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フラガリア属


このサイトで紹介している種

イチゴ ワイルドストロベリー    
イチゴ
ananassa
ワイルドストロベリー
vesca
   

バラ科Rosaceae)バラ亜科
学名Fragaria L.
和名イチゴ属(オランダイチゴ属)
英名strawberry
分布北半球、南米の温帯
種数約12〜20種(資料によって違います)
属名の性別女性
属名の由来

ラテン語の「fragrans(匂いをたく)」に由来し、果実が香ることに因む

メモ

名前について
 属の和名に関して、Fragaria属の基本種は F. × ananassa で、イチゴのことです。イチゴには「オランダイチゴ」と言う和名が付いていますが、一般でも研究論文でもほとんど使われていないことから、ここでは「園芸植物大事典」に記載されていた「オランダイチゴ属」ではなく、「最新園芸大辞典」と同様に「イチゴ属」とさせていただきました。
 英名の「strawberry」の「straw」は「麦」ではなく、「あちこちに散らす、一面を覆う」を意味する「strewstrawの古語)」が語源で、ランナーを伸ばして繁殖する様子を表しているそうです。また、2002年1月13日のNHK「日本人の質問」では、ランナー自体を麦わらに見立てたという説が紹介されていました。これらの他に、昔、露店の商人が、ワラ(straw)に果実を数珠なりに結んで市場へ持って行ったことに由来するとか、干し草(アングロ・サクソンの単語で「streaw」)が成熟するのと同じ頃に、果実が成熟することに由来するとかとも言われています(ただし、strawberry の語源は栽培イチゴが生じる以前の時代にまで遡り、当時は、ワイルド・ストロベリーのような野生のイチゴを表していたようです)。


形態・生態など
 多年草です。栽培種の茎は短縮茎です。葉は、葉縁には鋸歯がある3枚の小葉が集まって複葉を形成しています(三出複葉)。葉柄の基部には托葉があります。葉序は互生(栽培種のイチゴの開度は2/5)です。分枝は仮軸分枝で、主枝、あるいは、側枝の頂部に花序が形成されると、それより下の葉の腋芽が側枝として発達するという成長を繰り返します。花序は栽培種では基本的に二出集散花序ですが、不規則な形になることがあります。花は集合花で、半球状の花床(花托)に複数の子房が付いています。植物学的には子房が成熟したものが果実であり、イチゴの果実は痩果に分類されています。花弁は白色で5枚以上で、大きい花では数が多くなります。F. chiloensis など、雌雄異株の種もあります。ランナーで繁殖する種が多いそうです。染色体数はx=7で、2倍体、4倍体、5倍体、6倍体、8倍体の種があります。
 栽培に関しては、イチゴのページをご覧下さい。


種類など
 種数は上記の通りですが、検討の余地があるそうです。日本には4種(@)があると言われています。

イチゴ(F. × ananassa Duch.;8倍体)
F. × bringhurstii(5倍体、6倍体)
・チリイチゴ(F. chiloensis (L.) Duch.;8倍体)
F. corymbosa(4倍体)
F. daltoniana(2倍体)
F. gracilisa(2倍体)
@ノウゴウイチゴ(F. iinumae Makino;2倍体)
F. iturupensis Staudt(8倍体)
F. mandshurica(2倍体)
・シロバナヘビイチゴ(F. moschata Duch.;6倍体)
F. moupinensis(4倍体)
F. nigerrensis(2倍体)
F. nipponica Lindl.(2倍体)
F. nubicola(2倍体)
F. orientalis Losinsk(4倍体)
F. pentaphylla(2倍体)
ワイルドストロベリー(エゾヘビイチゴ;F. vesca L.;2倍体)
F. virginiana Duch.(8倍体)
F. viridis Duch.(2倍体)
F. yesoensis Hara(2倍体)


本棚以外の参考文献
  • Hancock, J. F. Strawberries (Crop Production Science in Horticulture 11). CABI Publishing. 1999.

(2003.6.9.)
 
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