なる。
 1種族が別のゲームの種族であるように思えるくらい異なるのである。

 そんなゲームである。

ザーグリングの群れと戦う海兵隊 : ハイ。本当なら海兵隊はパワードスーツを着ているのですが、デッサンがメンドかったのでヨロイになってしまいました。

◆ 何処に惹かれる?

 このように「STAR CRAFT」は、一見ごくありふれたリアルタイムSIMだが、非常に惹きつけられるものがある。
 いったい何処に惹かれるのだろう?
 それは「キモチイイ」からである。

 まず言ってしまうが、「グラフィックやアニメーションが『キモチイイ』

 テランの戦車が長距離砲に「変形」するトコロ。
 テランの戦闘機が、「光学迷彩」でスーッと消えるトコロ。
 (まるでクリンゴンの「猛鳥号」ですな)
 テランの海兵隊が塹壕の中から、ザーグの群をプチプチと倒すトコロ。
 プロトスの建物が青白い光で、ぼわー、と転送されるトコロ。
 プロトスの空母編隊が無数の戦闘機を吐き出して、バキバキ倒すトコロ。
 (まるで「ラピュタ」の戦闘ロボットのよう)
 ザーグの卵が、ぐちょるるる、と孵化するトコロ。
 ザーグの飛行部隊が、トンボの群のようにワサワサと空を覆い尽くすトコロ。

 そしてそれらが、敵であろうが味方であろうが、「非常にわかりやすい」のである。

 また、そのアニメーションに付随する「サウンド」が秀逸なのだだだ!!
 テランのメカが発する金属的な音や乗組員の声。
   うぃーん かしゃ かしゃ くいーん 「ごーあへっ」
 プロトスのユニットが発する不思議な音や、遠くから聞こえるような声。
   ほわーん もももーん ひゅるる ひゅーん 「ごわっしゃ」
 ザーグ達の発する糸が引くように汁気たっぷりの音や、昆虫的な音。
   ぐちゅるるる ぐけけ ききっ ごばばば 「ぼばわべへ」

 これがまた、ゲームの雰囲気を醸し出すだけではなく、「ゲームの進行に必要な情報を、耳からプレイヤーに伝えている」のである。
 生産や乱戦でマウスを忙しく動かしていても、このサウンドを聞くことにより、マップの別の箇所で何が起こっているか───ユニットが生産された・どこかで戦闘が始まった──ということがスグにわかる。

 そう、見る所、聞く所、そこの演出が「キモチイイ」から惹かれる
 演出が「キモチイイ」
 惹きつけられる理由は、それだけだろうか?

◆ 何故に惹かれる?

 このゲームは、操作性もルールも比較的シンプルである
(始めてプレイする方は、建物←→生産出来るユニット の関係がつかみ辛いだろうが)
 ただ、そのシンプルさの中で、
  「個性的な種族達の特徴が絡み合い、
   その種族独特の戦略を考えねばならない」
 所がミソなのである。

ザーグの巣に強襲をかけるプロトス機動艦隊 : 一度は描きたかった題材。 それでもちょっとしたカットのつもりでラフにザーッと描いたのだが、結局塗りでスゴク時間かかりましたがや。 本当は空は紺色で塗りたかったのだが、何故か成り行きで紫色になってしまった。

 例えば各種族の例を挙げてみよう。

★ テラン
 テランには、これといった制限はない。
〜序盤:
 バンカーとミサイルサイトを中心に守りを固め、基地の建設・技術の開発。
 長距離戦車や対空歩行戦車も早期に生産できるので、ここで押すも良。
〜中盤:
 光学迷彩可能となった戦闘機「レイス」を中心として、なんとか基地を確保。
 このあたり、テランは一番ツライかもしれない。
〜終盤:
 とにかく「核ミサイル」や「放射性ガス」など、開発した大量破壊兵器で押す。
 終盤はテランの独壇場。 強めた空中戦艦で辺りを焼き払うも良し。

★ プロトス
 ユニットや建物には全てシールドがあり、固く守られている。 が、生産に必要な資源が多い為、資源の確保が大切となる。
 建物は、「ネクサス」と呼ばれる中心部からエネルギーの届く範囲にしか建設出来ない。 「パイロン」と呼ばれるクリスタルでその範囲を拡げる事が出来る。
〜序盤:
 資源を大量消費するプロトスは、とにかく基地の建設と資源の確保。
 歩兵のシールドは固いので、守りに徹するも良し、攻撃を仕掛けるのも良し。
〜中盤:
 早めに航空機と空母を大量生産し、ヤワな多種族を押しまくる。
 相手が大軍で攻めてきたら、ハイ・テンプラーの超能力で蹴散らすべし。
〜終盤:
 資源も枯渇してくるので、大抵はツライはず。
 シールドを回復させながら、空中兵器と固い歩兵で逆転するべし。

★ ザーグ
 ユニットや建物は全て「生物的」。 消費する資源も生産時間も比較的短い。
 ユニットは「巣」から生まれた幼虫を変体させ、建物は「巣」の織り出す生物組織の上にしか建てられないので、とにかく「巣」を中心とした戦略が必要となる。
 また建物は、労働ユニット(ドローン)を変形させるために、多種族よりも労働ユニットを多めに作らねばならない。
〜序盤:
 とにかく相手が強まる前に、兵隊ザーグを大量生産して押しまくる。
 飛行ユニットも比較的早く出来るので、それで押すも良し。
〜中盤:
 バリエーションに富んだ兵器による複合攻撃で、被害関係なしに押すべし。
 資源を豊富に確保したら、遺伝子の強化にも務めるのも良い。
〜終盤:
 ザーグの場合ここまで持ち込まれると、かなりツライ。
 強化した兵隊ザーグや巣に作ったトラップで、散発的なゲリラ戦など良い。

 これら種族間の戦力は、絶妙のバランスを保っている。
 「このユニットを作れば、もうOK」という物は無く、臨機応変にユニットを生産し、戦略に応じて戦線に手早く!投入せねばならない。
(また、メーカーでは随時、新パッチを発表してゲームのバランスを整えている)
テラン輸送機のパイロット : 命令を下すと乱戦の中でも元気に運んでくれるパイロットに感謝しましょー。


 そして、その戦略・戦術がツボにハマった時の、「キモチイイ」ことよ。
 速攻を狙いつつ、遺伝子を強化した戦闘ユニットを大量生産し、その大群を怒濤の如く攻め込ませるザーグ!
 その敵の攻撃をかわしながらも空母を何隻も作り、空母部隊が完成したところで敵基地へ集中攻撃するプロトス!
 そして研究を重ね、特殊部隊「ゴースト」に核を持たせ、敵が集中攻撃に備えて集結しているところへ核ミサイルを落とすテラン!

 しかも、その対戦相手が人間である場合、さらに LAN 対戦で顔が見える場合、その「キモチイイ」は指数倍的に増幅するのでアル。
 もちろん、やられた時の「クヤシイ」もまた指数倍的に増幅するのであって、これがまた、「この次は見ていやがれ」となる。

 また、シンプルでバランスが良い為に「訳が分からずにやられた」状態が少なく、負けた時でも「なぜ負けたのか」が非常に解りやすい。
 戦い終わって陽が暮れて………そんな後に、「あそこでアレが遅れたからね」「あの拠点を攻め落として楽になったな」、などと、プレイヤー同士で「戦いの回想」が出来る。

 そう、このゲームの音や映像の演出だけではなく、
  「非常に理解しやすい 『キモチイイ』←→『クヤシイ』」
 に、強く惹かれるのではないだろうか。

 しかしそれは、ゲームにとって当たり前のことなのである。
 そして「STAR CRAFT」は、そのごく当たり前……
  「オーソドックスでバランスの良いゲームを、
   PC上でしっかりと『実現』する」
 という、簡単そうでいて非常に困難なことを「完成」させた、珍しいゲームではなかろうか、と筆者は考えるのである。


テラン特殊工作員「ゴースト」 : 個人的な好みで女性になってしまったのだだだ。 あー、それから資料が無くてテキトーな装備になっちゃいました。あ!しまった!コレ左利きにしちゃった! あと気付いたのだけど、このゲームの設定ではやっぱり「草薙少佐」入ってませんか?  また、このゲームは非常に「受け皿」が広い
 まずは、毛色の変わったSIMということで、ゲーム好きが惹きつけられる。
 そして、動いている所を見て、メカ好きやSF好きが惹きつけられる。
 さらに、「建設するのが好き」とか「対戦ゲームが好き」といった人間が惹きつけられる。
 そして、ルールや操作がシンプルな為、比較的早くマルチプレイを楽しめる。
 この「取っ掛かり」の良さも、今でも飽きない理由かもしれない。

 何だかんだと能書きを垂れはしたが、
 実はオレ、すごく弱い。
 COMにも瞬殺され、仲間内でも「ヤラレ役」の第一人者である。

 ……ま、とにかく、
  下手の横好きでも楽しく遊べるゲームだ。




◆ やっぱり 「 STAR CRAFT 」

 私見を交えたオマケのコーナーである。
 実はこっちの方がメインのコーナーにあたるかもしれない。

 ふと思ったのだが、
 ザーグは「昆虫的」と言われているが、実はエビやらカニやらの「魚介類」に似ているのではないかと思ったりする。
 例を挙げよう。 この後、食欲を失ってもオレの知ったこっちゃない。

 ミュータリスク = シャコ +羽根
 ガーディアン = カニ (カニ食べた〜い)
 デヴォウラー = 伊勢エビ (エビ食べた〜い)
 サンケン・コロニー = サザエの壺焼き (ホレ、肝がプニッと)
 スポア・コロニー = ホヤ
 ハイドラリスク = エビ
 ザーグリング = サワガニ

 ……やっぱりみんな食えそうだな。 (図解イラストは自粛)
 テランは食糧不足に悩まされることは無くなるとゆーわけで、………ところでザーグって食えるのか?
 多分、水っぽい気がしないでもない。

 あ、戦略のハナシですか?
 私、仲間内では一番ペケなので、戦略については、プロトス使い−Shipの旦那か、速攻−竜どの、悪の地球帝国代表−SION行者、の御出馬をお願いしたい。
 私はザーグ使いで、「頭を血ィ流しながら叩き付けて、岩を叩き割る」戦法で、結局トータルで負けちまうのですな。

 ああ、それから、右の絵は気にしないよーに。

 ………って、気になるよな。
 実は STAR CRAFT のエキスパンション、「ブルード・ウォー (BROOD WAR) 」の日本語版には「 Medic ・ロリ顔モード」が付くのです。(大ウソ)
 ブルード・ウォーの日本語版が出るとゆーハナシも聞かないな。
 「ノリノリだぜ〜」(「スター・クラフト」日本語版・吹き替えより)
テラン看護部隊「メディック」ノ図 : 手が滑って不本意なロリ絵を描いてしばった……。 やっぱり「メディック萌え」のヒト、います?

 このエキスパンション「 BROOD WAR 」は、どこぞのメーカーのパワーアップキットなぞと違い、「 STAR CRAFT 」のバランスと完成度をさらに高めてくれるものであって、これは「必須」と言わねばなるまい。
 あ、ちなみに海兵隊の看護をしてくれる「 Medic 」は、「 BROOD WAR 」で追加されたユニットである。
 こんなに健気な女性キャラでも、知能が有るか無いか判らないザーグリングと同様に血溜まりと化す。
 やはり「 STAR CRAFT 」の世界よのぅ。

ザーグの女王であらせられるところのケリガンの大姐御 : 最初に塗ったとき、コスチュームが「スクール水着+アーミールック」のよーになったので、かなりアセった。(それはそれで面白くないこともないが) 後で背景を追加しようと思ったのだが、お似合いのバックを思いつかなかったので、とりあえず真っ白背景。  左におわす方は、女王ケリガン………のつもり。
 以前はテランのゴースト部隊に所属していたケリガン姐さん。
 ザーグに捕らわれて×××になったものの、×××××を倒して「剣の女王」を名乗り、ザーグの女王として君臨するとゆー剛毅な女性。 (シングル・ミッションのネタバレになるため、伏せ字)
 一度、こんなタッチで描いてみたかったのである。 許してくれたまへ。



ゲームシステム ★★★★☆
 メジャーな「Command & Conquer」タイプのリアルタイムSIMだが、バランスは最高。
グラフィック ★★★★☆
 渋く落ち着いた色使い。 イベント時のムービーはありがちな演出。
プレイアビリティ ★★★★★
 ミッションをクリアして行くシングルプレイも、人間と対戦するマルチプレイも燃える。
操作性 ★★★★☆
 マウスを忙しく使うので、スローモーな人にはツライかも。
演出 ★★★★☆
 イベントの凝ったムービーより、ユニットの「らしい」動きに目を奪われます。
セットアップ ★★★★★
 まったく問題なし。
マルチプレイ ★★★★★
 どーやったらアイツに勝てるんだッ!!! とにかく夢中になります。
思考ルーチン ★★★★☆
 COM の展開は速いッス。 さらに、人間のよーな行動をします。

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