Master of Magic
マスター・オブ・マジック

MICROPROSE
LOCUS (日本語版)
DOS (英語)
Windows (日本語)
我が魔法帝国(の一部)
ふふふのふ。重要拠点は制圧した。



■ ゲーム

 「 Master of Magic 」はファンタジー世界を舞台とした戦略ゲームです。 (ゲームシステムは「CIVILIZATION」のものを使用しています)
 プレイヤーは一魔法使いとなり、街を作り、兵を雇い、英雄を活躍させ、魔法を研究して、自分の一族を発展させます。
 他の魔法使いを全て倒すか、「究極の魔法」を開発すれば勝利となります。

 ゲームの舞台は、ファンタジックな世界の「アルカヌス」、そしてその地下にある「ミロール」です。
 その大陸・海などの地形は、ゲームのたびにランダムに生成されます。

街の灯りが〜
種族は「遊牧民」で、蛮族プレイなのだ。
いくさじゃ
ノールの村を襲う、英雄と遊牧民。



■ プレイ

 まずは自分のプレイする魔法使いを選択して、ゲームを始めます。
 ファンタジーでは有名どころ、……マーリン/サウロン/カーリー等々………どこかで聞いたような名前が揃っていますので、この中から選択するか、スキルや5種類の魔法をエディットして、自分の好きなタイプの魔法使いを作ります。

 さらに、人間/エルフ/ドワーフ/オーク/ハーフリング/遊牧民など、様々なタイプの種族の中から、自分の引き連れる種族を選択します。
 種族には特徴があり、生産できる戦闘ユニットも違ってきますので、自分の好みや戦略に合わせて選びます。
 例えば、人間は「エンジニア」ユニットが生産できて、道路を作ることができますし、ハーフリングは農業が得意で食料の生産力が高く、強力な「投石士」ユニットが生産できます。 遊牧民は最強の「弓騎兵」ユニットが生産できますが、人口の増加率が高くありません。

マーリンじゃ
色々なタイプの魔法使い。
 
ローパンである
呪文書やスキルを選択して
カスタマイズしてみる。


 ゲームがスタートすると、1つ目の街(城)が建てられます。
 ゲームは「街」を中心に行われます。 街はその種族が住むところで、食料、お金、生産力、魔法のエネルギー、などの供給源であり、兵などのユニット、各種ギルドなどの施設を生産します。 プレイヤーの魔法使いは、1つめの街の「魔法使いの塔」に居ます。 (他の魔法使いも然り)

 街の周りは、ほとんどが未探査区域で、自ユニットを移動させることによって、徐々に解明されてゆきます。
 周りには他の魔法使いの街のほかに、モンスターの棲むダンジョン、独立勢力の街、があります。 ダンジョンには強力なモンスターが棲んでいますが、隠された宝物は、自勢力の戦いを有利にするでしょう。

 街は、他の種族の街でも占領することができます。
 例えば、人口増加率の低い遊牧民でプレイしている時に、他の種族、人間やハーフリングの街を占領すれば、生産力をカバー出来ます。

 街に攻め込んだり、野外で敵と接触して戦闘に入ると、美しいクウォーター・ビュー(斜め見下ろし画面)に切り替わり、ここで各種ユニットを動かして戦います。 戦闘は、どちらかの軍勢が全滅するか退却まで続きます。

ハーフリング隊
大きくなった我が魔法帝国中心部。
左下ではマナが溢れています。
対人間
敵の魔法使いの街へ攻め込む。
遠距離攻撃で叩いてからヘルハウンド突撃〜!
英雄
時々、英雄が仲間になってくれます。
これはヒーラーのセレナ嬢。
騎兵を率いて頑張ってます。
呪文書
効果的な呪文の研究も忘れずに。
「腐敗の大地」はいつ使おうか。
わくわく。




■ 魔法

 プレイヤー=魔法使いは、敵に火を降らせたり、兵を護る魔法、怪物(クリーチャー)を召還する魔法や、マップ上の生産力を上げる大局的な魔法など、戦略上必要な魔法を「研究」し、完成させるとその魔法を使えるようになります。
 また、魔法を使用するには「マナ」という魔法のエネルギーが必要です。
 「マナ」は、街に建てた「神殿」への信仰による精神エネルギーや、火山や泉などの「ノード( node:地脈)」から抽出されます。 (抽出するにはノードを守る守護者を倒してから、「スピリット」を召還してノードに「融合」させます)
 魔法のタイプには次のようなものがあります。

通常魔法 「ディスペル」や「魔法円の作成」など基本的な魔法
生命(白) 「祝福」「回復」「邪悪の破壊」など、歓び・生命の魔法
死 (黒 「漆黒の眠り」「恐怖」「毒」など、恐怖・死の魔法
混沌(赤) 「火炎弾」や「噴火」など、火・破壊の魔法
自然(緑 「石の壁」「網」「泥の大地」など、大地・自然の魔法
魔術(青) 「幻惑」「精神破壊」「風渡り」など、大気・精神の魔法



■ 種族
 各種族には、特殊能力や生産できるユニットが異なる、などの特徴があり、その戦術もまったく違うものとなります。
 種族とその主な特徴、特殊ユニットには次のようなものがあります。

種族名 特徴 特殊ユニット
Barbarian
蛮族
武器コスト高/魔法抵抗+1/腕力+1
槍・斧の投擲
バーサーカー/戦船
Beastman
獣人
弓兵・開拓者・槍兵・矛槍兵コスト倍
工兵・魔術師・神官コスト高/HP+1/
魔法抵抗+1/近接攻撃+1
ケンタウロス/マンティコア/
ミノタウロス
Dark Elf
ダーク・エルフ
神官コスト高/魔法抵抗+3/
神官による攻撃高/
重騎兵・矛槍兵・槍兵による魔法攻撃
ナイト・ブレード/ナイトメア/
ウォーロック
Draconian
竜人
弓兵・魔術士等以外コスト高/防御+1/
魔法抵抗+2/飛行/炎の息(ブレス)
空飛ぶ船/ドゥーム・ドレイク
Dwarf
ドワーフ
工兵・船以外コスト高/
HP+3/生産力が倍/
山岳での優位/魔法抵抗+4/強力な工兵
ゴーレム/破槌兵/大砲
Gnoll
ノール
全生産コスト高/素手攻撃+2(牙)/
矛槍兵で先制攻撃無効
狼騎兵
Halfling
ハーフリング
攻撃−1/防御+1/幸運/
魔法抵抗+2/剣士は8人編成
投石兵
High Elf
(かみ)のエルフ
船・投石機以外の生産コスト高/
攻撃回数+1/森林での優位/
魔法抵抗+2
エルヴェン・ロード/長弓兵/
ペガサス
High Man
人間
特になし 聖騎士/長槍兵/戦船
Klackon
昆虫人
生産コスト2倍/
矛槍兵・槍兵・剣士の防御+2/
(本拠地がクラッコン都市の場合)
クラッコン民の不満−2
スタッグ・ビートル
(巨大クワガタムシ)
Lizardman
リザードマン
建築コスト高/
水泳/防御+1/HP+2
ドラゴンタートル/投槍兵
Nomad
遊牧民
特になし グリフォン/弓騎兵/
長槍兵/野伏
Orc
オーク
特になし 飛竜騎兵
Troll
トロル
生産コスト3倍/
再生/HP+4/素手攻撃+2/
魔法抵抗+3/矛槍兵の先制攻撃無効
ウォートロル/ウォーマンモス



■ 街の施設
 街に建設する施設は、さまざまな影響を及ぼしたり、ユニットの生産に必要となります。 (緑色で記したユニット名は、その施設を建設すると生産できる特殊ユニットです。)
 また、さまざまな施設を建設するには、表内の左側の項目に記した施設(さらに「+」で示された施設)が必要となります。 (例えば、「農作物市場 Farmer's Market 」を建設するには、「建築士の館 Builder's Hall 」→「食料貯蔵庫 Granary 」が必要となります。)
 種族の特徴を活かす為に、街の地勢を考えつつ、戦略を立てて施設を建設してください。

Barracks
兵舎

軍事ユニットの生産
軍事ユニットの回復
+ Smithy

Armory
武器工房

矛槍兵
投石士
Builder's Hall
建築士の館

各種建築物の建設
City Wall
城壁

3スクウェア先の敵ユニットを発見できる
Granary
食料貯蔵庫

食料生産 +2
人口増加率 +20
+ Marketplace

Farmer's Market
農作物市場

食料生産 +3
人口増加率 +30
Library
図書館

研究 +2
Sage's Guild
賢人ギルド

研究 +3

Nightshade
(イヌホオズキ)
使用
Alchemist's Guild
錬金術師ギルド

マナ +3
魔法の武器を装備
University
総合大学

研究 +5
+ Marketplace

Bank
銀行

金の収入 +50%
市場の収入に上乗せ
+ Miner's Guild

Mechanician's Guild
職工ギルド

生産力 +30%

投石機
+ Parthenon

Oracle
神託所

不幸な住民 −2
4スクウェア先の敵ユニットを発見できる
+ Armorer's Guild

War College
兵法大学

生産したユニットがベテランになる
+ Alchemist's Guild

Wizard's Guild
魔法使いギルド

マナ −3
研究 +8

魔法使い
ウォーロック
(丘/山が必要)
Miner's Guild
坑夫ギルド

鉱物資源(魔法も含む)のボーナス 50%
生産力 +50%
+ University

Mechanician's Guild
職工ギルド

生産力 +30%

投石機
Shrine
霊廟

マナ +1
不幸な住民 −1
Nightshade を使用

シャーマン
Temple
寺院

マナ +2
不幸な住民 −1
Nightshade を使用
+ Stable

Animist's Guild
精霊信仰ギルド

食料生産 +1
不幸な住民 −1
兵の回復を早める
Nightshade を使用

マンティコア
野伏
+ Armorer's Guild

Fantastic Stable
幻獣厩舎

幻獣の飼育

グリフィン
ナイトメア
ペガサス
飛竜騎兵
Parthenon
パルテノン神殿
(知恵・芸術・産業・学問・戦争の神 アテナの神殿)

マナ +3
不幸な住民 −1

神官
Cathedral
聖堂

マナ +4
不幸な住民 −1

聖騎士
+ University

Oracle
神託所

不幸な住民 −2
4スクウェア先の敵を発見できる
(海が必要)
Ship Wright's Guild
船大工ギルド

造船に必要

三段櫂船 Triremes
+ Sawmill

Shipyard
造船所

大きな船を造る

ガレー船
空飛ぶ船
+ Armory

Maritime Guild
海運ギルド

さらに大きな船を造る

戦船
Merchant's Guild
商人ギルド

金の収入 +100%
Smithy
鍛冶屋

道具作りに必要
+ Barracks

Armory
武器工房



矛槍兵
投石士
Fighter's Guild
戦士ギルド

生産したユニットが
最初から正規軍 Regular になる

バーサーカー
槌兵
投槍兵
ナイト・ブレード
長槍兵
ウォー・トロル
Armorer's Guild
武器工ギルド

特殊ユニットを生産

エルヴェン・ロード
ゴーレム
ミノタウロス
聖騎士
スタッグ・ビートル
Marketplace
市場

金の収入 +50%
+ University

Bank
銀行

金の収入 +50%
市場の収入に上乗せ
+ Shipyard

Merchant's Guild
商人ギルド

金の収入 +100%
市場の収入に上乗せ
+ Granary

Farmer's Market
農作物市場

食料生産 +2
人口増加率 +20
(森林が必要)
Sawmill
製材所

森林から生産力
+25%
Forester's Guild
森林管理ギルド

森林からの食料 +2
生産力 +25%
+ Ship Wright's Guild

Shipyard
造船所

大きな船を造る

ガレー船
空飛ぶ船
+ Armory

Maritime Guild
海運ギルド

さらに大きな船を造る

戦船
+ Bank

Merchant's Guild
商人ギルド

金の収入 +100%
市場の収入に上乗せ
(草原が必要)
Stable
厩舎

騎兵用の馬を飼う

重騎兵
ケンタウロス
ドゥーム・ドレーク
竜亀
弓騎兵
スタッグ・ビートル
ウォー・マンモス
狼騎兵
+ Temple

Animist's Guild
精霊信仰ギルド

食料生産 +1
不幸な住民 −1
兵の回復を早める
Nightshade を使用

マンティコア
野伏
+ Animist's Guild
+ Armorer's Guild ↓
Fantastic Stable
幻獣厩舎

幻獣の飼育

グリフィン
ナイトメア
ペガサス
飛竜騎兵



■ 私見

 火山や泉などの地脈からマナを抽出する魔法のシステムや、剣士・騎兵・グリフォン・飛竜・遊牧民などのユニット、それらをつかって大きくして行く「魔法の王国」等々、ファンタジー好きにはたまらないシステムです。

 グラフィックは VGA ( 320×200 )で緻密とは言えませんが、色使いや動画に雰囲気があり、ファンタジックで独特の世界を醸し出しています。
 ゲームシステムとしては、都市を中心とする「 CIVILIZATION 」のシステムを使っているのですが、「魔法の研究」と「建設・生産」がほぼ切り離されているので、「生産」「戦闘」の繰り返しとなります。 そのため、研究・外交・戦闘が密接に関わりあっている「 CIVILIZATION 」ほどの緊迫感は出ていません。

 とはいえ、個人的見解としては、
 今でもこれを越える「ファンタジックな雰囲気」を持ったゲームは無いのでは、と勝手に思っています。
 また、思考ルーチンは当初、スローモーなタイプで、のんびりとプレイできたのですが、パッチを当てて Ver 1.31 にすると全体的にバランスも締まり、手強くなって面白くなりました。

 私はプレイしていて全体的に、ラリィ・ニーヴンの書いたファンタジー小説の雰囲気を感じました。
 ファンタジー好きは、一度プレイすることをオススメします。

 (2000/ 8) (2001/12) (2008/ 7)




ゲームシステム ★★★★☆
 「シヴィライゼーション」のシステムを、ファンタジー世界に持ってきた物。
グラフィック ★★★★☆
 VGAグラフィックだが美しい。ファンタジーの雰囲気を出している。
プレイアビリティ ★★★☆☆
 少々プレイ時間は長くなるが、時々遊びたくなる。HDD駐在モノかも。
操作性 ★★★☆☆
 ちょっとクセはあるが、悪くはない。 重なったユニットの処理は秀逸。
演出 ★★☆☆☆
 特に、きわだったものは無い。
セットアップ ★☆☆☆☆
 DOS/V 版はコンベンショナル・メモリ確保のため、DOSの知識が必要。
剣と魔法の王国 ★★★★★
 魔法の王国を作れる。ファンタジー好きなら一度はプレイしてみたい。
思考ルーチン ★★★☆☆
 少々甘かったが、最新パッチをあてたら手応えが出てきた。

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