・シヴィライゼーション II (CIVILIZATION II) MICROPROSE /メディアクエスト WIN 3.1以降 (日・英) |
![]() 「大吟醸王国」、首都「甘露」付近 |
■ ゲームについて プレイヤーは古代文明のひとつを受け持ち、B.C.4000年からA.D.2000年過ぎまでの6000年余、滅びることなく発展させて行き、他の恒星系(アルファ・ケンタウリ)に移民するのが一応の目的です。 文明を発展させるのには、青銅器、文字、などの原始的な技術から、地図、火薬、万有引力の法則、といった中世の技術・発明、さらに、ロケット、原子力、などの近代技術の開発を積み重ねて行きます。 ゲームの舞台は、プレイするたびに変わります。 まずは、ゲームの舞台、マップを選択。 マップはランダムに生成させるか、お馴染みの地球を選ぶことが出来ます。 次に、ゲームの難易度(5段階)、他の文明の数(3〜7ヶ国)、どの文明を選ぶか(エジプト、バビロニア、イギリス、アメリカ、日本等)、などを決定。 文明の数が減らした方が易しくなるように思えますが、そうでもありません。 他文明と知識を交換したり交易することにより、発明・発見に必要な時間を上手く短縮することが出来るのです。 ゲームがスタートすると、自文明の「開拓者」ユニットだけがマップにあるだけで、周囲も未探査地域ばかりです。 この開拓者を移動させるとマップの未探査地域が見えてゆきます。 そして、都市造りに適した場所(平地や天然資源の豊富な所、さらに海に面していると便利)を見つけ、最初の都市を建設。 都市はその文明の民が住む所で、食料、資源、お金、などの供給源であり、開拓者や軍事ユニット、食料貯蔵庫や城壁など各種施設を生産する、このゲームの中心となる単位です。 大きく豊かな都市を、バランス良く造ることで、ゲームを有利に進めて行くことになるでしょう。 |
![]() 大吟醸王国・黎明期。 「中国」と接触。 |
![]() 生産都市「八海山」。 ピラミッド建設中。 |
とはいえ CIVILIZATION というゲームは、都市造りはあくまでも「手段」にすぎません。 都市を造り、発展させてゆくのは、「技術」の発明・発見を進めて行く為でもあるのです。 この「技術」が、CIVILIZATION のキモです。 技術を発展させなければ、鉄の製法が漏れたために滅んだヒッタイト文明や、銃で制圧されたマヤ・アステカ文明の轍を踏むことになるでしょう。 新しい技術を発見することによって、強力な軍事ユニットや、最新の施設を建造することができ、「外交」を有利に進めるカードとしても使えます。 プレイヤーは、 新技術の発明/発見を進めつつ、 都市に(もしくは自文明に)必要な各種施設を建設し、 同時に都市の防衛や他国への侵略に必要な軍事ユニットを生産し、 さらには民の不満が高まらないように気をくばる ことになります。 したがって、都市の生産力を 「税金」(各種施設の維持費に充てられ、余剰は蓄えられる)、 「科学技術」(新技術発明・発見のための資金)、 「贅沢品」(民の不満を抑える)、 の3つに振り分け、生産力が向上するように政治形態を変革しながら、発展しなければなりません。 また、プレイヤーは他文明との外交にも気を配ることになります。 この外交が、 CIVILIZATION のもう一つのキモです。 他文明の発展の状況を見つつ、 知識を交換したり、 自文明発展の障害となる他文明の都市・ユニットを略奪・排除したり、 相互に交易をしたり、 平和条約を結んだり します。 その文明によって、モンゴルのような好戦的な民族から、ロシアの拡張主義や、中国など開拓に専念する民族、と性格も異なるので、外交場面では自文明の力と天秤にかけて上手く取り引きすることが必要となります。 |
![]() 好戦的な列強にはさまれているのだ。 |
こうして、内政・外交をこなしてゆき、宇宙船の建造が可能になると、どの文明が一番に恒星間移民を達成するか、「恒星間移民宇宙船の建造レース」となります。 どこかの文明の宇宙船が、アルファ・ケンタウリへ到着すれば、ゲームは終了し、プレイヤーのスコアが算出されます。 ややこしそうなゲームに思えますが、そんなこともありません。 チュートリアル(入門ゲーム)はよく出来ていて、ゲームの進行をつかみやすく、一度始めてしまえばヘルプも豊富なのでサクサクと進むでしょう。 自文明が発展し、都市も5〜6つも出来てくると、その文明に愛着を持ち始め、ゲームが進行してゆくと、なにやら、パラレルワールドの地球を見ているような気分に陥らせてくれます。 (西暦3000年に達したというのに、騎兵やマスケット銃を持った兵隊が、世界を二分する戦いを繰り広げていた………、ということもありました) 唯一の難点は、とにかく「ハマる」ゲームだということです。 朝日を見る覚悟のある方は、一度プレイすることをおすすめします。 |
![]() 実は南端の島国だった大吟醸王国。 頑張って何とか列強と肩を並べる。 |
![]() 生産都市「八海山」も一大工業都市へ。 (おっと、公害マークが) |
![]() 干渉しまくる大国フランスの首都パリを奇襲で陥落。 いや実は、ケルト対フランス戦争の漁夫の利で。(笑) (緑=大吟醸 青=フランス 白=ケルト) |
■ CIVILIZATION 攻略 の・ようなもの CIVILIZATION に攻略法はありません。 ……と、言ってしまうと身も蓋もありませんが。 CIVILIZATION は、プレイ方法や展開によって刻々と戦略が変化してゆくので、決まった「攻略法」というものが無いのです。 (そんな所が、とてつもなく面白いゲームなのですが!) 以下は、筆者が普段プレイするパターンを元に記したものです。 ゲームの時間軸を大ざっぱに「古代」「中世」「近世」「近代」「現代・未来」と分けてありますが、展開によっては内容が前後するかもしれません。 プレイの参考や励み、また、「オレのプレイの方が上だぜ〜」と優越感に浸っていただければ、これ幸い。 ◆ 古代 → 〜ゲーム序盤の進め方 ◆ 中世 → 〜反乱抑えて経済発展 ◆ 近世・近代・現代〜未来 → 〜軍事・経済・科学が入り乱れて てんやわんや |
■ シリーズ ◎ CIVILIZATION - Build An Empire To Stand The Test Of Time - 記念すべき1作目。 アバロンヒルから出ていたボードゲーム「文明の曙」を、「レイルロード・タイクーン」を製作したシド・メイヤー氏がPCゲーム化するというニュースを聞いたとき、かなり楽しみにしていた記憶があります。 地中海の覇権を争った文明どうしの戦略、技術の開発、特に駆け引きの面白い外交をどのようにPCゲームにするのか、予測がつきませんでした。 それから2〜3年たち、「文明の曙」のゲーム化も忘れていた頃、1992年、MICROPRPSE から「CIVILIZATION」(IBM-PC)が発表されました。 システムは予想をはるかに上回るもので、戦略や他プレイヤーとの駆け引きなどゲームの本筋はそのままに、世界の規模が「地中海沿岸」から「架空の地球」へと広がり、目的も「地中海の覇権」から「世界の七大文明(+その他)を育て他の恒星系へ移住する」というベラボウなものでした。 その後、日本語化への期待に応えたか、マイクロプローズ・ジャパンから、日本語版が PC-9801 へ移植。 (このゲームの為だけに、PC98を買ったよーな気がします。この時、「HDD推奨」でしたが、ほとんど「必須」のようなものでした。) ◎ CIVILIZATION II 「CIVILIZATION」の続編。 システムは変わらずに、新たな「技術」やユニットを追加し、グラフィックやサウンドも豪勢に。 マップはクウォーター・ビューに変更。 ゲームシステムは、前作から大きく変更した箇所は、嬉しいことに、あまりありません。 細かいところでは、ユニットに「火力 ( fp )」「耐久力 ( hp )」を付け、最新のテクノロジーで作ったユニットが、古代技術のユニットにやられることをなくしています。 (前作では、「爆撃機」が「重装歩兵」に反撃・破壊されることがありました…) 外交の思考ルーチンは、少々強化されました。 前作でも、コンピュータはかなり人間くさい戦略を巡らせましたが、さらに細かくし、「『裏切り』や『恩義』を覚えている」のです。 BGMを含めたサウンドも、なかなか味のあるものに。 特に、CD−DAによるBGMはイイ雰囲気を醸し出しています。 前作の不満点を改良した秀作と言えるでしょう。 ◎ CIVILIZATION II ファンタスティック・ワールド (追加サプリメント) シヴィライゼーションが、SFの世界になったりファンタジー世界になったり、恐竜の世界になったりする、追加サプリメント。(これ単体では遊べません) 長年CIV2世界の「常識」に慣れ親しんだ人は、大きく変わった「技術」「ユニット」によって、頭が混乱することうけあい。 さらにCIV2には無かった、色々な「イベント」が隠されていて面白いのです。 例えば、暗黒大陸「ミッドガルド」において、「人間」は王様も兵隊もいない蛮族で、エルフに助けられ、マーフォークに脅かされ、ゴブリンに追い立てられている。 何とか王政を整えても、時々飛んでくる「竜」によって破壊の嵐。 (>この竜を最初に倒した民族は、謎の「竜の知恵」が身に付くそうです) 火山の噴火で地形が変わることしばしば。(>いきなり大陸が現れる) グラフィックはとても美しい! ファンタジーシナリオのグラフィックデザインは、ドレイク(飛竜)などのモンスターや、魔法のイラストを見ると、「Magic The Gathering」でイラスト描いている方々であろうと推測されます。 また、「ヴェルヌ世界」シナリオ──ヴェルヌの書いたSFが舞台で、潜水艦・巨大飛行船や秘密結社がでてきて、最終目的は月世界飛行。───は、グラフィックが美しいだけでなく優れたガジェットがたくさん出てくるので、彼の作品を読んだ方なら引き込まれることでしょう。 1つのシナリオだけでも「謎」だらけで、ひと月ふた月は遊べそうなのですが、シナリオはSF・ファンタジー・古代史等々、全部で12本。 CIV好きであれば、これ1本で1年は遊べるかもしれなません。 マクロ言語付きのシナリオエディタも、CIV2を遊び倒せます。 また、思考ルーチンも強化され、 COM プレイヤーが手強くなり、「自動開拓」も賢くなっています。 ◎ CIVILIZATION II Test Of Time 「 CIVILIZATION II 」のリメイク。 オリジナル(旧 CIV2 )の他に、拡張シナリオ(宇宙への植民後の世界も追加)、SFシナリオ、ファンタジーシナリオ、が追加され、グラフィックも全面的にリニューアルされています。 オリジナル CIV2 は、 Win-G など Win 3.1 時代の古いドライバをインストールするので WIN 98 環境にはインストールし辛かったのですが、「 Test Of Time 」では Direct-X に対応したので手軽にインストール出来るようになりました。 ただ「 Test Of Time 」では、ユニットや建造物などが3Dで描かれており、ユニットのアニメーションも美しくなったのですが、かえって元祖 CIV2 よりマップ上のユニットが見辛くなってしまいました。 さらに、プレイ中に CD-ROM が必須となり、前作のように手軽にプレイは出来ません。 元祖「 CIVILIZATION II 」と「ファンタスティック・ワールド」をプレイできる環境を持っている方は、改めて手に入れる必要はないかもしれません。 ◎ CIVILIZATION III 「 CIVILIZATION 」シリーズの3作目です。 プレイヤーは他の文明に先駆けてアルファケンタウリへ宇宙船を打ち上げるか、他文明を制圧するか、国際連合を設立して事務総長に選出されると、勝利です。 システムやルールは旧作とあまり変わりありませんが、このゲームではさらに「戦略資源」と「文化」という概念が追加されました。 「戦略資源」は、鉄・硝石・石炭・石油・ウラン・アルミニウムなどのことで、強力な軍事ユニットや、ある種の施設を建設するのに必要となります。 例えば、「鉄」が無ければ剣が作れないので「剣士」を生産できず、「硝石」がなければ火薬を作れないので「マスケット兵」を生産することができません。 この「戦略資源」は大陸のあちこちにランダムで埋まっており、その土地をめぐっての戦争や、その資源を強力な外交カードにした交渉や交易が、頻繁に行われます。 このことによって、「軍事活動」(=戦争)は重要な手段となります。 「文化」は、各都市の文化的な施設(宮殿や寺院、七不思議など)から生み出され、その文明の「文化影響圏」が土地に広がってゆきます。 資源の確保や都市周辺の開拓は「文化影響圏」内のみ可能で、実質的な「領土」となります。 文化の影響力が多大であれば、周囲にある他文明の都市は、自発的に文化の高い文明の傘下へ入ります。 「戦略資源」の存在により、旧作よりも拡張主義プレイが有利になっていますが、やはりこのゲームの麻薬性は変わっておりません。 |
(声)「見た目じゃ面白さがわからんね、これ」「同僚をハメたよーん」「こーいう建設するゲームというのは、つまらん」「…また徹夜した」 |
ゲームシステム | ★★★★★◎ |
文明の発展と異文明との接触を上手くシステム化してある。最高のシステム。 | |
グラフィック | ★★★☆☆ |
少々地味。 時々、クウォーター・ビューが見辛く感じることがある。 | |
プレイアビリティ | ★★★★☆ |
「今度はこんな文明にしてやろう!」と何度でもプレイしたくなる。 | |
操作性 | ★★★☆☆ |
キーボードのショートカットを覚えないと、サクサク進まない。 | |
演出 | ★★☆☆☆ |
「不思議」の建設が地味な展開に花を添える。時々ある国王感謝祭も嬉しい。 | |
セットアップ | ★★★★☆ |
問題なし。 | |
ゲームバランス | ★★★★★ |
戦略・外交・生産、のバランスが絶妙。それぞれが複雑でも退屈でもない。 | |
思考ルーチン | ★★★★☆ |
戦略も油断ならないが、外交交渉の抜け目なさはゲームであることを忘れる。 |