・1942 The Pacific Air War
 MICROPROSE
 DOS/V   (英)
(現在は MICROPROSE 「CONQUER THE SKIES」の中に同梱)

 太平洋戦争中の日米機動部隊による空中戦をテーマにした、フライト・シミュレーション・ゲーム。
 少々古いゲームだが、機体の挙動がリアルで、操作の楽しいフライトシミュレーションである。

 プレイヤーは、日本か米国の機動部隊を選択し、ミッションをこなしてゆく。
 (キャンペーン・シナリオや、空母による機動戦も楽しめる)
 もちろん日本を選択すると、零戦、九七艦攻、九九艦爆を操縦できる。

● 零戦 (零式艦上戦闘機)
 帝国海軍の誇る戦闘機で、運動性能はバツグンである。
 長い航続距離を誇り、ゲーム中、ドッグファイトは無敵である。(時代も後半になるとその限りでないが)
 難点は火力(機銃)が弱いことで、弾が放物線を描いて飛んで行くのには泣かされる。
 MICROPROSE の誇る「コクピット・ビュー (Alt+F1) 」では、ボタン2を押しながらジョイスティックを回すと、首を動かすように全方向を見回すことが出来、目視によるドッグファイトを面白くしている。

● 九七艦攻 (九七式艦上攻撃機)
 魚雷を積んでいる為と翼が大きい為、とにかく重い!! 空母から飛び立つことさえ難しい。
 旋回も慎重に操縦桿をきらないと海にドボン。 魚雷投下も、目測とカンが頼りである。
 (そんな機体をねじ伏せて任務を遂行するのが面白いのでアルが)
 昔、ウォーゲームで、九七艦攻の攻撃成功率と対空能力の低さに怒っていたが、もうそんなことはしない。

● 九九艦爆 (九九式艦上爆撃機)
 急降下爆撃で敵艦を爆撃するのだが、以外とこの「急降下で狙いを付ける」のが難しい。
 急降下ではなく水平爆撃したら爆風に巻き上げられて、落っこちた。
 ちなみに、九七艦攻より運動性能は上である。


 それからこのゲーム、リアルにする所と、簡単にする所が絶妙である。
[リアル]:
 風を翼で受ける感覚や、落下する感覚、接地する感覚など、機体の挙動がとてもリアルに感じる。
 空力の計算もリアルで、右旋回と左旋回の違いを再現している(プロペラが回転しているため)。
[簡単]:
 コンピュータのオートパイロットが賢いので、面倒なところ(目的地までの飛行、離着陸、など)は時間短縮を交えて「お任せ」できる。
 地図によるナビゲーションも簡単である。


 機動部隊をテーマにしたフライト SIM は、未だにこれを越えるものが無い、と思っている。

 明け方、零戦に乗り、空母「赤城」からミッドウェイへ飛び立ったり、
 ガダルカナルの高山を越え、敵基地の要撃機と戦ったり、
 眼下に飛ぶ、味方の攻撃機を護衛したり、
 九七艦攻に乗り、重い魚雷を抱えながら敵巡洋艦の対空砲火をかいくぐったり、
 激戦の後、ランデヴー・ポイントで見る、空母の旭日旗にホッとしたり、

 ハデな演出はないが、「ツボ」を押さえたフライト・モデルとミッションの演出は、他の追随を許さないものがあると思えるのである。

 ただし困った所は、DOS ゲームのため、インストールが大変なのである。
 なにしろ、推奨コンベンショナル・メモリが 610KB。
 ジョイスティックの設定も結構大変だった。
 だが、このゲームをプレイすると、設定の苦労なぞ忘れるのである。

(声)「ぬおおおお」「起動、大変そうだな」「外部ビューでシューティング・ゲームじゃーい」「こら僚機!それは俺の獲物だーっ」


ゲームシステム ★★★★☆
 オーソドックスなシステムだが、面倒な所はシンプル、飛行機の挙動はリアル。
グラフィック ★★★☆☆
 VGAだが、なかなか美しい。思わず外ビューで自機を眺め回してしまう。
プレイアビリティ ★★★★☆
 機を自由に操れるまで、何度でもプレイしたくなる。
操作性 ★★★★☆
 感覚的にすぐわかる優れた操作性。 ただ、リプレイの操作は良くない。
演出 ★★★☆☆
 さまざまな挙動がリアルなので、それが演出になっている。
セットアップ ★☆☆☆☆
 コンベンショナルメモリをガバガバ喰うので、だいぶ手こずる。
ドッグ・ファイト ★★★★★
 もう、身体まで動いてしまいますがな。 着陸や雷撃も面白い!
思考ルーチン ★★★★☆
 ドッグ・ファイトでは、なかなか小癪なテクを使ってくる。 僚機も優秀。

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