− 「いつも通り」 −

◆ TOP INDEX / 日記「いつも通り」

2005年 モノリスは飛んで行く
 11月  10月  9月  8月  7月  6月  5月  4月  3月  2月  1月
2004年
 12月  11月  10月  9月  8月  7月  6月  5月  4月  3月  2月  1月
2003年
 12月  11月  10月  9月  8月  7月  6月  5月  4月  3月  2月  1月
2002年〜1999年
 日記 INDEX へ →

◆ TOP ページへもどる


■ 10月 2日 (日)

◆ 「しむぴーぽー」

 先日より「シムピープル」にハマっている。
 発売当初はどこが面白いのか解らなかったので回避していたのだが、サイト巡りをしていると自分でデータを作ったりして実に楽しそうにプレイしている御仁のページを発見。無性〜にプレイしたくなったので、ゲットである。
 さらに今回ゲットしたのは新作「シムズ2」( The Sims 2 )ではなく、前作に各種アップデータを付けた「完全版」の方である。 プレイに制限が少なそうなトコロと、各種フリーの改造ツールが揃っている故、旧作完全版を選択。

 さて「シムピープル」は、かの「 SIM CITY 」のウィル・ライト氏が作ったゲームで、いわゆる「シム・人の生活」。 「街」というマクロな流れではなく、街の中の「人」と「家」というものをシミュレートしてその流れを楽しむ事を目指したゲーム、であるかもしれぬ。
 ……などと深く考えず、単純に、家を作って中の人間=「シム」の欲求や行動を眺めるだけで面白かったりするのである。

 「 SIM CITY 」と同様、ゲームに勝利条件は無いので、想像力のある人や『脳内設定いつでもオーケィ』な御仁でないと楽しめぬかもしれない。 逆に、脳内設定オーケィな御仁は延々とプレイできちゃうので、ひじょーに危険なゲームであろう。いや、危険だ。


 さてさて、プレイするにあたってシムの家族を作る。
 NHK教育で放送している海外TVドラマのように、アメリカ〜ンな家族にしようと思ったが、大抵は大家族なのでヤメにした。 初めてのプレイで勝手が分からぬのに、人数が多いと操作が大変そうである。
 よって、ウケ狙いの3人家族に決定。 ん〜 と、しばし考えた後、某ドラマ「やっぱり猫が好き」の恩田三姉妹をモデルに………にしようと思ったが頭が痛くなりそうなのでこれもヤメ。
 同じ三姉妹とゆーことで、某アニメのダメダメ三姉妹をモデルにしてみる。 アメリカ〜ンな顔で。 長女=ダメ姉・次女=もやしっ子・末っ子=ロリピンク。(これで何のアニメか判った人は後で職員室に来るよーに)

 あまりお金も無いし広い家だと「私が」落ち着かぬので、小さな家(庭付き 1LDK )へお引越。メリケンならば独身1人住まいのレベルやもしれぬ。
 がら〜ん とした家の中に家具を購入して配置。
 テーブルと椅子。レンジ。 ベッドが1人分しか無いので ── (やはり1人用の家か〜!) ── 、ベッドを追加。 リビングにはテレビとソファも必要かな〜?と思って買ったら、置く場所に困る。ソファーに座ってテレビを見られる配置に置けぬ。  仕方無いから適当に置く。(性格が出るな)
 他の電化製品は……、PCとラジカセを追加。PCは遊びと仕事探しに、ラジカセはダンスで「楽しさ」のポイントを上げるのに使える。 さらに本棚も必要であろうか。
 幾つかの家具をペキペキと配置したら、人の住む家らしくなってくる。
 ホケーッと道に立っている3人を、家の中へ。

 末っ子、いきなりラジカセのスイッチを入れて踊り出す。次女はキッチンを見て、ウンウンと感動している。こいつら何を考えているかよく解らない。
 長女は冷蔵庫から菓子を取り出して立ち食い。そして床に廃棄。 ゴミは片付けれ。
 長女と次女、リビングで立ち話。末っ子、テレビを立ち見。 みんな座れ。
 何故か長女と次女の話が食い違ってきた(らしい)。次女の長女に対する感情がガンガン下がる。 おめでたい長女は気にしていない(らしい)。
 個人データを見ると、長女と次女の好みが面白いくらいに合っていない。話せば話すほど食い違うようである。 波乱の予感がしないでもない。

 パラメーターを見ると、みんな腹が減ってる。手の空いている次女に、食事の用意をさせるコマンドを送る。
 食い物は……冷蔵庫から出した缶詰かいっ! レンジ、使え〜!!
 そして、みんな立ち食い。 座って食え〜〜!!
 さらに床へ廃棄。 ごみ箱に捨てろ〜〜〜っ!!
 ぜーぜー。 何度かコマンドを送ると、その行動を覚えるようだ。「時々」ごみ箱にゴミを捨てるようになった。 前途多難である。 とほほ

 末っ子、「遊ぶ物がない!」とプレイヤーに怒る。(吹き出しにアイコンが出てくるのである) うむ、確かに。と、バスケットボール・セットを購入。いきなりガッコンガッコン遊び始める。 アメリカンな家で、よかったな。
 ついでに意味もなく、キャンプファイヤー・セットも買ってみる。
 長女、「くつろぐところが無い!」とプレイヤーに怒る。 ソファー買ってあるだろーが!! 「座る」コマンドを何回か送ったら、ようやく解ったようである。ええい、手間のかかる。
 次女。………特に希望はないようである。 が、寝ようと思ったら、家具と壁に邪魔されてベッドに入れないようである。フラフラしている。 狭い部屋に家具を詰め込んだ故であった。 壁を少しズラして寝室を一マス分大きくする。ついでに壁紙も変更。 (増改築が簡単でいいわ) 無事、就寝。

 近所の連中が挨拶にやってきた。 ん?引っ越しソバ配らなくていいのか。
 寝てる次女はかな〜り迷惑。 長女と末っ子、近所と交友を深める。 しかし、Mr.ビーンを思わせるミョーな行動のおっさんは2人とも苦手のよーだ。……おっさん、勝手に冷蔵庫を開けて物食ってるし。 いいから、早く帰れ。
 夜遅くに全員が就寝。

 末っ子は「子供」なので、8時になると強制的に学校へゴー!である。スクールバスに乗って、学校へ行く。
 家具を買ってお金も少なくなってきたので、長女と次女は職を探す。 長女、PCで職探し。次女、新聞で職探しである。
 長女、ロクな仕事が見つからない。(涙) 職業「犯罪者」「なまけ者」って、なんだ…。 次女、仕方が無いので新聞に載っていたウェイトレスの仕事をゲット。(後で判ったが、これは俳優になる「ショービジネス関係」の職業らしい。)
 仕事が出来ると「朝のトイレ争奪戦」が大変なことになり、長女と次女がトイレで取っ組み合いの大ゲンカすることに。(笑) 少し時間をずらせれ〜。

 さて、しばらくプレイしていると、 家庭が荒廃してゆく……。

 食べ散らかした缶と古新聞が散乱。ブンブンとハエも飛んでいる。 お片づけが苦手と言ってもそれは無いだろう…。と、ゆーわけで、長女は職探しも出来ずに、部屋の掃除・片付け・庭の水やり・ゴミ出しの繰り返し。
 部屋は汚いわ、全員の行動時間も食い違って会話も無いわ、食い物は缶詰だけ。
 次女と末っ子が家に帰ってきても、気分は最悪。行くときは空腹。 長女は仕事を探す気になれず無職。次女はウェイトレス止まり。末っ子の成績は下がりまくり。 しまいにゃ次女は帰ってきても家に入らず、庭で1人キャンプファイヤー。(笑) その庭の水やりも忘れていて、花は枯れてる。

 夢見るアメリカン・ドラマの世界は吹っ飛んで、「ドキュメントUSA」の世界。 思わずピーター・パラカンさんのコメントが付いちゃいそうである。
 いざゆかん、ダメ家族の道へ。

 こ、これはイカン!
 と、ゆー事で、家族の絆を修復するため次女と末っ子をサボらせ、一日3人でダラダラと過ごさせる。 会話と掃除と食事と掃除と読書と掃除………にしてもゴミが多過ぎやしないか?
 ふと、電話でメイドや庭師と契約できることに気付く。バス・トイレ掃除とゴミ出し、庭の水やり……このゲームでは時間と体力の結構なロスである。予算もそこそこなので、お願いする。 実にアメリカンである。

 翌日から、家がそこそこ綺麗になる。
 遊ぶためにチェスボードを購入すると、何故か3人共、気に入る。特に長女がお気に入りで、論理スキルがアップ。 ソファーに皆で座りながらテレビを観ると、心地よさと楽しさと社交がガンガンとアップ。
 少〜し、良くなってきた。

 と、思ったら、次女がサボった翌日に遅刻して、 クビ
 長女のスキルがアップ&気分も良くなってきたらしいので、仕事探し。
 何故かハッカーの職があったので、これをゲット。 目指せ!国際ハッカー!である。(何なんだ)
 無職になった次女、しばらく家庭の事に専念。 空いた時間には本を読ませ、料理スキルを習得させる。 いかにせん朝・昼・晩・缶詰ではアレだ。
 さらにダウンタウンまで行って、趣味を広げる雑誌を買いに行く。………と、仕事をサボってビリヤードをしている長女を発見。声をかけようと思ったら逃げられた。(笑)

 次女の料理スキルが上がってきた所で、コンロを購入して台所を整備。さー、「料理を支給する」で、皆に料理を…。 と、思ったら、また「缶詰」である。
 ゲームとはいえ、いつまで経っても缶詰の立ち食いはおかしいので、冷蔵庫を替えたりテーブルと椅子を変えたり、色々と試してみる。
 それでも、毎日「缶詰」。 どーして、ホワ〜イ?
 はた と、気付いて、コンロの横に置いてあったコーヒーメーカーを撤去し、台の上にスペースを作ってみる。
 ……あ〜、まな板で材料切り始めた。 やっと温かい料理が出来るようである。 おお、皆が椅子に座って食べておる。
 どーやら、プレイヤーの貧乏性が災いして、空いたスペースに物を置きまくっていた事が原因であった。(とほほ)

 「食事の支給」で料理が食えるようになると、事態はさらに好転。
 長女は皆と時間が合わなくて社交度が下がっていたのだが、食事を皆と食べると社交度がアップ。気分も良いので、空いた時間で本を読みスキルアップ。 スキルアップして昇進。(ハッカーの昇進って、……何だ?)
 次女も時間が空き始めたので、職探し。 警備員(昇進すると警察官である)のクチがあったので、これをゲット。
 ……しかし、ハッカーと警察官……。 なんて姉妹だ。
 チャーリーズ・エンジェルでも目指すか。

 家計も黒字になった頃、末っ子の社交度がダウン。 とーぜんである。学校は昼だが、ハッカーと警備員の仕事は「夜」。 夜中に一人暗い部屋で食事して、テレビを見る子供………グレそうである。
 しょーがないので長女と次女、帰宅後に体力がガタガタでも朝食だけは一緒にとらせる。

 そんな生活を続けていたら、3人とも感情がオール・グリーンになってきた。
 コマンドを送らなくても、自分で動くようにもなってくる。 そうなったらなったで、予測できない行動を見るのも楽しくなってきたのである。
 いつの間にかソファーに座ってテレビを見ていたり、チェスを始めたり、生け垣を眺めてウンウンと感心していたり(何故?)……。

 そんなある日、次女が拳銃で撃たれて体力スキルがゼロに。(おいおい)
 アメリカのホームドラマの様な展開から、目が離せなくなってきた。
 どツボである。


◆ 「Z軸いっちょ追加」

 さて、その「シムピープル」
 シムのスキン( ── いわゆる外見のデータである。動作するボーン(骨)に対して上にかぶせるスキン(皮)ということらしい ── )を配布しているサイトを見て、自分でもスキンを作ってみようと思い立つ。
 何せ追加できるスキンデータはテキストファイル。貼り付けるテクスチャ・データは bmp ファイル。 いじってくれ、と言っているよーなものである。

 某アニメのキャラをモデルにしたシム達であるから、当然ながらアニメキャラのスキンである。 ウケそうだし。
 しかし、アニメ・マンガのキャラの3D化は難しい。
 3D化の難しいと言われるマンガ三大キャラは「島村ジョー」「矢吹ジョー」「ハタ坊だジョー」であるが(←大嘘)、まぁこれほどではあるまい。
 とりあえずは、頭だけから。
 ……気楽に始めたこの時は、泥沼に足を踏み入れたと知る由もなかった。

 シムピープルのスキンを作っている方々は、◆ MilkShape 3D なる 3D モデリングツールを使用している方が多いらしい。 しかし、このツールは英語、かつシェアウェア。
 ちょいと調べると、シムピープルのスキンデータ( *.skn )を◆ メタセコイアフォーマットのデータ( *.mqo )に変換してくれる、◆ Skn2Mqo という便利なツールを発見。
 フリー版を、ありがたく使わせていただく。 感謝、である。
 「 Skn2Mqo 」は、フリー版「メタセコイア LE 」へのデータ変換を保証していないが、しばらく使ってみても問題は見つからなかった。(時折、 UV マップがハチャける事があったが、これはメタセコイア側の問題のようである)

 ゼロから作るのも大変なので、既存のスキンデータを改造する。
 シムピープル本体のデータから切り出すのも良いが、ここはデータ構造の確認も兼ねて、公式シム・ビューワー「◆ Sim Show 付属のスキンデータを流用。 適当にシムの頭と胴体を組み合わせてファイル名を確認。 「 Skn2Mqo 」で、使用する「 *.skn 」ファイルを「 *.mqo 」ファイルに変換。 シムのテクスチャ・データは、「メタセコイア」のディレクトリへ放り込んでおく。

 「メタセコイア」を起動して、テクスチャをオブジェクトに貼り付け。 (「材質パネル」→「設定」→「マッピング」で外部ファイルを読み込み)
 おお。見事に変換されている。
 この顔はアップで見ると、ユーモラス度・アップである。 しかも、濃い。

 やっぱり直そう、と、おもむろにペキペキと修正を始める。
 「少ないポリゴン数でアニメ顔」を目指していたが、最初のポリゴン数ではやはり無理。 どー頑張っても、鼻筋が通って頬骨の高いバタ臭い顔である。
 色々試して、少々頂点を増やしても変換されるデータが壊れない事が判った。頂点を増やし、ほんの少し顔に丸みを帯びさせる。

 元データにはくっついていない頂点があったのでくっつけると、ゲーム側ではテクスチャが壊れた。
 調べれば、「 *.skn 」フォーマットの UV 値は2つの点が重なってはいけないらしい。閉じたオブジェクトを作れないので、作業がちょっと不便である。

 ちょっと頭に丸みを帯びさせた所へ、「 Painter 」で描き直したテクスチャを貼り付ける。減色は「 PAINT SHOP PRO 」にお任せ。
 「メタセコイア」も「 LE 」では UV マップをいじれないので、テクスチャの顔がビローンと引き延ばされたバケモノになってしまうのは御愛敬。

 貼り付ける。 ………うん。思い込めば見られぬ事はない。 かな?
 ……ダメだ。 修正である。

 ペキペキと試行錯誤を繰り返し、頭 Ver.8.0 。
 何とか1人分、見られる物が完成。似てないけど。 あと2人かい。

 悩みのタネは「髪の毛」である。 あのツンツンしていたり、青だったり緑だったりピンクだったりする、アニメ髪。
 ポリゴン数を増やしたくないのでテクスチャで表現してみたが、一方向ならまだしも、アングルを変えるとやはり無理が出る。
 不本意だが頂点数を増やして、アニメ髪の追加である。
 ……しかしこれまた、いやこれこそ「2次元」を前提にしているので、ちょっとでもアングルを変えると「頭から生えている別の何か」に見えるのだっ! (例えば、先ほど挙げた「矢吹ジョー」を思い出して欲しい。 アングルを変えるとチョコボールのキョロちゃんになる。)

 これまたペキペキと試行錯誤を繰り返す。 フィギュアだの設定資料集だの便利なブツは持っていないので、勘だけ。
 しかし何なんだこの髪は、角度を変えると犬の耳に見えるぞ。そーか、獣つながりで、ネコミミ娘はアニメなら当然であるのだな。……訳の分からぬ事を考えつつ作業。 しまいには何度も見ているうちに、訳が分からなくなってきた。
 頭 Ver.13.0 あたりになって、やっとソレらしいものが完成する。

 出来たスキンは、「◆ Sim Pose 」で確認である。
 様々なアングルで見られるので、バランス調整やテクスチャ不具合の確認に最適である。 適当にポーズを取ったりして、遊んでみる。

 実はこのあたりで、シムピープルのプレイ時間よりもスキン製作時間の方が長くなっている。 1人分で実質20時間くらい。
 大馬鹿者である。

 少々苦労して3人分、完成。
 3D モデルを簡単に切り張りできる「メタセコイア」の使いやすさに、相当助けられた。いやまったく。

 今までプレイした家族データが勿体なかったので、やはりフリーのツールでスキンデータだけを差し替えようとしたら、……プレイ・データを壊した。
 ゲームがハングして起動もできなくなる。 仕方がないので、再インストールである。 何やってんだか。

 改めてシムを作り直して再プレイ。 (まー、前のデータが消えても、お気楽極楽でプレイし直してしまう。これもまたシムピープル。)
 慣れてきたので今回は上手くできる、と思ったのだが、いきなり人間関係が悪化。 えーとえーと、前回はどうしたんだっけか。

 まだまだ楽しめそうである。
 各種フリーソフト製作者の皆さま、この場を借りて御礼申し上げます。




◆ TOP ページへもどる